競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは、先週から開幕した阪神芝コースについて。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から始まった1回阪神開催。芝のレースは9鞍あり、逃げ2勝、先行2勝、中団2勝、後方3勝。内回りのレースでは先行系が残ることが多かったですが、外回りのレースでは差しが決まっていましたね。
阪神芝コースは昨年秋から結構差しが届く傾向なのですが、先週の開幕週もそんな感じでした(差しが来る理由はまた別の機会に書きます)。
そして、阪急杯がコースレコードになるなど、やはり芝コースは時計が速かったです。時計が速くなった理由はもちろん、開幕週だったことも影響しています。しかし、馬場的要因としてはあと1つ理由があったと思っています。それは雨量の少なさです。
ニュースにもなっているように、東日本の太平洋側と西日本では「30年に一度」と言われるほど記録的な少雨に見舞われています。
この状況は阪神競馬場でも同様です。1回阪神開催の開幕前に馬場担当者に聞いたところ、以下のように話していました。
「阪神競馬場においての今年に入ってからの雨量は1月6日に0.5ミリ、2月6に0.5ミリ、2月11日に10.0ミリを観測したのみで、計11.0ミリ。平年の雨量は1月が38.4ミリ、2月が55.6ミリですから、今年は非常に少ないです」
このような状況のため、週の中間は芝の生育のため、散水作業が実施されています。JRAホームページの“馬場情報”にある“週間情報”には馬場に対して中間、どんな作業を行ったかが書かれています。それによると、先週の阪神芝コースでは「2月14日から15日、18日から19日に芝の生育管理のために散水を実施しました」と明記されていました。
なお、週間天気予報を見ていると、今週の週中には久々の雨が降りそう。ただ、土日は曇りか晴れの予報なので、馬場には大きな影響はなさそうです。
私が普段、阪神芝コースの含水率やクッション値を見ていて感じるのは、“数字が安定していること”です。
近年、阪神芝コースの含水率は良であれば13%前後。クッション値は約9.0。雨が降って道悪になれば、もちろんそれぞれの数字は変わりますが、中京や中山競馬場のような大きな変動はあまり見られません。
阪神芝コースは含水率とクッション値の関連性が弱く、含水率が変わってもクッション値はあまり変化しない傾向があります。つまり、馬場としてとても安定しているということなんですよね。
今年のように極端に雨が少ない状況下においても、散水を行っているとはいえ、含水率やクッション値が平年とあまり変わっていませんからね。
阪神の芝コースの数値が安定している背景には理由があります。
