競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「中京芝コースの傾向」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週開幕した中京競馬。先週の当コラムで、「チャンピオンズカップは当日3番人気以内馬の中で、内寄りの枠に入った馬が結果を出す傾向がある」と書いたのですが、3番人気のダブルハートボンドが1枠2番から先行して勝利。2番人気の4枠8番ウィルソンテソーロは4コーナーでは中団の内側にいましたよね。
内目の枠が恵まれやすいと改めて感じましたから、来年のチャンピオンズカップも内目の枠に注目したいと思っています。
また、先週の中京ダートは2着や3着を含めると、昨年の同時期より明らかに差し馬が来ていましたよね。差しが決まっていたレースはペースが流れていたので断言できませんが、先週の当コラムでお伝えした通り、現在の中京ダートは愛知県産の珪砂が青森県産を上回る状態となっていますから、その砂質変化の影響もあるのかなと感じています。今後も傾向をチェックしていきたいと思っています。
その中京では今週土曜に中日新聞杯が行われます。そこで今週は中京芝コースにスポットを当てます。
まずは先週の振り返りから。開幕週の先週は芝レースが11鞍あり、先行7勝、中団4勝。開幕週で先行系がやや優勢も、中団差しも来ていました。ただ後方馬は0勝で、2着と3着にも2頭いたのみですから、差すにしても中団にいないと、勝ちきれない馬場でしたね。
また、中京競馬場では12月に入ってからの雨量が4日(木曜)の1.0ミリのみで、先週土日の芝コース平均含水率は11.55%。2018年から2023年の中京芝の平均含水率12.9%より低かったこともあり、速いタイムが計測されていました。
改めて、今開催がどんな作業を行って開幕を迎えているかをご紹介します。
8月31日に第4回中京競馬が終わった後、10月上旬にオーバーシードとして洋芝を播種。中京の馬場担当者によると、「野芝・洋芝共に生育は順調で全体的に良好な状態です」とのこと。
なお、中京芝コースでは、冬で芝が傷みやすい時期ということもあり、12月開催前は基本的にはエアレーション作業を実施していません。しかし、JRAホームページの馬場情報に掲載されているように、今開催前はエアレーション作業が実施されました。
