競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは、凍結防止剤の影響について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週末は今年最初のJRA・GIレースとなるフェブラリーステークスが行われますね。その舞台である東京のダートコース。この1回開催は良なら、少し時計がかかっています。
元々、冬場のダートは時計がかかりやすい傾向にあります。その要因は1年で最も乾燥している時期である事も関係しています。気温が下がるとダートは凍結してしまう恐れがあるので、あまり散水ができません。そのため、特に乾燥している状況が多いことが影響し、時計がかかりやすいというわけです。
そして、冬のダートが時計を要しがちな背景には、“凍結防止剤”が影響する場合があります。
冬になり気温が下がると、ダートには凍らないように凍結防止剤が散布されます。JRAで使用されている凍結防止剤は、主に塩化ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムから成っており、人馬への安全が保障された成分が使用されています。この凍結防止剤に含まれた塩化ナトリウムがダート中の水分に溶けて、水の凝固点が下がることによって凍らなくなります。
では、どうして凍結防止剤が入ると時計がかかるケースが出てくるのでしょうか。