毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
今回の主なトークテーマ
・安田記念に向けたシュネルマイスターの状態
・木實谷場長に聞きました! 評判の2歳馬近況&オススメ2歳馬
安田記念に向けたシュネルマイスターの状態
――安田記念にはドバイ以来となるシュネルマイスターが出走を予定しています。中間の調整はいかがでしょうか。
木實谷:当初から、ドバイの後は安田記念と決まっていたので、調整はしやすかったです。去年との比較でいうと、良くも悪くも身体がマッチョになりましたね。ボリュームが出ているので、今後は距離適性も変わってくるのかなという感じがあります。
――短い方ですか?
木實谷:そうですね。筋肉量も増えていますので、その可能性もあるかなと感じています。
――安田記念は1200mでも好走できたインディチャンプなど、パワー型の方が走るレースなので、問題ないかなと思いますけど。
木實谷:そうですね。去年も3着に走っていますので、舞台設定は心配していないです。
――となると、少し先の話になりますが、秋は天皇賞・秋ではなく、マイルや短い距離が目標になるのでしょうか?
木實谷:今の身体を見ると、2000mはちょっと長いような気はします。弥生賞も結果的に勝ったのが強い馬(タイトルホルダー)でしたけど、それでも距離的な壁はあったように思います。秋にいろんな選択肢が生まれるように、まずは今回の安田記念で良い結果を出せるように頑張ります。
木實谷場長に聞きました! 評判の2歳馬近況&オススメ2歳馬
――そして今回は、今年デビューの2歳馬についてもお伺いします。ノーザンファーム天栄育成の募集馬で最も高額だったのが、サンデーレーシングのスワッグチェーン(牡2、父ロードカナロア、母メジャーエンブレム)ですね。
木實谷:お母さんがGIを2勝していますし、ロードカナロアの牡馬ですからね。今のところ、8月くらいのデビューになりそうですが、祖母のキャッチータイトルにはダイワメジャーの牡馬が何頭かいて、ダートで勝ったり、中山芝2500で勝ったりと、スピードというよりはパワーの方に振れている傾向が見られますので、そのあたりを加味して、田村調教師とデビューする競馬場を検討していきたいと思います。
――ロードカナロアはお母さんの特徴を出す種牡馬なので、スワッグチェーンもパワー・馬力タイプかもしれませんね。メジャーエンブレムもそうなのですが、母方にトニービンやサドラーズウェルズを持つタイプがダイワメジャー産駒のGI勝ちの8割ぐらいを占めているんですよね。そういう馬が繁殖に上がると、仔にも母の特徴を伝えるのかは個人的に興味があります。
木實谷:スワッグチェーンは大跳びですので、持続力で勝負するタイプかなと思います。
――なるほど。他にも期待馬を教えていただきたいのですが、POGの取材だと早期デビューが見込める馬をオススメすると思うのですが、亀谷競馬サロンには敢えてそうでない馬を教えていただけますでしょうか。