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キムラヨウヘイ×大臣 ~競馬“真”格言
2022/06/30 (木)

ラジオNIKKEI賞で考える「3歳ハンデ戦はキャリアの浅い者勝ち」/キムラヨウヘイ×大臣 ~競馬“真”格言~

競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。

今回のトークテーマは ラジオNIKKEI賞 。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!



【格言】3歳ハンデ戦はキャリアの浅い者勝ち

大臣: ラジオNIKKEI賞は過去10年、54キロの馬が6勝、2~3着が各3回。となると僕はすぐ「54キロの馬を買え」と思っちゃうんだけど。キャリアの浅い馬が多い3歳のこの時期にハンデを付けるのは無理筋だから、そのハンデの中身を吟味しようという話だね。

キムラ: 僕は3歳のこの時期に限らず、古馬のハンデ戦についても、JRAのハンデは“お役所仕事”だなと思っていて(笑)。

ハンデ戦とはJRA公式HPでは、「馬の能力に応じて各馬の負担重量を人為的に加減し、優勝の機会均等を図った競走」と説明されており、また全馬が横一線で入線することがハンデキャッパーの理想だとよく言われていますが、それはあくまでも建前に過ぎないというのが実情で。

もしも本当に「優勝の機会均等」、「全馬が横一線」というのを目指すのであれば、現状のハンデ設定よりも大幅に最上位層と最下層とで差異を設けるべきですが、現実にはそうなっていません。

大臣: ハンデの付け方がある程度、機械的だよね。例えば、ハンデ戦を54キロで勝ったら次のハンデ戦は56キロとか。

キムラ: 馬齢重量(又は過去に設定したハンデ)をベースに、額面上の実績に応じて画一的な上げ下げを行って、その上で実績では計れない部分については1キロ程の味付けがされている程度ですね。

これはあくまでも個人的な見解で、JRAとしては血統、競走成績、距離、馬場状態、馬体重増減、展開、ペース、状態、不利、適性、調教などなど、全ての要素を元に判定しているとの話ですが。

大臣: “全ての要素を元に判定している”という説明がお役所仕事っぽいけど(笑)。

キムラ: 例えば、2年前のこのレースは、

・良馬場の中央1勝クラス勝利馬は全て54キロ
・道悪の中央1勝クラス勝利馬とローカル1勝クラス勝利馬は全て53キロ
・1勝クラス非勝利馬は52キロ

というお役所的な機械的ハンデ設定で、結果的に勝利したのは「前走ローカル1勝クラス勝利馬(53キロ)」のバビットでした。

大臣: バビットは未勝利→早苗賞(新潟芝1800)と連勝中だったのに53キロだったんだね。

キムラ: 早苗賞がローカル戦だったことで、ハンデが軽減されていたと考えられますが、実際には中央の他レースよりも、ローカルの早苗賞こそが最もレベルが高い1勝クラス戦でした。

今振り返って見ても、勝ち馬バビット、2着ロータスランド、3着エンデュミオンという現OP馬が上位を占めたハイレベルレースでした。

▼2020年ラジオNIKKEI賞
2020年ラジオNIKKEI賞
※パラスアテナ、ルリアン、グレイトオーサーも2連勝中の馬だったが、1勝クラス勝ちが中央場所だったので、バビットよりハンデが1キロ重くなり(パラスアテナは牝馬で実質54キロ)、3頭とも人気で凡走。


キムラ: また、3着ディープキングは「前走1勝クラス敗戦馬(52キロ)」、唯一の1勝馬ということでハンデが軽減されていたと考えられますが。その前走はパンサラッサの2着で、3着を1秒以上も千切っていました。

大臣: 今確認したら、その1秒以上千切られた3着馬(サトノシャローム)も次走で1勝クラスを勝ち上がってるね。

キムラ: 純粋なパフォーマンスからの評価であれば、この馬を最軽量ハンデ馬にするのはあり得ません。ちなみにこの時はディープキングが本命でした。このように実態よりも額面が優先されるのがJRAのハンデ設定であるという証左です。3歳のこの時期のハンデ戦となると、古馬のハンデ戦よりさらに歪みが大きくなります。

大臣: 具体的にどう歪みが出るの?

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キムラヨウヘイ×大臣 近影

キムラヨウヘイ×大臣

▼キムラヨウヘイ ~ 1990年東京都生まれ。2015年に雑誌・競馬王でメディアデビュー。2018年からはCS放送「競馬予想TV!」に出演中。予想スタイルはプロファイリングポイントに基づいた狙い馬の発掘。

▼大臣 ~ 1965年宮城県生まれ。『紙のプロレス』の編集者を経てフリー。競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画『金満血統王国』で王様の聞き手をつとめる。

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