毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・2025年の総括、2026年の狙い
・12月デビューの注目新馬振り返り
・小倉牝馬S、AJCC出走馬最新情報
2025年の総括、2026年の狙い
――2026年の競馬が始まっていますが、改めて2025年を振り返ってみていただけますでしょうか。
木實谷:2歳馬に関しては、勝ち上がり頭数が前年比でマイナス2頭。デビュー頭数は昨年より20頭ほど少なくなりました。勝ち上がり率は高かったのですが、もうちょっとデビューできていれば、勝ち上がり頭数もプラスにできたのではと感じています。北海道からの移動が遅れた影響もあったかなと思います。
――晩成タイプは入厩を遅らせたという面はないのでしょうか?
木實谷:遅らせた馬もいますし、遅れてしまった馬もいます。昨年11月は勝ち上がり頭数が27頭で、これは歴代最高の数になったのですが、言い換えれば、それだけ勝ち上がりが遅かったということでもあります。
馬の成長重視という育成方針なので、早いうちに無理をさせないようにしている面もあるのですが、2歳重賞、2歳GIにあまり馬を出せなかった現状があるのも事実です。
その成長の部分と重賞に出していくという部分の兼ね合いは、私が考えていくべきことの1つだと思っています。3歳春に目標を据えるとなると、早いうちにもうひとつ勝っておいた方が後々の番組選択が楽になるのは間違いないところですし。
――難しいところですよね。早いうちに無理をさせることで、結果的に成長しなくなってしまう馬もいますよね。例えば、イクイノックスのように若いうちは我慢することで大成する馬もいるわけで。
木實谷:そうですね。馬は成長するものだと思ってやっていますので、それをできるだけ邪魔したくない気持ちはあります。難しいのは承知のうえで、成長を妨げず、早いうちから重賞で賞金を加算できるように、突き詰めていきたいと思っています。
――昨年の3歳路線はエンブロイダリーが桜花賞と秋華賞、エネルジコが菊花賞を制しました。
木實谷:クラシック5つと秋華賞を合わせて6つのGIのうち、3つ勝ったのは良かったと思います。ただ、エネルジコが故障してしまったのは残念でした。この2頭に続く馬をさらに出していかなければと思っています。
――古馬路線はヘデントールが天皇賞・春、レガレイラがエリザベス女王杯を勝ち、ダート路線ではコスタノヴァがフェブラリーS、ミッキーファイトが帝王賞とJBCクラシックを制しました。
木實谷:ダート路線は一定の成果が出たと思います。芝はやっぱり故障ですね。ヘデントールもそうですし。あとはアーバンシックなどが伸び悩んだこともあって、天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念に関しては満足なラインナップになりませんでした。今年は層を厚くしていきたいなと思っています。
12月デビューの注目新馬振り返り
――ここからは昨年末の新馬戦からいくつか振り返っていただきます。12/20(土)の中山芝2000m戦はプラウディッツが1着、ランブルスコが2着でした。プラウディッツは後方からポジションを上げつつ、上がり最速で勝利。まさに完勝でしたね。
