競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。今回のトークテーマは京都大賞典。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
なお、『競馬放送局』ではキムラヨウヘイ氏の重賞予想、平場推奨馬を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
大臣: 凱旋門賞のスルーセブンシーズは4着。なかなか良い結果だったと言っていいんだろうね。
キムラ: そうですね。2013年の2着オルフェーヴル、4着キズナ以来の凱旋門賞での日本馬の善戦でしたから。
大臣: じゃあ、やっぱり凱旋門賞には軽い牝馬作戦はうまくいったんだね。
キムラ: ノーザンファームサイドが言っているのは、厳密には「軽い牝馬作戦」ではなくて、「軽い牡馬か牝馬作戦」みたいですけどね。
大臣: ああ、そうなの? 大型馬じゃなければ牡馬でもいいんだ。
キムラ: そうみたいですよ。
大臣: それからスプリンターズSの話もちょっとしたいんだけど。見たよ、YouTube『JRA-VANチャンネル』の「とことんライブ実況」。スプリンターズSは、◎ナムラクレアから相手3頭で3連複を的中させてたけど、レース後に『実は、今年の3歳以上の芝1200mにおけるOP特別と重賞では4歳馬が圧倒的に強い』という話をしてたよね。
キムラ: はい、しました。
大臣: 先週までの3歳以上芝1200mについて調べたら、1勝クラス、2勝クラスは3歳馬の成績が最もいいんだけど、3勝クラス以上になると3歳馬はさっぱりなんだよね。まだ連対がない。3勝クラスで3着が1回あるだけで、OP特別と重賞ではまだ1頭も馬券になってない。そして4歳が圧倒的な強さ。
▲芝1200m 3歳上3勝クラス以上の年齢別成績
この3歳の不振は、今年から斤量が1キロ重くなったことだけが理由なのか、それとも3歳馬のレベルが低いのか。もし3歳馬のレベルが低いとすると、この路線における来年、再来年の馬券にも影響してくることなので、これは押さえておきたい話だなと思って。
キムラ: 3歳馬のレベルは高くないと思います。じゃあ、4歳馬が抜けて強いかというと、そういう感じもしないんです。スプリンターズSは1~4着を4歳馬が独占しましたが。この上位4頭が過去のスプリンターズSの上位馬と比べて、特別にレベルが高いとも思わないですし。
大臣: 1、2、4着がG1初挑戦の馬だったしね。
キムラ: 実は、最近の3歳のスプリンターについて思うことがありまして。去年から5月末に行われる葵SがG3になりましたけど、ほんの数年前までは1200mに適性のある馬も、一度マイル路線に挑戦して、夏のローカルになってから芝1200m路線に戻ってくる馬が多かったですよね。そっちのほうが1200mに適性のある馬たちにとって良かったんじゃないかと思うんですよ。
大臣: マイルのレベルの高い馬たち相手に揉まれることがね。
キムラ: ええ。
大臣: 確かに最近の3歳馬は芝1200mプロパーも多いよね。俺が印象に残っているのは2019年のディアンドル。2歳夏に芝1200mの未勝利を勝ってから、まだG3になる前の葵Sまで芝1200mで5連勝。初の古馬相手の北九州記念でも2着した。ここまでマイル路線に一度も見向きもしなかったんだよね。「これからの純粋スプリンターはこういう使われ方をしていくんだろうなあ」と思った記憶がある。
キムラ: そのディアンドルも結局、北九州記念以降は芝1200mで頭打ちになったじゃないですか。
大臣: 復活したのは5歳時の芝1800m(小倉大賞典、福島牝馬S)だったもんね。
キムラ: 現3歳のビッグシーザーも、デビューからずっと芝1200mを使われて未勝利からマーガレットSまで4連勝しましたけど、葵Sで3着と敗れ、古馬相手のセントウルSで10着とまったく通用しなかった。この馬を見ても、一度マイルに挑戦していたら、また違ったんじゃないかなと思ってしまうんですよ。たとえ1600mが長かったとしても、そこを経験していればその後の伸びシロも違ったんじゃないかなと。
大臣: なるほどね。
キムラ: ママコチャだってマイル路線を経験してきた馬ですからね。あと忘れてはいけないのは、5歳馬のレベルもかなり低いということです。だから、4歳馬の成績が突出しているんだと思います。
大臣: とにかく現状、上級クラスの芝1200mでは4歳が強い。そのことは頭に入れておこう。というわけで、京都大賞典の真格言にいきましょう。