日本5勝！ /大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

26日から27日にかけての「ドバイワールドカップデー中継」をご覧頂いた皆様、ありがとうございました。当日行われたサラブレッド重賞8競走のうち日本調教馬が5勝するという日本の海外遠征史に残る夜は、あまりにも多くの快挙が一気に達成されて、私自身も頭が整理できませんでしたので、この機会にまとめておこうと思います。

(1)バスラットレオンのゴドルフィンマイル優勝…馬主・広尾レース、坂井瑠星騎手とも海外重賞初勝利。日本調教馬の同レース優勝は2006年のユートピア以来16年ぶり。バスラットレオンは初のダート重賞勝ち。

(2)ステイフーリッシュのドバイゴールドカップ優勝…日本調教馬初の同レース優勝。社台の勝負服のステイフーリッシュとゴドルフィンの勝負服のマノーボの追い比べに、21年前のドバイシーマクラシックでのステイゴールドとファンタスティックライトのマッチレースを思い出した方も多いはずです。

(3)クラウンプライドのUAEダービー優勝…2016年のラニ以来6年ぶりの日本調教馬による同レース優勝。新谷功一調教師は開業3年目で国内外通じ重賞初勝利。クラウンプライド自身も重賞初勝利。リーチザクラウン産駒の重賞勝ちはキョウヘイのシンザン記念以来で、ダート重賞および海外重賞は初勝利。ダミアン・レーン騎手はドバイでの初騎乗初勝利。

(4)レッドルゼルのドバイゴールデンシャヒーン2着…レッドルゼルは同レース2年連続2着。日本調教馬は3連続2着。

(5)パンサラッサのドバイターフ同着優勝…同レースの同着優勝は2004年パオリニ(独)とライトアプローチ(南ア)以来18年ぶり2度目(当時のレース名はドバイデューティーフリー)。馬主・広尾レースは国内外通じて初のGI勝ち。吉田豊騎手は2008年ブルーメンブラットのマイルチャンピオンシップ以来14年ぶりのGI勝ち(2010年オーロマイスターでマイルCS南部杯優勝)。生産・木村秀則氏は国内外通じて初のGI勝ち。ロードカナロア産駒は2019年のアーモンドアイにつづく同レース優勝。矢作芳人調教師は2016年リアルスティールにつづく同レース優勝。矢作芳人調教師のドバイワールドカップデー1日3勝は、サイード・ビン・スルール師、チャーリー・アップルビー師(ともにUAE)に次ぐ史上3人目。

(6)シャフリヤールのドバイシーマクラシック優勝…日本調教馬4頭目の同レース優勝。藤原英昭調教師は初の海外GI勝ち。クリスチャン・デムーロ騎手はドバイでの初タイトル。日本ダービー馬の海外GI勝利は初。馬主・サンデーレーシング、生産・ノーザンファームとも、2014年ジェンティルドンナ以来の同レース優勝。

(7)チュウワウィザードのドバイワールドカップ3着…同レース複数回入着は日本調教馬史上初。

1996年ライブリマウントのドバイワールドカップ参戦から26年。どれも人知や血が紡がれて辿り着いた日本競馬の快挙だったと思います。22頭の関係者の皆様お疲れ様でした。そして優勝馬の関係者の皆様、本当におめでとうございました！