競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「2025年度のエクリプス賞」について。
アメリカ合衆国の競馬における年度代表表彰「エクリプス賞」の2025年度の表彰式が、22日にフロリダ州パームビーチにある高級リゾート「ザ・ブレーカーズ・パームビーチ」で行われます。
式典では、すでに発表になっている競走馬11部門と関係者5部門のファイナリスト(最終候補)の中から最優秀の人馬が発表されるほか、年度代表馬については最終候補も含めて当日、発表されます。
1971年に発足した「エクリプス賞」は、全米サラブレッド競馬協会(NTRA)、全米競馬記者・放送協会、それに北米の著名な競馬新聞デイリー・レーシング・フォーム紙によって投票され決定します。
NTRAを代表するのは、会員である競馬場の役員と、アメリカ競馬の公式な成績や血統の統計と情報を提供しているエクイベース社の担当者です。今回は有資格者240人のうち221人が投票を行ったということです。
競走馬が投票を受けるための唯一の条件は「北米で少なくとも1回出走すること」。今月4日には上位3頭の得票数を得たファイナリストが発表になりました。
このうち、古馬のダート牡馬部門には、BCクラシックを制したフォーエバーヤングがファイナリストに名を連ねました。その他、BCクラシック2着馬で、2025年はG1ホイットニーSも勝利したフォーエバーヤングの従兄弟でもあるシエラレオーネと、BCダートマイルなど2025年に重賞を4勝したナイソスが最終候補。
一方で、G1を2勝し、それぞれのレースでシエラレオーネとナイソスに先着しているものの、BCクラシックでは5着だったマインドフレームはファイナリストから漏れました。
日本調教馬がエクリプス賞受賞となれば、2021年度に同じ矢作芳人厩舎のラヴズオンリーユーが最優秀芝牝馬に選ばれて以来となり、ダート部門では初の快挙となりますが、果たしてフォーエバーヤングの受賞はあるのでしょうか。
3歳牡馬部門の最有力は、BCクラシックは直前に取り消しとなってしまったものの、ケンタッキーダービー、ベルモントSのクラシック2冠とトラヴァーズSを制したソヴリンティです。
その他の最終候補は、プリークネスSを含むG1を3勝しているジャーナリズムと、G1ペンシルベニアダービーの勝ち馬バエザ。この2頭はケンタッキーダービーでソヴリンティの2着と3着だった馬です。
なお、フォーエバーヤングも可能性を残している年度代表馬について、デイリー・レーシング・フォームは「ソヴリンティが最有力候補」と伝えています。
古馬のダート牝馬部門は、2024年度の年度代表馬で2025年はG1を2勝し引退したソーピードアンナ、BCディスタフの優勝馬スキュラ、BCフィリー&メアスプリント優勝馬スプレンドラがファイナリストとなり、G1ビホルダーマイルSなど重賞3戦全勝のカヴァリエリは候補から漏れました。
3歳牝馬部門は、BCターフスプリントで古馬の牡馬らを相手に勝利したシソスパイシー、2025年はG1アラバマS勝ちなど9戦して連を外さなかったナイトロジェン、それにケンタッキーオークス馬グッドチアが最終候補。
芝牡馬部門は、BCターフ2着のレベルスロマンス、北米でウッドバインマイルとBCマイルを連勝したノータブルスピーチのゴドルフィンの2頭と、マンハッタンSとフォースターデイヴSのG1を2勝したデターミニスティックの3頭がファイナリストとなり、BCターフでアップセットを起こしたエシカルダイアモンドは候補から漏れました。
短距離部門の牡馬は、古馬のダート牡馬でも最終候補となっているナイソス、BCスプリント優勝馬ベントルナート、G1フォアゴーSなど重賞3勝のブックンダンノの3頭がファイナリストに。
短距離部門の牝馬は、古馬のダート牝馬部門でも最終候補となっているスプレンドラ、3歳牝馬部門のファイナリストでもあるシソスパイシー、木村和士騎手とのコンビでG1ダービーシティディスタフSを勝ったコピオンがファイナリストとなっています。
また、2歳牡馬部門は、BCジュベナイルを含むG1を3勝するなどデビューから4連勝中のテッドノフィーが最有力のほか、2歳牝馬部門は、BCジュベナイルフィリーズ優勝馬スペルコレドラとBCジュベナイルターフスプリントを牡馬相手に勝利したサイフェアが競っています。
競走馬時代に11のキングズプレートを含む18戦18勝の成績をあげた18世紀後半の名馬で、現在のサラブレッドを父方に遡ると約95%が辿り着くというエクリプスに因んだ「エクリプス賞」。エクリプスの像があしらわれた最優秀賞のトロフィーを手にするのは、どの馬の関係者でしょうか。
