競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「京都芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週、秋華賞を制したリバティアイランド。川田将雅騎手が4コーナーでリバティアイランドを3番手に導くという、これまでで一番積極的なレースぶり。盤石な競馬で、7頭目の牝馬3冠馬に輝きました。
そして今週は菊花賞が行われますね。京都芝3000mを舞台にこのレースが行われるのは3年ぶり。ということで、現在の京都芝の状態や傾向を整理しておきましょう。
まず、どんな状態で秋競馬を迎えたかですが、この秋開催に向けて、京都芝は張替作業を行っていません。と言うのも、春開催では張替えたばかりの芝を約2か月しか使用しておらず、馬場造園課の皆さんが張替の必要なし、と判断したためです。
春開催で多少傷んだ箇所も夏の間に回復。秋の京都競馬が開幕する前のJRAホームページの馬場情報には、「野芝、洋芝ともに生育は順調で、非常に良好な状態です」と記載されていました。状態を示す公式記述に“非常に”とあるのは、実はかなりのレアケース。それだけ、良い状態で開幕したことになります。
この秋開催は2週間、競馬が終わった段階で、芝のレースが29鞍行われました。そのうち、4コーナーで4番手以内だった24頭が勝利を収めています。春の京都開催では良馬場だと差し系の馬が台頭し、道悪になると先行系が活躍する傾向があったのですが、秋開催は馬場状態に関係なく、4コーナーで好位にいた馬の勝利が多くなっています。
また、時計は良馬場であれば速めの時計が出るものの、超高速馬場にはなっていません。気づいている方もいらっしゃると思いますが、今年春以降の京都芝ではまだ一度もレコードタイムが更新されていないのです。