競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「ドバイワールドカップ、フォーエバーヤングのライバルたち」です。
ペルシャ湾岸地域の紛争は予断を許さない状況が続いているものの、主催者によると、ドバイワールドカップデーの開催は28日、予定通りに開催される見込みです。
サウジカップを連覇後、現地メイダン競馬場で調整を続けているフォーエバーヤングが出走するメインレースのドバイワールドカップに向けては、米国の有力馬もすでにドバイ入りしています。
マグニチュードは、スティーブン・アスムッセン調教師が管理するNot This Time(父Giant’s Causeway)産駒の4歳牡馬。
3歳時はG2・リズンスターS(D1800m)を9馬身3/4差で圧勝し期待されたものの、故障でクラシックは全休。復帰後、G1・トラヴァーズS(D2000m)はソヴリンティから大きく離された3着、G1・ペンシルベニアダービーは勝ち馬バエザ(BCクラシック6着)から2馬身1/4差の2着となった後、11月末のG2・クラークS(D1800m)で重賞2勝目をあげました。
今年初戦はサウジカップ遠征を予定していましたが、熱発により回避すると、先月28日に行われたG3・レイザーバックH(D1700m)を完勝し、重賞3勝目を手にしています。
同じS・アスムッセン調教師が手がけたガンランナーもG3・レイザーバックHを勝利して臨んだ2017年のドバイワールドカップでアロゲートの2着となっていて、厩舎の先輩のような好走が期待されています。
ブラッド・コックス厩舎の6歳牡馬ヒットショーはCandy Ride産駒の芦毛馬。去年のドバイワールドカップ優勝馬です。馬券発売が行われた日本では9番人気の伏兵という評価ながら、フォーエバーヤングらを差し切ってのG1初勝利でした。
その後は、10月のG3・フェイエットS(D1800m)や、前走2月のG3・マインシャフトS(D1700m)を勝利して7つ目の重賞タイトルを手にしての参戦です。
一方、フォーエバーヤング同様にサウジからの転戦となるのは、カタールのワスナンレーシングの所有馬でハマド・アルジェハニ調教師が管理するタンバランバ。Oscar Performance(父Kitten’s Joy)産駒の6歳セン馬は、前走のG1・サウジカップでは、フォーエバーヤング、ナイソスに次ぐ3着でした。
1月のG1・アルマクトゥームチャレンジ(D1900m)で、そのタンバランバを2着に下し、招待されたサウジカップをパスして臨んでくるのが、Dubawi産駒の6歳セン馬インペリアルエンペラーです。
管理するのは、先日、ビッグレッドファームでの種牡馬入りが発表された一昨年のドバイワールドカップ優勝馬ローレルリバーも手がけた地元UAEのブパット・シーマー調教師です。
去年はアルマクトゥームチャレンジ2着から、G2・アルマクトゥームクラシック(D2000m)を制してドバイワールドカップに臨んだものの11着と大敗。1年前のリベンジに燃えています。
いずれも実力馬ではありますが、実績も能力もフォーエバーヤングが断然なのは間違いありません。まずは、情勢がこれ以上悪化することなく、安全に開催が実施され、人馬が無事にレースを終えて戻ってきてくれることが大前提なのは言うまでもありません。
その上で、去年は様々な障壁もあって力を発揮できず3着に終わってしまったフォーエバーヤングには、1年前の悔しさを晴らしてきてほしいと心から願っています。
