競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマはチューリップ賞。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
大臣: 中山記念は予想外の差し決着になったけど、推奨した3頭の内2頭、ヒシイグアスとドーブネが馬券になったので、結果オーライということで(笑)。
キムラ: 推奨したもう一頭のソーヴァリアントを本命にして自分は予想をハズしたので、とても結果オーライとは言えないんですが(笑)。
大臣: 特にドーブネは、最近の武豊騎手の積極騎乗を評価して推した馬。期待通りのレースぶりだったね。
キムラ: ドーブネは一完歩目が遅かったんですよね。それでもハナに行っちゃうのがいまの武豊騎手だと思います。このレースを含めて、先週も5レースで逃げてました(結果は【1-1-1-2】)。
大臣: ヒシイグアスは中山巧者なんだろうけど。単純にG2では格上でしょ。国内G1でも5、4、2着と崩れたことがないんだし。だけど順調に使えないからか、なかなか人気にならないよね。国内の直近4レースでは7、5、5、5番人気だよ。今後もこれぐらいの人気ならG2では黙って本命ぐらいに思っていていい馬なのでは?
キムラ: ヒシイグアスがあまり人気にならない要因の一つは堀厩舎だからだと思うんですよ。先週もちょっと言いましたが、堀厩舎なので情報があまり出てこないケースが多い。かと思えば情報を出す時には、非常に細かい情報を出してくる。
ヒシイグアスも宝塚記念の後、熱中症になったらしいですね。レース直前までそんな話はいっさい出てなくて、なぜ休養していたのか知っている人はほぼいなかったはずです。でも、急に“熱中症で生死を彷徨う”というワードが出てきて、それが過剰に受け止められた。他の厩舎だったら恐らく出さない情報だと思いますし、それに慣れている競馬ファンはそういう過激な情報に対する耐性がありません。今回はそれも人気を下げた一つの要因になったんじゃないかと思います。
大臣: 熱中症ってことは去年の夏の話でしょ? そこから回復したからここを使ってきたわけだよね。
キムラ: あと、去年の宝塚記念は非常にタフなレースだったので、間隔をあけるのはプラスになるのではという話も先週しましたが、結果的には使いたがりのオーナーサイドの上位入線馬はその後全く走れていないのに対して、慎重派の堀厩舎のヒシイグアスだけが走れたという結果でした。
大臣: だから、休み明け自体はそんなに心配することもなかったんだけど、+14キロだったのは嫌われた要因だったかな。初めて500キロ台での競馬だったし。
あとダノンザキッドの人気も解せない。この馬は右回りだと手前の替え方が下手なので、中山の小回りでは4角でいつも置かれる。基本的に中山は向いてないと思うから、僕は皐月賞でも軽視したんだけど、みんなはまったくそうは思っていないのか、中山でいつも人気だよね。
キムラ: ダノンザキッドは去年の中山記念で、1番人気で出遅れて7着と凡走しましたけど、その時に川田騎手が『中山に嫌な記憶が残ってるのか、走る気になってくれなかった』とコメントしていました。嫌な記憶というのは、皐月賞の時に良くないコンディションで走らされて苦しい思いをしたと。馬は賢い動物だからそういうことってあると思うんですよ。
大臣: 確かに右回りでもマイルCSや香港Cでは好走しているわけだし、中山だけ極端に成績が落ちるのはその理由のほうがしっくりくるね。
キムラ: そして今回のソーヴァリアントは、正直言って敗因はよくわかりませんが、2走前のオールカマーで心房細動を起こしていますよね。もしかしたらダノンザキッドと同じような敗因だったのかもしれません。
大臣: それも一理ありそうだなあ。ダノンザキッドはさすがにもう中山を使ってこないと思うけど、ソーヴァリアントはまだ使われる可能性はありそう。そこは忘れずにしておきたいね。
それではチューリップ賞の真格言です。