競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマは神戸新聞杯。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
大臣: ローズSはアートハウスが横綱相撲で完勝でした。
キムラ: 大臣が「春の3歳牝馬路線ではオークスだけレベルが高かった気がする」と言い、僕も「桜花賞よりオークスの方が、その先に繋がるレースだったという可能性もある」と話しましたが、桜花賞最先着のパーソナルハイが下位に沈んで、オークス最先着のアートハウスが勝ったのは、その表れという気がします。
大臣: アートハウスはあまり評価しなかったけど、スクリーンヒーロー産駒の牝馬で2頭目の大物なのかね? それともまだちょっと疑ってる?
キムラ: 古馬になってからも活躍できるような馬なのかと言えば大分疑っています。アートハウスは母父がヴィクトワールピサなのも気になります。ヴィクトワールピサ産駒って、古馬になって重賞で何度も馬券になった馬は、牡馬では皆無ですし、牝馬でもスカーレットカラーくらいしかいないんですよ。
大臣: あ、ヴィクトワールピサって成長力がない血統なんだ。それは知らなかった。
キムラ: 母のパールコードも3歳秋の秋華賞、エリザベス女王杯までは活躍しましたけど、古馬になってたからは主に気性面の問題で、一度も人気を上回る着順がなかった。アートハウスもこの先の成長力に僕は疑問を持っています。今回の勝ちっぷりを見ると、すぐ1か月後の秋華賞では嫌えないですけど。
大臣: あとローズSでキムラ君は、7番人気3着だったエグランタインに重い印(対抗)を打ってたよね。これはなぜ?
キムラ: 先週、「牝馬にとって芝2000m以上のレースというのは、非主流の条件だと思ってる」という話をしました。この条件で狙い目な血統が、ステイゴールド系、ハービンジャー、そしてキズナだと思っているので、メモリーレゾン、ヒヅルジョウ、エグランタインに重い印を打ちました。ただ、この条件ではそれほどでもないと言ったディープ産駒(サリエラ)も2着に来ちゃったんですけどね。
大臣: ただ、エグランタインは2走前の都井岬特別で完敗したディープ産駒のラリュエルをここで逆転したよね。これは“牝馬にとって芝2000m以上のレースは非主流”理論が当てはまったと言っていいんじゃないの。
キムラ: 今年はそもそも春の実績馬の数自体も少なかったですけど、それに当てはまる馬は4頭中1頭しか馬券にならず、上がり馬が馬券内の2席を埋めたということは、「低レベル世代ならば上がり馬を⇔高レベル世代なら春の実績馬を狙うべき秋の3歳世代重賞レース」で、今年は前者だから「上がり馬の中に激走馬が潜んでいる可能性は大いにある」寄りの結果だったと思います。
大臣: ということで神戸新聞杯の真格言です。