先週の亀レビュー(9/17～9/19)/亀谷敬正のレース回顧

▼先週のトピックス
・バイアスは存在するのか？
・バイアスとAIを組み合わせる方法


▼バイアスは存在するのか？

ボクが競馬予想を始めた頃は「AI」と呼ばれるものは存在しませんでした。けれども「機械に独自のデータを読ませて統計を取る」ことは、馬券戦略上有利だろうと最初から信じていました。

JRA-VANのようなデータを自前で作る組織(JRA-VANがなかった頃です)や、機械分析する会社が成り立つだろう、とも予想していたものです。「亀谷競馬サロン」の前身ともいえる発想ですね。

そして、血統が今以上に軽視されていた時代、「機械に血統をタイプ化して読ませる」手法も有効だろうと信じていました。今、スマート出馬表に掲載されている独自の血統タイプは、機械に読ませて有効な数値が出ることを狙って作ったツールです。もちろん、エンジニアとテクノロジーは重要です。競馬関係の技術者と出会った人数、友人の数は多い自負もあります。こうして「亀谷競馬サロン」は、技術力の高いエンジニアが作ったツール、知見を安価で共有できているとも思うのです。

今も、続々と新しい技術を、エンジニアの皆さんから教わっています。日々の勉強はとても楽しいものです。その内容をここで解説すると、ただのパソコン教室になってしまうので割愛はしますけれども(笑)。

つい最近も、当コーナーで「現状の亀AIはバイアスを読む能力はない」というようなことを書きました。バイアスの考え方もエンジニアによって多彩です。なかには、バイアスそのものを否定する人もいます。たしかに、特徴量の作り方が難しいですし、仮にそれっぽいモノを作っても的中率への影響度が低い可能性があります。

でも、ボクはバイアスは存在するし、読めるんじゃないか？ と、思っています。上手に特徴量を作れば的中への影響度も高くなると信じています。


▼バイアスとAIを組み合わせる方法

9月18日、19日の中山ダートは「芝バイアス」が発生していたと思います。近走芝経験馬が続々と走っていましたし、芝血統もよく走っていました。

その前に「前走経験なんて分析ツールとして有効なの？」と考える人もいるかもしれませんので、「前走芝経験馬」の走りやすいバイアスが発生する大きな理由を2つ挙げましょう。

・前走で芝競馬のレースパターンを経験していることが有利な馬場がある
・芝を使っている馬は、ダート組よりも芝指向の能力を持っている可能性が高い

納得できる方とバイアスを信じる方だけ参考にしてください(笑)。

なお、18、19日の中山ダートで「前走芝」の馬は勝率5％、連対率20％、複勝率30％。一方、ダート組は勝率8％、連対率13％、複勝率19％。

通常は、前走芝組は前走ダート組よりも的中率はかなり下がりますから、成績がさほど変わらない、連対率、複勝率に至っては上回っている、というのは異常な傾向です。

さらに成績が優秀だったのは「AI注目馬」で、前走芝経験馬。複勝的中率は52％、単勝回収率は108％、複勝回収率は115％。13レース中10レースで該当馬が馬券対象になりました。

「亀AI」は、戦歴の傾向を機械分析して期待値を出していますが、バイアスは読んでいません。よって、バイアスに恵まれそうな馬の中から、AI注目馬を選ぶことは、バイアスが恵まれそうで戦歴の期待値も高い馬を選ぶことになります。

今週以降も、AI注目馬の中から「ざっくりとしたバイアス」で馬を選ぶ手法は有効に作用することでしょう。

ここで気をつけたいのは「細かいバイアス設定をしないこと」と「絵に描いた餅」のような選び方をしないこと。

明らかな傾向をざっくりと選ぶことが重要です。加えて「真逆の性質の人気馬は凡走しているケースが目立つこと」を意識しましょう。

18日、19日の中山ダートも「前走芝」というザックリとしたワンポイントで選んでいます。開幕週の中京ダートも「内枠」というザックリとしたワンポイントで選んでいます。9月10日の中京最終レースも1～6番に入ったAI注目馬から、1～6番に流す。これだけで帯封を獲得しています。

血統で選ぶならば、○○系、国別タイプ○○型、芝シェアぐらいの大きなポイントで絞り込むよう意識してください。