2021年5月13日(木)発売の6月号で休刊となる競馬雑誌・サラブレ。サラブレ本誌で長年連載されていた人気コーナー『重賞アプローチS』は、引き続き亀谷競馬サロンにて公開いたします。
なお、ヴィクトリアマイル、オークスにつきましては、亀谷競馬サロン・リニューアル記念として、重賞アプローチSを特別に無料公開いたします。それ以外の重賞レースにつきましては、プレミアムコース＆レギュラーコース会員様限定記事となります。
【ヴィクトリアマイル】
「高速決着だと小回り1200mのような流れに対応することが要求される。よってスプリント適性が重要。2020年の勝ち馬アーモンドアイは父のロードカナロアがスプリント適性も高く、高速決着に強い種牡馬。2着のサウンドキアラは母父がダンチヒ系の血を持つアグネスデジタル、母系はボールドルーラー色の強いスピード持続性の高い血統。
2019年は勝ったノームコアが芝スプリント戦のレベルが高いオセアニアで繁栄するデインヒルの血を持つ馬。母父クロフネも芝1200mG1勝ち馬を複数出す種牡馬。2着プリモシーンも母父がオセアニアの大種牡馬ファストネットロック。ダンチヒ系、デインヒルの血を持つ馬の1、2着。
2015年、2016年と連覇したストレイトガールは父がフジキセキ、母父がスプリント適性高いタイキシャトルでした」
－たしかに、ストレイトガールはスプント実績があり、中距離実績は乏しい馬でした。
「2013年、2014年と連覇したヴィルシーナは中距離実績もありましたが、血統はスプリントの名血も持っていました。母にグロリアスソングを持っていましたから。グロリアスソングはタイキシャトルの父デヴィルズバッグの全姉。スピード指向のヘイローの血は相性が良い。
同じくヘイローの短距離指向も強いフジキセキの血を持つ馬はストレイトガール以外も実績を残しています。2007年にコイウタが12番人気1着、2008年にエイジアンウインズが5番人気1着。フジキセキはサンデー系のなかではヘイローのダート短距離的なスピードを伝えるので、このレースに合う」
－スプリントの血が大事なのですね
「ダンチヒ系。他ではプリンスリーギフト系の血も、スプリント指向のレースでは注目できる血です」
－高速馬場ではない場合は傾向が変わりますか？
「そうですね。2017年と2018年は道悪で血統も欧州指向でした。ジュールポレール、レッドアヴァンセ、デンコウアンジュは父か母父が欧州型ノーザンダンサー系。アドマイヤリードは父が凱旋門賞でも好走馬を複数出しているステイゴールド。馬のタイプ的にもリスグラシューは後に香港の2400mでも好走した馬。アドマイヤリードは2、3走前に1800mで連勝。デンコウアンジュは前走1800m。スタミナ寄りの馬が走りやすい傾向になっていました」
－戦歴、馬柱の傾向はどうですか？
「近走で先行している馬が恵まれています。7番人気以下で馬券になった2016年7番人気1着ストレイトガール。2017年11番人気2着デンコウアンジュ、7番人気3着ジュールポレール。2018年8番人気1着ジュールポレール、7番人気3着レッドアヴァンセ。2019年11番人気3着クロコスミア。この6頭は前走で3コーナー5番手以内の経験がありました。
【まとめ】
・高速馬場ならスプリント適性の高い血が重要。スピード指向のヘイローの血。ヴァイスリージェント系、ダンチヒ系、プリンスリーギフト系や米国型ナスルーラ系の血を持つ馬
・道悪なら父か母父欧州型ノーザンダンサー系。ステイゴールド産駒
・近走先行経験馬
2021/05/10 (月)