毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・宝塚記念の振り返り、有力馬凡走の真相
・しらさぎS、明暗分かれた2頭の結末
・七夕賞&今週末デビューの2歳馬情報
宝塚記念の振り返り、有力馬凡走の真相
――今回は宝塚記念の振り返りからお願いします。ドゥレッツァが9着、レガレイラが11着、アーバンシックが14着、ローシャムパークが15着と、軒並み大きな着順になってしまいました。
木實谷:ドゥレッツァはこちらに戻ってきてからすぐに乗り出せていますので、結果的にあまり走れていなかったのかなという印象ですね。その原因が馬場なのか、コース形態なのか、それ以外なのかは、まだ掴みかねている状況です。これから調教を積みながら調教師と相談しながらやっていきたいと思います。
――レガレイラは骨折明けの一戦でしたが。
木實谷:今回は休み明け、病み上がりということもあって、本質的な部分で仕上げ切れなかったのかなという印象です。
――アーバンシックに関しては戦前の当欄で、一度使った順調さを語っていただきましたが…。
木實谷:こちらに帰ってきた姿を見ると、走れるような状態ではなかった可能性を感じましたね。おそらく暑さの影響もあったと思うのですが、かなり消耗して戻ってきました。レースの時期は本調子ではなかったかもしれません。
――ローシャムパークは急遽の乗り替わりもありましたが、走り切れていない印象を受けました。
木實谷:急な乗り替わりの影響もあったとは思います。それに加え、喉の影響があったようです。去年の毎日王冠から喉が鳴っていたようで、前走のオーストラリアでも4コーナーで症状が出ていたらしいのです。実際、症状がどうなのかという点も含めて、近々検査を行う予定です。
※その後、DDSPを発症していると診断され、社台ホースクリニックで軟口蓋を固定するタイフォワード手術を行うことが発表。
しらさぎS、明暗分かれた2頭の結末
――翌週のしらさぎSですが、当欄でも馬体重が話題に挙がっていたチェルヴィニアが484キロに絞れて2着でした。2走前の京都記念から16キロ減でしたね。