亀谷敬正自身が先週のレースや予想などを振り返る「先週の亀レビュー」。競馬の構造理解や次週以降のヒントなどが満載です。ぜひご一読ください!
▼先週のトピックス
・サウジカップデーでも実感した希少血統
サウジカップデーでも実感した希少血統
サウジカップはセニョールバスカドールが優勝。2着はウシュバテソーロ。
馬券予想は◎アイソレートと○サウジクラウンの2頭からの3連複馬券を推奨。軽視した1人気のホワイトアバリオは馬券圏外になりましたし、サウジクラウンの複勝は830円。満点の予想とは到底言えませんが、アプローチとしては納得しています(納得できないという方は、今後も納得できないことがほとんどだと思うので、亀谷のコンテンツは今後一切ご覧いただかなくて結構です)。
サウジカップデーを通じて改めて実感したのは、ミエスク、サンデーサイレンス、エーピーインディ、ガリレオが偉大な血だということ。
ウシュバテソーロ、フォーエバーヤング、リメイクに共通するのは、ミエスクとサンデーサイレンスを両方持つ配合でした。
日本ではこの2つの血を持つ馬が何百頭も生産されますが、外国ではまだまだ希少な組み合わせ。これは日本生産界にとっても大きなアドバンテージです。
ミエスクとサンデーサイレンスを両方持つ馬は、フランス指向の末脚の伸び、スピードが強化されます。今年のサウジのダートはアメリカダートの主流レースに比べれば、フランス指向の伸びが要求されたことも有利に働きました。予想以上にフランス指向の馬場、レース質であったことは、サウジカップデーの予想で最も反省すべき点ではあります。
また、ウシュバテソーロ、フォーエバーヤング、リメイクはいずれもJRA所属騎手だったことは、日本競馬を愛するファンとして誇らしい成果でしょう。サンデー+ミエスクの伸びを引き出すリズムを日本人のトップ騎手は知っています。この血統の良さを最大限引き出せるのは、今後も日本の大レースとフランスの競馬を数多く経験した騎手になることでしょう。
サウジカップを勝ったセニョールバスカドールは父がマインシャフト。エーピーインディ系種牡馬。母父デザートゴッドもファピアノ系。この2系統も偉大な血です。
なお、フォーエバーヤング、リメイクはエーピーインディの血も持つ馬です。
日本では、まだまだ「競馬の能力の概念」を知られていませんから、エーピーインディ系とファピアノ系は過小評価されています。だからこそ日本の芝競馬、砂競馬でもまだまだ伸びシロのある系統です(砂競馬そのものに伸びシロはないんですけれども(涙))。
サウジカップを勝ったセニョールバスカドール、超ハイペースでギリリギリまで凌いだサウジクラウンはいずれもファピアノとエーピーインディを両方持ち、サンデーもミエスクも持たない馬です。
エーピーインディ系とファピアノ系が強さの割に日本で過小評価されていることは、馬券ゲームには関係ない…と思われる一般ファンは大多数を占めますが、そんなことはありません。馬券ゲームでもエーピーインディ系とファピアノ系が一般ファンが思っている以上に能力の高い馬を出すことを知っていることは、役に立つのです。
日本の競馬でも、サンデー&ミエスク持ちの馬よりも、ファピアノ+エーピーインディの血を持つ馬の方が強いレースパターンは存在します。それは日本においては反主流レース。反主流のレースパターンは、当然主流レースよりも少ないので、今までに見たことのない能力≒穴馬券が発生しやすいですし、反主流レースで力を発揮する馬は前述したように血統で傾向が出るからです。
といったところで、ほとんどの一般競馬ファンには理解してもらえないでしょうが・・・。能力の方向性の概念を知り、その概念で血統と競馬を分析することは、競馬の面白みを一層理解することに繋がると信じていますし、副産物としておいしい馬券も獲得できることがあります。
今後も世界中の競馬を当サロンのメンバーと共有している概念&ツールで楽しみたいと思いますし、サウジカップデーも楽しみつくせたことに感謝します。
なお、馬券ゲームはサウジカップよりも、日曜のJRAの馬券ゲームで大収穫でした。阪急杯も中山記念も非主流適性が要求され穴馬券になりました。どちらも本命馬がちゃんと馬券にもなってくれました。
ただ、サウジカップデーの方が新鮮味があるので、特に語りたいことはございません(笑)。JRAの馬券ゲームを攻略するための概念を深めていくにしても、JRAの重賞レースよりもサウジカップデーを議論した方が概念は深まると思うからです。
もちろん、中山記念、阪急杯についても語れることはいくらでもございますので、話したいことがある方は「亀谷競馬サロン」にご来場いただいた際にでもお声がけください。