競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。今回のトークテーマは菊花賞。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
なお、『競馬放送局』ではキムラヨウヘイ氏の重賞予想、平場推奨馬を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
大臣: 秋華賞は、高速決着のローズSを勝ったマスクトディーヴァが2着。今年の秋華賞はリバティアイランドの強さが目立ったけど、マスクトディーヴァだって3着以下は2馬身半ちぎって、かなり強い競馬をしてた。ローズSの強さは本物だったんだね。
キムラ: そうですね。
大臣: ローズSはペースが速くて展開も向いたかなとも思ったけど、今回はスローでもキレてるし、ペース不問の強烈な末脚を持った馬で、いま思うと「忘れな草賞の7着はなんだったの?」って感じ。
キムラ: マスクトディーヴァの秋華賞の位置取りを見ると、12-13-10-12と少しチグハグになってます。辻野厩舎は角居厩舎の特徴を引き継いでいて、1ターンの直線の長いコースが得意という話をここでもしましたが、マスクトディーヴァも小回りコースは基本的に得意ではなくて、パフォーマンスを落とす馬なのだと思います。まだデビュー2戦目だった忘れな草賞の敗因はそこにあったのかなと。
実は、角居厩舎の馬も秋華賞は3~4着止まりの馬が多かったんです。ウオッカも3着でしたし、ローズSを勝ったデニムアンドルビーとラビットランは秋華賞4着でした。マスクトディーヴァも小回りは決して得意ではないけど、それでも適性を能力で超越してG1で2着に来るレベルの馬だったということだと思います。
大臣: ということは、この後、外回りのエリザベス女王杯に出てくれば更に期待できる?
キムラ: 適性はあると思います。あとはどれだけ余力があるかですけど。
大臣: 確かにここ2戦、目一杯の競馬を続けてるから、その反動は少し心配か。それから去年もそうだったけど、オークスの1~3着馬のレベルが高くて、4着以下とはけっこう力の差があったのかなと。結局、秋華賞はオークスの1~3着の間に新興勢力のマスクトディーヴァが挟まっただけだった。
最近の秋華賞はあまり荒れないんだよね。阪神だろうが京都だろうが、オークスを人気で好走した馬が、秋華賞でも人気で好走することが多く、順当な決着になりがち。昔は、いかにも小回りが不向きな人気馬が面白いようにコケて、よく荒れるという印象のレースだったけど。
キムラ: 最近の京都芝2000mや阪神芝2000mは、能力の高い馬が走りやすくなってますよね。昔ほど適性を問われるコースではなくなっています。
大臣: 最近の秋華賞を見るとそう思うよね。今年のレースを見て、もう秋華賞は俺が買うべきG1ではないなとつくづく思ったよ(笑)。キムラ君は◎リバティアイランドだったけど、何か馬券は獲ったの?
キムラ: 単勝を少しだけ(笑)。
大臣: 1.1倍の馬券を買うのかいっ!
キムラ: 普通に考えればリバティアイランドが勝つ確率は90%以上どころか、大体の人は95%以上と見ていたと思います。よく「競馬はアクシデントが付き物」と言われますが、アクシデントが起きる確率はごく僅かで、それも今回の川田騎手の騎乗みたく、アクシデントを極力避ける安全策を取れば更に抑えられますから。それでオッズ1.1倍、たった2分で10%の非課税の利益が出るなら大勝負してもいいぐらいかなと思いましたけど。
大臣: 単勝1.1倍の馬券がいかにおいしいかをいくら力説されても、俺は絶対に買わないよ(笑)。それでは菊花賞の真格言にいきましょう。