12/18(木)の夜、リアルサロンスペースで開催した田中博康調教師と亀谷敬正とのトークイベントの模様を、テキスト版にて無料公開いたします。
今回は田中博康厩舎公式SNS経由でご参加いただいたお客様と、当サロンのプレミアムコース会員様をご招待させていただきました。イベントの進行役は競馬キャスターの大澤幹朗さんです。
昨年に続いて2年連続での開催となった当イベント。今年は主に田中博康厩舎所属の一口クラブ馬を中心に、来場いただいたファンの皆様からの質問にお答えいただく形で進行。あっという間の2時間となりました。
当日は遠征続きで多忙の影響もあってか、声がかれてしまっていることを気にされていた田中調教師。「来場していただいた方には、お聞き辛いところもあり、ご迷惑をおかけしました。また次回は体調が万全の時に!」というコメントをいただいております。次回の開催もお楽しみにお待ちください。

大澤幹朗(以下、大澤):昨年に続いて今年も進行を務めさせていただきます。早速ですが、まずは東京大賞典のお話から伺ってもよろしいですかね?
亀谷敬正(以下、亀谷):東京大賞典にはミッキーファイトに加えて、ナルカミも出走とのこと。ナルカミを出走させることになった経緯を聞かせていただけますか。正直、前走のこともあり、この出走判断については驚きました。
田中博康調教師(以下、田中):馬主のゴドルフィンと相談した結果です。レモンポップの時から、いろいろと可能性を広げる馬の使い方というようなことをやり取りしてきた歴史があります。
元々、ナルカミはチャンピオンズカップではなく、東京大賞典を目指した方がいいのではと私は考えていました。今後のことを考えると、厳しいローテションでもチャレンジした方がいいだろうということになりました。
ナルカミの来年以降を考えると、賞金面での不安も残ります。東京大賞典以外に適している条件、ベストパフォーマンを出せる条件が年明け早々にもないので、チャレンジしようということになったんですね。
亀谷:その来年ですが、ドバイなど海外遠征は考えていないのですか?
田中:もちろん海外も視野に入れつつですが、出るだけでは意味がありません。まずは国内で結果を残したいと思っています。
※ここから話はチャンピオンズカップの振り返りに入りましたが、内容は当日お越しいただいたお客様だけの秘密ということで…。
大澤:東京大賞典に話を戻すと、ミッキーファイトについてはいかがでしょうか?
田中:こちらはJBCの後は元々、東京大賞典に行くつもりでしたので予定通りのローテションです。
亀谷:東京大賞典の後はサウジかドバイを目指すのでしょうか?
田中:現時点ではしっかりと決めている訳ではありません。ただ、仰るようにその2択と考えています。使うとしたらどちらかですが、コース形態はドバイ、距離的にはサウジが合いそうですね。
亀谷:ズバリ、東京大賞典はどちらの方が向いていると考えていらっしゃいますか?
田中:体力はナルカミ、スピードはミッキーファイトですかね。
大澤:実績的には2頭とも大井2000mは合っていますしどちらも楽しみということで!
この後は、ご来場いただいたファンの皆様の一口出資馬に関する質問コーナーに。
なかでもハービンジャー産駒の3歳馬アールヴィヴァンに出資されている方が多く、クラブ上で掲載されていること以外の特徴や厩舎での雰囲気などを交えて、このイベントでしか聞けないような濃い内容をお答えくださりました。
さらに、デビュー前から注目度が高かったサレジオ、ターコイズフリンジなどシルクRCの馬の質疑応答が続き、このイベントの直前(12/13)の競馬で勝利していたバルボアパークについては、レースに関する質問も。
田中調教師は「この仔はいい心臓を持っています。あとはその良さをどう生かしていくかですね」とコメント。亀谷も血統的な観点から「この馬のお母さんはダート血統ですよね」と、血統面のポイントを交えながら解説。
他にもインゼルRのフライングビーナスについての質問の場面では、育成段階や現状をみて「芝の長いところ向きの適性だと思います」と回答。
そして、20日にデビュー予定のプラウディッツについては、出資者の方から「ルメール騎手、確保ありがとうございます!」というお礼から質問スタート(笑)。
プラウディッツに関して田中調教師は、若駒や血統由来の体質、完成度についても言及し、他の新馬とは調整の仕方などを変えていることを説明。最後に「この感じの状態で勝ってほしいですけどね」とコメントし、期待度の高さと心配が混じっている様子でした。
イベント後にプラウディッツは見事新馬戦を快勝! 出資者の皆様にとっても最高の結果になりましたね!
マリアイリダータについてのパートでは、デビュー前のゲートでの課題などについての質問に、厩舎でのゲートなどへの取り組み方を詳しく解説。
毎日王冠を勝利しマイルCSへ出走したレーベンスティールについては、気性面での質問が投げかけられ、同じキャロットFの新馬レイジングサージの現状についても現状と今後の見通しについて問われる場面も。
そんな心配の声に対しても、「入厩前に故障してしまいましたが、いい馬ですよ。北海道で見た印象は非常にレベルが高そうという印象です。未勝利戦があるうちには間に合うと思います!」と率直に現況を真摯にお話しくださりました。
香港では残念な結果になったローシャムパークについては、田中調教師は「操縦性はアップしているので、まだまだやれるはずです」と力強い一言。2歳馬のロードリュイールについては、デビュー直前に怪我をしてしまったということで、「仕切り直して放牧へ出します」と現況を語っていただきました。
フローラS 2着後から休養中のヴァルキリーバースについては、現状の回復具合などについて説明。しかも、「大きく休んで、馬体が立派になって、いい肉付きになってきた。しかも、精神的にもよくなっている」と前向きなコメント。
これら各出資馬個別のお話に加えて、競走馬の遺伝子検査について議論をしたりなど、今年も内容の濃い対談となりました。
この後は来場の皆様との記念撮影タイム、サイン会などのお時間も撮っていただき、濃密であっという間のイベントが終了。
体調が悪いながらも、真摯にファンの皆様の質問にお答えくださった田中調教師。お忙しい中ありがとうございました。
