競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマはマイラーズC。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
大臣: 皐月賞は、真格言で推奨した3頭の内の2頭、ソールオリエンスとタスティエーラのワンツーだったね。
キムラ: それから4、5着が、まだ産駒がデビューして2世代目のシルバーステート産駒でしたよね。最近の皐月賞は「新興種牡馬に注目」という真格言は大的中に近かったと思うんですよね。
大臣: そうだね。なのになぜキムラ君の本命はファントムシーフだったのよ? ハービンジャー産駒のことはちょっとディスってたのに(笑)。
キムラ: 最近の皐月賞で新興種牡馬の産駒がなぜこんなによく来るのか。もっともらしい理屈は並べていたものの、僕自身がそのことにしっかりした根拠を持てなかったので、真格言の理論で馬券を押し切れませんでした。
皐月賞のもう1つのポイントとして、時計が遅い時は非ノーザンファーム勢が狙い目という話もしましたよね。今年は重馬場だったので、そちらを重視してしまいました。
大臣: 俺はファントムシーフが1番人気になっていたのを見て買う気がなくなった。いや、わかるんだよ、今年のような混戦で減点の少なそうな馬、ルメール騎手が乗る馬が1番人気になるのも。でもG1でハービンジャー産駒の1番人気なんて、『俺はそんな馬に騙されないもんね、へへへ』と思った(笑)。まあ、3着まで来てるので、そんなにダメだったわけでもないけど。
キムラ: ついでにここでダービーの話をしておくと、ダービーは道悪になることがめったになくて、ノーザンファーム勢の十八番のレースになるんですよね。皐月賞が時計の遅い勝負だった年、つまりノーザンファーム勢に条件が合ってなかった年のダービーは、皐月賞で掲示板外だったノーザンファーム勢が巻き返しているんです。具体的に言うと、2018年のワグネリアン、2020年のヴェルトライゼンデ。今年のその候補はフリームファクシになると思います。
大臣: なるほど。それから今年の皐月賞は1~4着がみんな道中ずっと外を通った馬だったよね。中山芝は先週からかなり外差しが利いていたから、皐月賞も外枠の差し馬だけ買えばいいやと思ってたんだけど、10Rの春雷Sを見て焦った。ここは圧倒的1番人気のマッドクールから外枠の人気薄に流してたら、2着が最内枠から内をロスなく回って来たキミワクイーン。『うわ、これは内から馬場が渇き始めたのか? 皐月賞もインから伸びて来る馬がいるのか?」と思って。しかもキミワクイーンの鞍上が横山武騎手だったんだよね。てっきり皐月賞のソールオリエンスでも同じ競馬をしてくるのかと思い、慌てて予想をし直したよ。
キムラ: 確かに中山芝は土曜日から外差し有利な馬場だったんですが、実は土曜日にも芝1200のレースがあって、これが1枠のワンツーだったんですよ。先々週から中山芝は馬場の内がかなり悪くなってきたと思うんですが、芝1200mの場合、内回りの芝2000mと同じ所を走るのは半分だけなんですよね。
大臣: 外回りコースからのスタートだからね。
キムラ: 先週は外回りのレースが少なかったですし、その部分の芝はまだあまり荒れてなかったのかと。だから、外回りの芝1200mと内回りの芝2000mでは違う傾向が出たのだと思います。
大臣: そういうことか。じゃあ、これからもこういうことは起きるね。実は、春雷Sを見て皐月賞で買い足したのが2枠のショウナンバシット。4角まで内をロスなく回って直線で馬場のいい所まで出して、一旦2番手に上がり見せ場を作った。最近、シルバーステート産駒・2世代目の牡馬が、芝の道悪重賞でやたら来てるよね。
カルロヴェローチェ
→重のファルコンS・1番人気2着
メタルスピード
→重のスプリングS・8番人気3着
エエヤン
→稍重のニュージーランドT・2番人気1着
セッション
→重のアーリントンC・4番人気2着
シルバーステートの初年度産駒の特に牡馬は、重賞に出てきたら黙って消してたんだけど、2世代目はガラッと変わってしまったなと痛感した。
キムラ: シルバーステート産駒が重賞でよく来るのは、“2世代目は”という注釈を付けておくのがいいと思いますけどね。僕は、シルバーステートはそんなに能力の高い種牡馬だとは思わないので。数年後には新興種牡馬たちに押されていると思いますよ。
大臣: そうか。この勢いだと道悪ならG1でも来るんじゃないかとビクビクしてショウナンバシットも押さえたんだけど、そこまでは心配しなくて良かったか?(笑)。
それではマイラーズCの真格言にいきましょう。