「サイアーオブサイアーズ」古くから伝わる世界共通の血統概念です。これは「優れた種牡馬をたくさん生み出す種牡馬」のことを示します。
『スマート出馬表』にも掲載されている血統ビームの概念が誕生したのは今から30年ほど前の話ですが「サイアーオブサイアーズ」の概念は、ボクが生まれるずっと前から世界中のホースマンが共有していました。
そして血統ビーム独自のツールである「系統分類」は「サイアーオブサイアーズ」の概念があるからこそ成り立ちます。「特定の血を父系から引く「種牡馬群」は、そうではない種牡馬群に比べて抜きん出た個性、能力を持つ」。この概念が成り立つからこそ「系統」の概念も成立するからです。
血統ビーム独自の系統分類ではディープインパクトを父系から継ぐ種牡馬群をいち早く「ディープ系」として独立させました。ディープインパクトが「サイアーオブサイアーズ」となり、他のサンデー系とは抜きん出た個性を確立すると予想していたからです。
今シーズンの新潟芝でも「ディープ系」は、他系統に比べて抜きん出た成績を収めました。7月以降の新潟芝レースで単勝10倍以内に支持された「ディープインパクト直仔を除くディープ系」は勝率30%、連対率50%、複勝率65%、単勝回収率151%、複勝回収率109%。
他方、ディープ系ではない(単勝10倍以内)の馬達は、勝率20%、連対率35%、複勝率52%、単勝回収率80%、複勝回収率84%。明らかに差があります。
新潟2歳Sも単勝10倍以内では唯一ディープ系だったキタウイングが優勝。正直「ディープ系」のツールを作っておきながら「そこまで違うか! 」と驚きました(笑)。
今シーズンの新潟芝にて「父ディープ系」で馬券対象馬を出した種牡馬は、ダノンバラード、キズナ、リアルスティール、シルバーステート、トーセンラー、スピルバーグ、ワールドエース、グレーターロンドン、ミッキーアイル、リアルインパクト、ヴァンセンヌ、ディーマジェスティ、サトノダイヤモンド、ディープブリランテの14頭。
ディープインパクトは新潟芝向きの種牡馬群を形成する「サイアーオブサイアーズ」と呼ぶに相応しい成果を収めています。
さて、今週末は小倉2歳Sが行われます。昨年の同レースは「父ディープ系」の馬が3頭出走。ナムラクレアは4人気で1着。スリーパーダは3人気で2着。アネゴハダは8人気で3着。「父ディープ系」の馬は多系統とは一次元違う競馬をしたことになりました。
なお、先々週に同コースで行われた重賞、北九州記念は母父ディープインパクトのボンボヤージが優勝。3着ナムラクレア、4着アネゴハダは父ディープ系です。
今年の小倉2歳Sに出走を予定している父ディープ系の産駒はロンドンプラン、アウクソー、ニシノトキメキの3頭。
2022/09/02 (金)