競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「好タイムが出ていた新潟芝コース」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から新潟、中京、札幌競馬が開幕しましたね。新潟競馬場では関屋記念がコースレコード決着。また土曜に行われた新潟日報賞がコースレコードに0.1秒差になるなど、好タイムが出ていました。今週はその新潟芝コースについてお伝えします。
例年通り、第1回新潟競馬前にAコース部分(約4200㎡)、第1回新潟競馬終了後にBコース部分(約11300㎡)、計15500㎡の芝張替を実施。昨年は第1回新潟競馬前にAコース部分、第1回新潟競馬終了後にBコース部分、計14330㎡の芝張替を実施したので、今年は昨年より張替面積が多いです。
今年の春開催は毎週雨の影響を受けてしまって、早々に外差し馬場になっていましたが、張り替えた効果で、先週は見事に青々とした芝が広がっていました。
開幕週は芝レースが15鞍あり、逃げ4勝、先行3勝、中団5勝、後方3勝。夏の新潟芝らしく昨年同様、開幕週から差し馬が活躍。ペースが緩かったレースでは逃げ馬が残っていました。
また、開幕週でやや内目が伸びていましたが、5~7分を伸びる差しも台頭。日曜はやや外にシフトしました。
夏の新潟開幕週は速い時計が出やすいですが、やはり今年もそうなりました。この理由の1つには、7月に入ってからの雨量が極端に少ないことが挙げられます。
今年、新潟競馬場では6月後半から雨があまり降っておらず、馬場担当者によると「7月に入ってからは15日と16日に計1ミリしか降っていません。毎日、芝コースに散水をするなど対応しているため、芝の生育はおおむね順調で、全体的に良好な状態です」とのことでした。
ちなみに、過去5年の7月の平均雨量は290ミリ程度そうです。これに比べると、今年の雨量の少なさがわかりますよね。毎日、芝の生育のために散水を行ったとしても、やはり自然の雨には敵わないと言いますから、雨が少ないことが好時計につながっているのでしょう。
また、開幕前のエアレーション作業も影響したのではと、私は考えています。