英国では2日から5日までエリザベス女王の即位70周年を記念する「プラチナジュビリー」の祝賀行事が行われ、英国ダービーもその目玉祭事として開催されました。2日の祝賀行事に参加した後、「体調の違和感」があったという女王陛下は、この日も前日に続いて行事には参加されず、レースはウィンザー城でテレビ観戦されました。最終日のパレードにはチャールズ皇太子夫妻らとともに、バッキンガム宮殿のバルコニーに姿を見せましたが、1926年4月21日生まれの御年96歳というご高齢だけに、決して無理をなさらずにお過ごしいただきたいものです。
1952年2月の即位から70年。英国史上最高齢かつ最長在位、存命の君主では世界一の長期在位君主となったエリザベス女王、即ちエリザベス2世。ご両親は、“キングジョージ”こと「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」のレース名になっているジョージ6世とエリザベス妃です。日本ではあまり知られていませんが、エリザベス女王は、英国のみならず、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど16か国の君主であり、英連邦コモンウェルスに属する50か国以上の元首でもあります。
競馬をこよなく愛されている女王陛下は、馬主・生産者として大きな成功を収めており、1950年代は2度、英国のリーディングオーナーとなった他、所有馬がダービーを除く英国のクラシック競走で優勝しています。ダービーだけは、これまでのところ縁がなく、2011年には所有馬カールトンハウスが1番人気に支持されましたが、落鉄のアクシデントなどもあり3着。今年も期待馬はいましたが、出走は叶いませんでした。
1974年、英国クラシック競走の1つ「1000ギニー」で優勝した牝馬Highclereもエリザベス女王の所有馬でした。Highclereはあのディープインパクトの曾祖母。そのことから、ディープインパクトに思い入れのある女王陛下は、所有する繁殖牝馬ディプロマ(父Dubawi)を日本のノーザンファームへ送り、ディープインパクトと交配させました。2018年産の牝馬Portfolio(マイケル・スタウト厩舎)と、2019年産の全弟Educator(ウィリアム・ハガス厩舎)は、ともにエリザベス女王が所有しています。
日曜日に行われるエプソムカップは、「エリザベス女王即位70年記念」として行われます。1983年の第50回日本ダービーの際、東京競馬場とエプソム競馬場が姉妹提携を結び、翌年から始まったのがエプソムカップで、ダービーデーのエプソムでは最終競走に「JRA Tokyo Trophy Handicap」という6fのG2が行われました。
そして、翌週の14日からは、エリザベス女王の即位70年を記念しての開催となる「プラチナム・ロイヤルアスコット」が5日間に渡って行われ、15日のプリンスオブウェールズステークスには、日本のダービー馬シャフリヤールが出走。海外馬券発売も行われます。ぜひ、女王陛下の「プラチナジュビリー」をお祝いしながら楽しみましょう!
2022/06/09 (木)
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。