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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2025/02/27 (木)

奇跡の夜/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは先週末に行われたサウジカップデーの振り返りです。



「夜更かしする価値はあります───。」

先週のコラムで書いたことに偽りはありませんでした!(ドヤ顔しております)

日本時間の22日夜から23日未明にかけての「サウジカップデー」は、競馬の魅力が詰まった“奇跡の夜”でした。

3歳戦のサウジダービー(G3)はドバイ調教馬ゴールデンヴェコマが快勝。3連勝で地元のUAEダービーに向け弾みをつけました。

1馬身3/4差の2着は逃げ粘ったシンフォーエバー。シンエンペラーとフォーエバーヤングを足したような名前の藤田晋オーナーの所有馬は、森秀行調教師が管理するコンプレキシティ産駒。サウジアラビアRC以来のコンビだった菅原明良騎手のエスコートで、初ダートながら2着と健闘しました。藤田オーナー、まずは30万ドル(約4710万円)獲得。ミストレス4着。ミリアッドラヴ7着。

リヤドダートスプリント(G2)はストレートノーチェイサーが2着馬に3馬身3/4差の完勝。米最優秀短距離牡馬が“格の違い”を見せました。

これまで3回制している日本勢は5頭が参戦しましたが、2着から半馬身差の3着に入ったガビーズシスターが最先着。開業から1年にも満たない森一誠調教師はJRA重賞2戦2勝、海外初挑戦で3着。お見事です。

リメイク7着、ジャスパークローネ9着、チカッパ10着、地方馬イグナイターは11着。昨秋のBCスプリントでも感じた「ダート短距離路線」での米国勢との差を今回も痛感する結果となりました。ストレートノーチェイサーの次走はドバイゴールデンシャヒーン(G1)とのこと。ドバイでも大本命となることは間違いありません。

そして、ここから日本馬の快進撃が続きます。

ネオムターフカップ(G2)はシンエンペラーが人気に応え逃げ切り勝ち。海外重賞初制覇は一昨年11月の京都2歳S(G3)以来の久々の勝利となりました。藤田オーナー、今度は120万ドル(約1億8840万円)を獲得。

2戦連続で武豊騎手が騎乗したアルリファーは3着に健闘。去年2着のキラーアビリティは最下位の10着に終わりました。

日本馬のワン・ツー、それもこの日の夜の最初の名勝負となったのが1351ターフスプリント(G2)。

逃げた松山弘平騎手のウインマーベルと、直線半ばで捉えたC・ルメール騎手のアスコリピチェーノ。手に汗握るマッチレースは、最後アスコリピチェーノがアタマ差制して決着。これまで悔しさも味わってきた黒岩陽一調教師の喜びが爆発する様子が映像で届きました。このあとはヴィクトリアマイルということになるでしょうか。

それにしてもウインマーベルのレースっぷりも見事。つい、日本に1400mのGIがあれば・・・と思ってしまいました。逆に7着に終わったテンハッピーローズには距離が足らなかったように見えました。

素質馬が中東の地でその力を示したのがレッドシーターフハンデキャップ(G2)。

O・マーフィー騎手が手綱をとったビザンチンドリームは、道中はR・ムーア騎乗のハーツクライ産駒コンティニュアスの後ろにつけ脚をためると、最終コーナーで外に出し一気に加速。あっという間にコンティニュアスらを引き離し、最後は詰め寄る2着エピックエポットに1馬身1/4差の完勝。去年のクラシック三冠を皆勤したエピファネイア産駒は60kgというハンデも克服し、強烈な末脚でインパクトを残した1年前のきさらぎ賞以来の勝利を挙げました。

そして、1着賞金1000万ドル(約15億7020万円)という世界最高賞金レース・サウジカップ(G1)。

日本国内無敗、ケンタッキーダービーとBCクラシックはともに3着という日本のダート最強馬フォーエバーヤングと、初ダートとなるG1レース10勝の香港最強馬ロマンチックウォリアーの夢の対決。

戦前の構図通りにレース内容がなることはなかなかないのですが、2頭が後続を大きく引き離して抜きつ抜かれつのマッチレースを繰り広げるという、想像の遥か上をいく歴史的名勝負を演じてくれました。

内枠に入った初ダートのロマンチックウォリアー。キックバックを避ける意図もあったか、Jマックは4コーナーで先に外に出し先頭に立ちました。そのままフォーエバーヤング以下を置き去りにするかと思いきや、フォーエバーヤングもついていき、直線半ば手前を替えたところで外に出して差し返すという珠玉の名勝負。

矢作芳人調教師は世界最高賞金レースを全6回中2回優勝。

この日、藤田オーナーは3頭で1150万ドル(約18億570万円)を獲得──。

一方、2頭から10馬身半後方ではウィルソンテソーロを最後方から持ち味の狂気の末脚で追い込んできた8歳馬ウシュバテソーロがとらえるという“チームテソーロ”2頭の3着争いが繰り広げられていました。

米国から唯一の参戦だったラトルンロールが5着、初の海外だったラムジェットが6着、ドバイターフの勝ち馬ファクトゥールシュヴァルが7着・・・。強い馬たちそれぞれが力を出し切り強い競馬を見せるレースはそうそうお目にかかれるものではありません。2025年はまだ2月ですが、今年このレースを上回る好勝負を見ることは難しいでしょう。

ロマンチックウォリアー陣営は、次走をドバイターフと断言。再び日本の芝馬たちの前に立ちはだかります。

サウジだからこそ実現した“異種格闘技戦”。

アラブの国の夜に見た、夢のような奇跡でした。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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