競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマは菊花賞。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
大臣: 秋華賞は真格言がドンピシャだったね。
キムラ: そうですね。真格言では二つのことを言いました。「ステゴ系・キンカメ産駒・ハービン産駒・キズナ産駒」が特注血統。そして芝内回り重賞は「高野厩舎」が特注厩舎。
今年は1着がキングカメハメハ産駒、2着がハービンジャー産駒。これが高野厩舎のワンツー。そして人気薄で好走した13番人気4着のメモリーレゾンがステゴ系のオルフェーヴル産駒、11番人気6着のエグランタインがキズナ産駒。今年は上位3頭が強くてこの2頭は馬券にこそならなかったものの、この血統に関する真格言は機能したと思います。
大臣: あとは人気のアートハウスの評価を下げたこともばっちりだった。アートハウスは非常に楽な手応えで4角を回って、普通なら焦るところだけどキムラ君の言うことを信じてたので「大丈夫、スタニングローズがねじ伏せてくれるはず」と自信を持って見てたよ(笑)。
今年の3歳牝馬路線はオークスのレベルが高いという話をしてきたけど、秋華賞も上位3頭の顔ぶれは変わらず。結局、スタニングローズ、ナミュール、スターズオンアースの3頭のレベルが抜けて高かったのかなと。
キムラ: 秋華賞の前に行われた西宮Sをオークス4着のピンハイが完勝してましたよね。オークス上位4頭のレベルが抜けて高かったと言っていいんじゃないですか。
大臣: ああ、そうだね。しかし、秋華賞は馬単を獲ったんだけど、人気3頭絡みの馬単でダントツに配当が良い組み合わせだった。これはおいしかった。
キムラ: スタニングローズは薔薇一族なので、頭までないと思った人が多かったからじゃないですか。『競馬予想TV!』でも「スタニングローズは勝たない」とみなさんおっしゃってましたし、私もそれが気になって本命はナミュールの方にしたのですが。
後から思えば、その薔薇一族の血統ジンクスを打ち破ったのは厩舎の力かなと。高野厩舎は芝内回りで来る、というのとともに、とにかく勝ち切れるんですよね。例えば中山の特別戦では2着1回に対して1着は15回など、内回りコースでは全て2着よりも1着が上回っています。まあ、ここは2着も高野厩舎でしたけど。
大臣: 秋華賞とは別の話になるけど、日曜新潟7Rの千直で、ついに1枠のセルレアが内ラチを走って勝った! それも単勝が15番人気の97.6倍!! ここは是非、新潟千直内ラチ沿い逃げ研究の第一人者であるキムラ君に感想を聞いておきたいなと思って(笑)。
実は、土曜の千直でも1枠2頭が内ラチ沿いを走ったけどあまり見せ場がなかったので、セルレアの単勝は買えなかったんだけど。
キムラ: 土曜は1枠2頭で内ラチ沿いを走っていました。でもセルレアは一頭で内ラチ沿いを行けたんですよ。以前、千直の内ラチ沿いの逃げについて話した時に言いましたけど、内ラチ沿いを走って好走するには単騎逃げじゃないとダメ。複数で行くと土曜のように共倒れになっちゃいます。
大臣: 内枠から内ラチを走る可能性が高いのは、40代の若い調教師&若手騎手という話もしてたよね。セルレアは開業4年目で45歳の深山調教師、デビュー2年目・永島騎手のコンビだった。余談だけど、深山厩舎はこの千直の前の6Rでも12番人気で1着と大穴連発。ウインマーベルの厩舎でもあるけど、要注意の穴厩舎だね。
キムラ: 最近、当たってる厩舎ですよね。
大臣: あとセルレアは4キロ減の★騎手で、51キロの軽量だったのも大きかったね。それから新潟千直を最も得意としているロードカナロア産駒だったことも。
キムラ: 若手調教師&若手の減量騎手、新潟千直に強い血統。そして開幕週で単騎で行ける。これぐらい条件が揃えば、今後も内枠で好走する馬は出てくると思いますが、ただ内枠戦法が広まると単騎で行けなくなる、というのが困り所です(笑)。
大臣: 新潟千直の馬券の選択肢が増え、予想の楽しみが増したのは何よりだね。それでは菊花賞の真格言にいきましょう。