競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「中山芝コースの状況」。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
※今回が2025年最後の更新です。次回の更新は1/6(火)になります。
今週末はもう有馬記念ですね。一年が経つのは本当に早いです。「有馬良ければすべて良し」。特に今年は有馬記念が今年最後のJRA・GIなのできちんと当てて、気持ちよく一年を締めくくれたらと思います。
そのためにも、今の中山芝コースの状況からお伝えしましょう。先週はAコース3週目。中山芝のレースは11鞍行われ(土曜は良、日曜は重)。脚質別成績は逃げ3勝、先行6勝、中団2勝。
1着は土曜が馬場の2分くらいを伸びる先行系が中心。日曜は雨の影響があって重馬場でしたが外伸びにはならず、内から3分くらいが伸びていましたね。なお、土日とも3着以内には後方馬はいませんでした。
そして、良の土曜は速い時計が出ていましたし、日曜は重にしてはそこまで遅くなっていませんでした。
そもそも、基本的に近年の中山芝コースは開催が進んでも、傷みにくくなってきています。その理由は主に2つあります。まずは、中山芝コースは2014年の夏、15年ぶりに芝コースの路盤改造工事を実施。その影響で排水性が良くなり、良い状態をキープしやすくなってきたことが挙げられます。
そして2つ目の理由がエアレーション作業の変化です。JRAでは10年くらい前から“軟らかい馬場造り”を目指し、開催前の1~2か月前くらいにバーチドレンを入れて、クッション性を高める作業を行っていますが、中山では2021年以降、5回開催前のエアレーション作業を実施していません。
馬場担当者に取材したところ、その理由は「冬期の芝はどうしても傷みやすいので、耐久性を考慮し、実施を見合わせています」とのこと。そして今年の12月開催前もエアレーション作業は行われていません。
開催前のエアレーション作業を行わなくなっている影響で近年、良馬場時のクッション値が少し高くなってきており、近年の12月開催は時計が速くなっています。
