亀谷敬正自身が先週のレースや予想などを振り返る「先週の亀レビュー」。競馬の構造理解や次週以降のヒントなどが満載です。ぜひご一読ください!
▼今回のトピックス
・欧州血統はスピードがないという誤った認識について
・高速馬場=前残りという誤解と、今の京都芝の本質
・今の京都芝で儲かるローテーションと秋華賞への応用
・初心者向けに今回の亀レビュー内容をAIが解説
欧州血統はスピードがないという誤った認識について
「欧州血統はスタミナ型でスピードがない」──この誤解はいまだに根強く、多くの一般ファンやAIが自動生成する競馬原稿にも頻出します。しかし、トップクラスの欧州馬は日本のトップホースと比較しても、道中で脚をタメこむ能力と加速スピードにおいて勝っているケースが多いです。
今年のスワンSも、それを示す典型的なレースでした。レコード勝ちしたオフトレイルは欧州生産馬で、父も母父も欧州型、そしてサンデーサイレンスの血をまったく持たない血統構成です。
このような馬がレコード勝ちを果たしたこと自体が、「欧州血統=スピードがない」という認識が誤りであることを証明しています。
高速馬場=前残りという誤解と、今の京都芝の本質
先に書いたように、欧州血統の多くは「脚をタメ込み、直線で一気にスピードを解放する」競馬を得意とします。つまり、道中でエネルギーをタメ込める馬ほど、今の京都芝では有利になりやすいのです。
ゆえに、「高速馬場=前残り」という古くからの競馬格言も、今の京都芝では通用しません。むしろ、真逆の傾向が見られます。
その理由は、リニューアル後の京都芝が道中でエネルギーをため込めやすく、ゴール前でスピードを発揮しやすい構造を持っているため。したがって、高速馬場ほど差しが決まりやすいという、従来の「高速馬場」の馬券常識とは逆のパターンが現れているのです。
今の京都芝で儲かるローテーションと秋華賞への応用