競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「オーストラリア・アルバニー産の砂が入った東京ダート」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
9月16日配信の当コラム(今秋からオーストラリア・アルバニー産の砂が入った中山ダート)でご紹介した通り、この秋開催から中山ダートコースの一部に初めてオーストラリア産の砂が入ったことによって、青森産100%の状態でレースを行うJRAの競馬場はなくなりました(現在、中山ダートのクッション砂の割合は青森県産が90%、オーストラリア産が10%となっています)。
JRAでは1990年以降、青森県産の砂を長い間、各競馬場で使用してきました。しかし2020年頃から、青森県の良質な砂が採れにくくなってきました。そこで近年は、これまで使用してきた青森県産の砂をベースに、それぞれの競馬場に必要な要素を補える産地の砂を混ぜるようになっているのです。
その必要な要素を補える砂として、最近JRAの競馬場で使用機会が増えているのがオーストラリア産の珪砂。オーストラリア産珪砂はすでに阪神、小倉、京都のほか、先ほどご紹介した中山競馬場で導入されていますが、実は今年の秋開催から東京競馬場でも初めてオーストラリア産の砂が少し導入されました。
このオーストラリア産の珪砂は色が白いです。数年前から園田競馬場、門別競馬場、船橋競馬場、大井競馬場ではこのオーストラリア産の珪砂を単体で使用しているため、とても白く見えるというわけです。
今年の春開催まで、東京ダートの砂の割合は青森県産海砂が75%、愛知県産珪砂が20%、新潟県産の川砂が5%でした。
では、今年の秋開催からどうなったかというと、青森県産海砂が75%、愛知県産珪砂が15%、オーストラリア産珪砂が10%という比率に変わりました。
今回、なぜ東京ダートコースにオーストラリア産の砂を加えたのか、馬場担当者に聞いたところ、以下のように話していました。