毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・ギリーズボールなど注目新馬戦の振り返り
・アーバンシック&ブレイディヴェーグで挑む天皇賞・秋
・今週末デビュー予定の2歳馬情報
ギリーズボールなど注目新馬戦の振り返り
――今回は新馬戦の振り返りからお願いします。中山最終週、9/27(土)の中山芝1600戦は単勝1.6倍のギリーズボールが見事人気に応えました。
木實谷:良い競馬でしたね。折り合いも良かったですし、最後も良い脚を使ったと思います。エピファネイアの仔ですが、ピッチ走法で走るので、現状はマイルがちょうど合っているなと思います。
――3着フレアリングベリー、7着ルクリーシアについてもお願いします。
木實谷:フレアリングベリーは良いポジションで競馬ができましたが、ちょっと目標にされてしまった部分もありましたね。初戦としては良い内容だったと思います。
ルクリーシアは追い切りでウッドチップだと少し動き切れない部分があって、直前はポリトラックも使って工夫していました。位置取りなど競馬の形としては良かったと思うので、力がついてくればというところですね。
――翌9/28(日)の中山芝2000m戦はエピックフライトが1着、アルカマルが14着でした。
木實谷:エピックフライトは牧場にいる時から動きが良かったです。血統的に母系の感じからすると、距離がちょっと心配だったのですが、最後までしっかり走ってくれたと思っています。
アルカマルは14着でしたが、使いながら力がついてくればと考えていましたので、今回を使っての変わり身に期待しています。
――同日の中山ダ1200m戦はジョイアミーアが好位追走から外へ出して伸びましたが、4着でした。
木實谷:前半から砂を被って相当頭を上げるなど、ロスの大きい競馬でした。ただ、あのような競馬をしたことは、今後に向けて良い経験になったと思います。
――続いて東京開催に入りまして、10/4(土)の芝1800m戦はブラックパロットが10着。スタートがひと息で、後方から伸び切れずという競馬でした。
木實谷:そうですね。直線もグンと加速したいところで手前を替えてしまったり、もう少し前後の連動性、後肢の力が前に繋がるようになればと思います。まだちょっと動ける身体ではないのかなというところです。馬自体は良い馬ですよ。
――レース内容から叩いて良くなりそうな雰囲気はありますよね。
木實谷:はい、その通りだと思います。
――翌10/5(日)の東京芝2000m戦はでアッパーウォーターが3着、ピュアエンブレムが4着でした。アッパーウォーターは好位から一旦は先頭に立ったものの、我慢し切れませんでした。
木實谷:そうですね。上手に競馬をして、あとは押し切ればというところでした。使いながら良くなってくると思います。
ピュアエンブレムも好位から上手に競馬ができていましたし、内容としては良かったと思います。
――同日の東京ダ1600m戦はガーディアンテイルが5着でした。
木實谷:除外で出走が延びた馬でして、敗因を求めるなら道中の追走ですかね。砂を被った時などに少し若さを見せていたので、こちらも使っての良化を期待しています。
アーバンシック&ブレイディヴェーグで挑む天皇賞・秋
――ここからは今週末の出走馬について伺います。天皇賞・秋にはアーバンシックとブレイディヴェーグの2頭が出走を予定しています。
