亀谷敬正自身が先週のレースや予想などを振り返る「先週の亀レビュー」。競馬の構造理解や次週以降のヒントなどが満載です。ぜひご一読ください!
▼今回のトピックス
・同コースG1勝ち馬の産駒を買うだけで大儲け!
・巷の能力指数がまったく機能しないレース
同コースG1勝ち馬の産駒を買うだけで大儲け!
先週は「父が同コースG1勝ち馬」の産駒を買うだけでも簡単に儲かりました。いや、先週に限らず「父が同コースG1勝ち馬の産駒を重視」する考え方と「能力には相反する要素がある」概念を意識すれば、いつでも馬券で儲けることはできます。
6/14(土)の夏至Sは推奨レース(亀SP対象レース)。『競馬放送局』で公開している予想でも▲アルムラトゥールが1着で単勝は4770円。◎ガンウルフが3着で3連単は73万馬券。
▼参考/競馬放送局
宝塚記念で的中続出! 亀谷は73万馬券も!/先週のMVP
アルムラトゥールの父はコパノリッキー。同馬は同コースG1・フェブラリーSの勝ち馬。2014年に単勝272倍で勝った時は、夏至Sのアルムラトゥールと同じく、外枠の距離短縮でした。
翌日の宝塚記念も◎メイショウタバルが優勝。父はゴールドシップ。2013年、2014年の宝塚記念を連覇。
どちらのレースも「同コースG1を勝っていた父の産駒」は1頭のみ。その1頭が勝ちました。
なお、ディープインパクトが宝塚記念を勝った時は京都開催(京都芝2200m)。産駒も牡馬が宝塚記念を勝っていないことも大事なポイント。プラダリア、ヨーホーレイクを評価しなかった理由にも繋がります。
そのプラダリアとヨーホーレイクは京都芝2200m重賞は勝っていますし、ヨーホーレイクは京都記念では本命に推奨しました。
フェブラリーSと宝塚記念に共通するのは、「そのコースで最高パフォーマンスを発揮するために作られた馬が少ない」こと。
日本生産馬のほとんどは3歳春の東京芝2400mで高いパフォーマンスを出せるように生産、繁殖の淘汰がされています。欧州、米国の競馬で要求される能力の方向性も東京ダート1600mと阪神芝2200mとは、やはり異なります。
この現実を意識しないと、AIなどを駆使して能力分析しても、競馬の本質を追及することはできないと思うのです。
巷の能力指数がまったく機能しないレース
競馬の予想ツールには、古くからレーティングやスピード指数といった過去に発揮したパフォーマンスを測るモノサシ的なツールが存在します。
このモノサシの精度向上にも、当サロンは莫大な経費を投入しています。そのツール作成コストは、多くの人にとって1人で賄えるコストではありません。
当然ですが、当サロンが作っている過去実績のモノサシ≒スピード指数のようなものから導き出される予測勝率は、巷にあふれている代物よりも高い精度を出している自負もあります(統計を取れば実証されるでしょう)。
ただし、そのモノサシの精度だけを上げるのは競馬を追及する過程のひとつに過ぎないのです。「たったひとつの能力指数で馬の力がわかる」なんて奢りもありません。「能力には相反する要素がある」と考えるからです。
実例を出してみましょう。我々も用いている「主流能力を測るための指数」であれば、ここ数年で高い数値を出している馬はアーモンドアイとイクイノックスです。
それに比べると、宝塚記念のメイショウタバルが出した指数はかなり低いです。2、3着馬も東京芝2400mG1の2、3着馬の平均能力指数よりも低く、3着馬はジャパンカップ5着馬の平均指数よりも低い指数です。
つまり、今年の宝塚記念は「主流舞台でG1連対級のパフォーマンスを発揮できる馬が、まったく力を発揮できないレース」でした。3~5着馬は「バテないように最後方待機をしていた」ことが功を奏したレースで、仮に条件馬でも後方待機をすれば同じぐらい走れた馬はいます。
今となっては結果論ですが、この見立てはレース前に述べました。我々は宝塚記念に限らず「3着馬は運、気分次第なので総流し」という予想をよくします。そういうレースを選んでもいるからです。
ジャスティンパレス、ショウナンラプンタ、チャックネイトは後方待機をした馬のなかで馬と騎手の気分≒運のよかった順に3~5着でしたが、レースをやり直せば着順が入れ替わるでしょう。騎手の気分で前に行った馬は掲示板も難しかったかもしれません(馬と騎手の気分には傾向があるので、そこを多少は読めますけれども)。つまり、3着馬は「運と気分」の要素で結果が変わるので、事前に狙い澄ますのは難しいと判断しました。
よって、メイショウタバル、ベラジオオペラから、3着は能力を発揮できないであろう人気馬を消して、その他は手広く流すアプローチが期待値の高い馬券戦術≒今後も似たような考え方で期待値の高い馬券を組める戦術だと予想しました。
このような予想を組み立てる上で大事なことは、「過去のパフォーマンスの質を評価する」ことと、「今回要求されるパフォーマンスの質」を高い精度で分析することです。
今回の宝塚記念でいえば、主流舞台でメイショウタバルよりも高いパフォーマンスを出していた馬は何頭も出ていたけれども、今回の舞台はそれらの馬達が力を削がれる可能性が高かったこと。
メイショウタバルは他の上位人気馬と比べ、今回の舞台で能力を削がれにくい馬であり、それは血統を見ればわかることを証明できた典型的なレースでした。
今週末も宝塚記念や夏至Sを当てた時と同様の予想アプローチが有効なレースはあると思いますので、見逃さないように予想と向き合う所存です。