競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「京都芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
京都競馬場がリニューアルオープンして初めてのG1レース、天皇賞(春)が先週日曜日に行われましたね。まずはタイトルホルダー、アフリカンゴールド、そしてトーセンカンビーナの1日も早い回復を願っています。
先週の京都芝コースの注目ポイントの1つは、天皇賞(春)当日の馬場がどこまで乾くか、だったと思います。というのも、京都競馬場では先週土曜日の16時前から日曜日の朝まで雨が降り、日曜朝8時までの総雨量は55ミリ。日曜早朝の馬場状態は芝が重、ダートは不良でした。
京都芝の路盤には今回新たに、暗渠管(排水性を良くする管)が斜めに設置され、総延長が6000mから9000mになりました。馬場担当者によると『以前より排水性がかなり良くなっている』とのことでしたから、日曜当日の午後には稍重へ回復するかな、というのが私の見立てでした。
ところが実際は、天皇賞当日の10時32分に稍重へ変更。日曜日の芝のレースはすべて稍重で行われました。雨が止んで2時間も経たないうちに稍重になったのですから、新しい暗渠管の実力は私の想像以上でした。
先週土曜の京都芝の含水率平均は9.75%(開幕初日は9.4%)、クッション値は9.5(開幕初日は9.1)。先週日曜の含水率平均は11.9%で、クッション値は8.1。やはり日曜日のほうが含水率は高いので、水分を含んでいたことがわかります。ただ、含水率を測った時点で約50ミリの雨が降っていたわりにはこの含水率にとどまったのですから、排水性が向上したことが数字面からもわかります。