競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマは桜花賞。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
大臣: 今年の武豊騎手の前前に行く積極的なレースぶりのことはキムラ君から聞いてたから、大阪杯はジャックドールに本命を打てたよ。2、3着は抜けだったけど(笑)。さすが武豊騎手という逃げだったね。1000m通過のラップが、潰れた去年とほぼ変わらなかったので一瞬ちょっと焦ったけど、レース後に確認したら、今年は前半800mを去年よりかなり楽に行けてたんだね。
▼2023年 大阪杯のラップ
12.4-10.9-12.2-12.0-11.4-11.7-11.5-11.4-11.4-12.5
前半4F47.5 前半5F58.9 上がり3F35.3
▼2022年 大阪杯のラップ
12.3-10.3-12.0-12.2-12.0-12.1-11.7-11.5-11.8-12.5
前半4F46.8 前半5F58.8 上がり3F35.8
キムラ: ただ、どうなんでしょう。武豊騎手のことをみんな神聖化し過ぎな気がするんですけど。
大臣: あ、そう? キムラ君のそういう意見は好きだよ。是非、聞かせて下さい(笑)。
キムラ: 確かに前半4Fは去年よりかなり楽なペースですけど、5F目からめちゃくちゃ厳しいラップですよ。いくらなんでも一気にペースアップし過ぎでしょう。もしこれで負けてたら『ちょっとやり過ぎなんじゃないの』と批判されても仕方ない逃げだったんじゃないですか。
このペースで持ちこたえた馬もたいしたものですけど、今回みたいに道中で一気にペースアップさせる逃げ方でも、逆に道中でペースを緩めた逃げ方でも、そして序盤からラストまで精密機械の様に同じ様なラップを刻んだ逃げ方でも、どのパターンでも勝ちさえすれば、武豊騎手を褒める回顧をすれば間違いないみたいなのがある気がします(たしかに実際その通りだとは思いますが、武豊騎手をもってしてでも、他馬との兼ね合いの中での実際のレースで、体内時計で理想的なラップを刻むことは容易ではないのが競馬だと思います…。そうでないと現実にいびつなラップのレースや極端な前有利や後方有利の展開のレースがごまんと存在していることと矛盾をきたすので)。
大臣: 確かに過去の大阪杯のラップと比べてみると、5~6F目の「11.4-11.7」のところはべらぼうに速いことは間違いない。
キムラ: まあ、大阪杯の時は風がけっこう強く、それが向正面で追い風だったので、もしかしたら数字ほど厳しい流れの逃げではなかったかもしれませんが。
大臣: なるほど。今回は早めにかなりペースアップした勝負が結果的にうまくいったけど、武豊騎手が大レースを逃げ切った時に、なんでもかんでも『さすが武豊騎手、絶妙のペースの逃げ!』と褒めるなと。反省します(笑)。
それと真格言で今年は斤量的に4歳牡馬が厳しいという話だったよね。だから4歳牡馬はばっさり消したんだけど、スタートしてすぐ横山典騎手のマテンロウレオに逃げ馬の後ろを取られた時は『ああ、これはやられたかも』と思った。最後は決め手の差で4着だったけど。結局、他の4歳牡馬2頭も11、13着と奮わなかったね。
キムラ: 大阪杯に出走した4歳牡馬の3頭、マテンロウレオ、ラーグルフ、キラーアビリティはみな斤量56キロまでしか連対歴のなかった馬。今回、いきなりの58キロは響いたと思います。
大臣: それでは桜花賞の真格言にいきましょう。