亀谷敬正自身が先週のレースや予想などを振り返る「先週の亀レビュー」。競馬の構造理解や次週以降のヒントなどが満載です。ぜひご一読ください!
▼先週のトピックス
・米国持続型馬場と欧州馬力型馬場の違いを活用して砂競馬で儲ける方法
・欧州馬力馬場で好走した危険な人気馬を米国持続馬場で消す
米国持続型馬場と欧州馬力型馬場の違いを活用して砂競馬で儲ける方法
1月27日(土)銀蹄Sは8人気で3着のマニバドラを本命にしました。レース前に解説したように「米国持続型血統」の逃げ馬に相性がいいレースだからです。
2019年~2023年までの5年のうち4年で逃げ馬が馬券圏内に。全ての年で推定人気よりも上の着順。逃げ馬が唯一馬券にならなかった2020年はエテルニテが2番手追走から11人気で2着(推定人気は16人気)。
2023年のリンカーンテソーロは父も母父も米国産のマル外。2022年のイディオムも母は米国産のマル外。2021年のピンシャンも米国産マル外。2020年のエテルニテは父も母父も米国型。2019年のスズカコーズラインも父も母父も米国型。
▲過去5年の銀蹄S好走馬国系統
※プレミアムコース限定のスマート出馬表より
「米国持続型血統で逃げる米国型」が恵まれるというレース傾向を信じるなら、マニバドラを買うしかありません。なお、マニバドラは「亀AI」もB評価。買い続けるだけでプラスになる戦歴のパターンでもありました。
▲1月27日(土)銀蹄Sの出馬表/スマート出馬表
▲マニバドラの血統表/スマート出馬表
▲マニバドラの戦績/スマート出馬表
▲1月27日(土)銀蹄Sの亀AI評価
※プレミアムコース限定のFacebookグループより
先週はサロンメンバーと予想手順について語り合いましたが、
手順1:「亀AI」で期待値の高いパターンの高い馬を抽出
↓
手順2:レース傾向に合う馬を買う
という予想手順の皆さんも多かったです。この手順に従って馬券を買うならば、マニバドラは自信を持って選べた馬ではないでしょうか。
欧州馬力馬場で好走した危険な人気馬を米国持続馬場で消す
日本の砂競馬が面白いのは(面白いだけで、種牡馬選定には間違ってますが)、銀蹄Sのような米国型持続型の先行馬がどのレースでも有利ではないこと。欧州馬力型血統が走りやすいレースも多いのです。
マニバドラのような米国型血統馬が穴を出すのも、日本の砂競馬は常に米国血統が走りやすい訳ではないから。欧州馬力型血統が走りやすいレースではマニバドラのような血統馬が続々と失速してしまうのです。
例えば、前開催の中山ダート1800mは「欧州馬力型血統」の先行馬が有利なレースが続発しました。
1月28日(日)の東京3Rで1人気になったアムレートゥムもそう。同馬は父も母父も欧州型。前走は中山ダート1800mで先行して2着。欧州馬力型血統が粘れるレースだったからです。
しかし、欧州馬力型血統は米国指向のスピードの持続性を問われると、追走でリズムを崩して大惨敗する馬も多いです。東京3Rのアムレートゥムもレース前に危険な人気馬に指名。YouTubeチャンネル「亀谷敬正の競馬血統辞典」でも消しパターンに該当していました(※)。
(※)タリスマニック編は2/2(金)に公開。プレミアムコースメンバーには動画公開前から種牡馬の買い/消しパターンを先行公開しています。
この馬を消すだけで手堅く期待値が取れると判断して推奨レースにしました。結果は13着に惨敗。100回やっても100回とも馬券になれなかったでしょうから、「1人気が消えるからおいしい」レースを推奨できたことには達成感があります。
このレースは本命のアデランテが1着。1人気の逆張りで全ての馬券を総取りできました。
なお、亀谷競馬サロン入会歴の浅いメンバーから『パワーと馬力は同じではないか?』 という質問を度々頂戴いたします。
確かにその通りなのですが、アメリカのダートでスピードに乗るためのパワーと、欧州の芝でバテずに加速を続けるパワーは、方向性、質が違います。なので、欧州的パワーは「欧州的馬力」と呼ぶことにしています。
別に「欧州的パワー」と「米国的パワー」と命名してもよかったんですが、個人的趣味で「欧州的馬力」と命名しました。
そもそも、亀谷が知る限り「米国的パワーと欧州的パワーは別次元である」という概念を提唱、命名してデータベース化するという人は誰もいなかったので、星座のように勝手に名前をつけていいのです。
「ベテルギウス座はベテルギウスには見えないから違う名前にしろ!」みたいな難癖を言ってくる人はいつでもいますが(苦笑)、星をみつけたのと同じように、欧州型馬力と米国型パワーという能力の概念はボクが発見したので、どう名付けようが自由ですし、センスが悪いと言われても知ったこっちゃありません(笑)。