毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・サウジカップデーに挑むジオグリフ、ソングライン
・シュネルマイスター、中山記念で始動
・初出走馬vs既走馬、馬券的なポイント
サウジカップデーに挑むジオグリフ、ソングライン
――今週末はサウジカップデーです。ノーザンファーム天栄からはサウジカップにジオグリフ、そして1351ターフスプリント連覇を懸けてソングラインが出走を予定しています。
木實谷:ジオグリフは香港遠征からあまり時間がなかったので、こちらでは整えて送り出したという感じですが、状態自体は良いですよ。初ダートがいきなり世界のトップが相手というのは大変だと思いますけど、血統的にダートもこなす下地はありますので、ぜひ頑張ってほしいと思います。
――高額賞金レースですからね。5着でも1億円ぐらいですか。
木實谷:やはり高額賞金は魅力的で、しかも招待競走ですから、遠征する価値は十分にあると思います。
――ソングラインの状態はいかがでしょうか。
木實谷:ソングラインは喉の処置明けで、休み明け感はあります。ただ、去年も行く直前に爪が痛くなったりするトラブルがあった中で勝ちきってくれましたからね。まずは当日を無事に迎えて欲しいと思っています。
――昨年秋はブリーダーズカップに遠征する予定でしたね。
木實谷:ええ。それが直前に喉の疾患が見つかってしまって断念という形で。
――喉の処置を行った影響はありそうでしょうか。
木實谷:現地で金曜日に追い切ったのですが、ジョッキーからも大丈夫という報告を受けています。連覇に向けて頑張って欲しいです。
シュネルマイスター、中山記念で始動
――そして日本では中山記念が行われますが、シュネルマイスターが出馬予定ですね。ここが始動戦になった経緯を教えていただけますでしょうか。
木實谷:輸送を考慮して、まずは輸送のない地元のレースを使おうと。良くも悪くも香港で走らなかったので、帰国後も肉体的なダメージは見られなかったですし、状態は安定していますよ。
――関東圏の競馬では崩れていないので、期待できそうです。
木實谷:まずはここでいい競馬をして、次走に繋がればと思います。
初出走馬vs既走馬、馬券的なポイント
――そして、東京開催で2022年度の新馬戦が終了となりましたので、中山開催から未出走馬は既走馬と走ることになります。これからの時期、初出走の馬にとっては厳しくなりますよね?