競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「時計が速い東京芝」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊で「馬場のすべて教えます」の続編となる「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売となります。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください!
先週のヴィクトリアマイルは14番人気のテンハッピーローズが勝利。先週日曜日はウインズ札幌でお仕事だったので、1階フロアにある大型ビジョンで来場者の皆さんと一緒にレースを見ていたのですが、ゴールの瞬間は『えっ!? テンハッピーローズ?』と皆、驚いていましたね(苦笑)。
でも、津村明秀騎手がデビュー21年目にしてJRAのGIタイトルを手にしたと知り、心から良かったと思いました。今までカレンブーケドールでオークスのクビ差2着など、惜しいレースがありましたからね。
レース後のインタビューで、『諦めたらだめだと、GIレースに出られるように小さいレースから頑張ってきました』と語っていたのも印象的でした。津村騎手、改めて本当におめでとうございました。
そのヴィクトリアマイルはペースが流れて、勝ち時計が速かったことが1つポイントになったと思っています。レースはコンクシェルが逃げて、フィールシンパシーが2番手。前半1000mの通過タイムは56.8秒と流れて、勝ち時計は1分31秒8。勝ったテンハッピーローズはこれまで、全5勝が1400m以下でした。
2014年以降、前半1000mの通過タイムが56秒台になったのは2015年(56.9秒、1着ストレイトガール)、2019年(56.1秒、1着ノームコア)、2020年(56.7秒、1着アーモンドアイ)。2015年に勝ったストレイトガールは当時、1200mで8勝をマーク。そして2020年に3着になったノームコアは前走で1200mの高松宮記念を走っていました。そして、今回勝ったテンハッピーローズは前述した通り、短距離で実績を残してきた馬です。
また、前半56秒台を記録した2015年、2019年、2020年、2024年の計4回の勝ち時計は1分30~31秒台と速いです。ですから、今後の教訓として、“ペースが速くなり、勝ち時計が速くなりそうな年は短距離実績馬に注意”と、自分の馬場ノートにメモしました。
実際に、ペースがどうなりそうかを読み解くのは難解ですが……、