先月30日、「2022年度JRA賞授賞式」が都内のホテルで行われました。
年度代表馬はイクイノックス。年間わずか4戦ながら、ともに2着だった皐月賞、ダービーの春2冠と、いずれもインパクト十分だった秋の天皇賞と有馬記念での圧巻の勝利は、「文句なし」の受賞だったかと思います。
また最優秀短距離馬には、マイルチャンピオンシップを勝ったセリフォスが選ばれましたが、2023年度以降の表彰では、1400~1600mの競走における最優秀馬「最優秀マイラー」と、1400m未満の競走における最優秀馬「最優秀スプリンター」に区分される予定なので、JRA賞における“最後の最優秀短距離馬”ということになりました。
仮に、2022年も区分されていたら、セリフォスは「マイル」での受賞として、「スプリンター」は誰だったのでしょう。ナランフレグ、ジャンダルム、メイケイエール…。混戦だった気がします。
JRA賞のような年間表彰は、NPBアワード、Jリーグアワード、バロンドールなどなど、他のジャンルでも数多く存在します。それらの中で私が注目しているアワードの1つに「プロレス大賞」というのがあります。亀谷競馬サロンとも関係が深い東京スポーツ新聞社が1974年に制定し、まもなく50周年を迎えようとしている歴史ある年間表彰です。
「プロレス大賞」の各賞には、最優秀選手賞(MVP)、年間最高試合賞(ベストバウト)、最優秀タッグチーム賞などがあります。年間最高試合賞(ベストバウト)や最優秀タッグチーム賞といった賞は、他のジャンルではあまり見られません。特に、年間最高試合賞(ベストバウト)がMVPの次に権威あるものと位置づけられているのがプロレスならではで、個人的にとても好きなところです。
これを競馬に当てはめるとどうなるでしょうか。年間最高試合賞(ベストバウト)は、年間最高レース(ベストレース)ということになりますが、これは視聴者投票などで選出をしている競馬メディアもあるようです。2022年なら、パンサラッサの大逃げとそれを捕らえたイクイノックスの秋の天皇賞ということになるでしょうか。
最優秀タッグチーム賞を競馬で選ぶとしたらどうでしょう。人馬のタッグなら、パンサラッサと吉田豊騎手のタッグや、ヴェラアズールと渡辺薫彦調教師のタッグなどははいかがでしょうか。騎手&調教師、オーナー&トレーナーなどなど、色んなタッグからも選べそうですね。
もしも「JRA賞」を「プロレス大賞」に当てはめてみたら…。まだまだ寒い日が続きますが、競馬ファン同士、鍋でも囲みながら、こんな話題で語り合うのも楽しそうです。
2023/02/02 (木)
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。