★今週の重賞ピックアップ★
5月22日東京11R オークス(芝2400m)
オークスは東京芝2400mで施行。このコースで行われるダービーは内枠が強いことで知られていますが、それは、各馬がガチンコで勝負する頂上決戦の舞台だからこそ、内で器用に脚をためた馬が有利、という側面があります。東京芝2400m自体は外枠でも回収率が出ていますが、やはりオークスも、基本的には内枠有利と考えてよいでしょう。
過去のオークスを振り返ってみると、4番人気以下の勝ち馬は2013年のメイショウマンボ(9番人気)まで遡らなければいけませんが、2着馬、3着馬には数多くの人気薄が激走を果たしています。勝ち馬と2着馬3着馬との差はコンマ1秒単位のもので紙一重。3着までが馬券の対象ということを考えても「荒れやすい」レースだといえます。
波乱の要因は、やはり2400mという距離でしょう。桜花賞から800mの距離延長という過酷な条件で、それまでの序列がここで入れ替わる可能性は十分にあります。桜花賞を距離不足で敗れた馬の巻き返しが典型的な穴パターンで、メイショウマンボもまさにこれに該当していました。
サークルオブライフは、桜花賞で位置取りを悪くして、追い込むも届かず4着。いかにも距離が延びてよさそうなレースでした。このタイプが人気薄なら絶好の狙い目ですが、一番人気が濃厚のようですね。
桜花賞は勝ち馬から10着のナミュールまでが0.3秒差、15着のアネゴハダまでが0.9秒差という接戦でした。5着ピンハイ、7着ベルクレスタ、10着ナミュールも、「桜花賞で差し損ねて僅差の敗退」というパターンを満たしており、この中での優劣をつけるのは簡単ではありません。オッズに委ねて、「人気のない馬を選ぶ」というのも一つの手です。
距離適性がモノを言うレースだけに、昨年のユーバーレーベンのような、オークスに目標をさだめた別路線組には警戒が必要です。フローラSで距離を延ばして良さが出たエリカヴィータはその筆頭。4番手からの差し切りと、期待値の取りやすい好位差しで競馬ができるのは魅力です。
デビューから一貫して中距離を使われているルージュエヴァイユも面白そう。2000mで2勝しているアートハウスも、当然、注目の存在ですが、人気の盲点になる可能性は低そうです。
いずれにせよ、桜花賞の結果が示しているように、実力差の少ない混戦だけに、枠や並びで結果が大きく左右されるであろうことは、想像に難くありません。
【当日注目馬】
1ウォーターナビレラ
2スタニングローズ
4ルージュエヴァイユ
6サークルオブライフ
9エリカヴィータ
11ベルクレスタ
15ピンハイ
桜花賞の結果からも勝負付けはまだ済んでおらず人気のない馬から行くのも手。混戦模様なここでは堅い決着を狙うよりも波乱を期待したい。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言29
『「逃げ馬が連れてくる馬」を予測する』
★ピックアップレース★
5月8日中京11R 鞍馬S(芝1200m良)
注目馬:13シゲルピンクルビー
買い目
単勝 13 2000円
ワイド 13―1・4・6 各1000円
馬連 13―1・4・6・7・10・18 各400円
三連複 13―1・4・6―1・4・6・7・10・18 各200円
─先週の土曜新潟7R(◎ジャストザビアンカで9800円→128,780円)はお見事でした。12点で3連複429.9倍を仕留めた思考についてお聞きしたいところですが、今週は先週に引き続き、「逃げ馬の買い時」について聞かせてください。前回は、「逃げ馬をそのまま狙う」パターンだったので、今回は「逃げ馬を差す」パターンでお願いします。
みねた) わかりました。土曜新潟7Rも展開想定から浮かび上がった穴馬であり、「逃げ馬の扱い」は全ての予想に繋がっていく要素なので、ここでしっかりお話ししておく意味は大きいと思いますよ。
─5月8日中京11Rの鞍馬Sは、3番人気のシゲルピンクルビーに◎を打ち1着。6.2倍の単勝と21.6倍のワイドを的中されました。私は、高速馬場の1200m戦ですし、条件反射で内枠の逃げ先行馬で固めてしまったのですが。
みねた) 確かに、前回お話しした「ナメられ逃げ」という意味では、6番枠からハナ想定で10番人気だったアスタールビーを狙う手はありますよね。実際に、私も対抗評価をしていました。このレースのシゲルピンクルビー本命については、アスタールビーとシゲルピンクルビーが前走で直接対決していたのが大きかったです。
─ともに前走は京都牝馬Sで、アスタールビーは逃げて勝ち馬から1.4秒差の11着、シゲルピンクルビーは4番手から勝ち馬と0.4秒差の4着でした。
みねた) アスタールビーが前走も逃げている、というのがポイントです。ここもアスタールビーの逃げが濃厚で、シゲルピンクルビーが同じように好位を追走したら、相手弱化の今回は勝ち切るだろうと推測しました。
─京都牝馬Sで(シゲルピンクルビーが)先着を許したロータスランドやスカイグルーヴクラスの馬は鞍馬Sにはいませんからね。
みねた) 以前に、同じ季節に同じ条件で行われるレースではリピーターが多いという話をしたことがあると思いますが、その応用で、同じ馬が逃げるレースでは、同じような展開になりやすく、結果もなぞりやすいです。その馬が作る流れが、同じ馬を連れてきやすいということですね。
─実際、鞍馬Sはアスタールビーが逃げ、シゲルピンクルビーが3番手を追走して差し切り。京都牝馬Sとほぼ同じ結果になりました。
みねた) アスタールビーは京都牝馬Sでシゲルピンクルビーに1秒負けていましたが、芝のレースの1秒差は結構大きいですよね。ダートの場合、砂を被って嫌気が差したら、何秒も負けてしまうことはありますが。ましてや、アスタールビーは逃げ馬なので、基本的には力を出し切っています。対シゲルピンクルビーという観点では、かなり分が悪かったということですね。
─見解文で「アスタールビーがレースを作ってくれるので、前走と同じように追走すれば勝ち切れる」と書かれた意味がよく分かりました。
みねた) 逃げ馬の扱いを考える時、直接対決の結果は参考になりますよ。今回のアスタールビーは、10番人気と「ナメられ逃げ」になる可能性は高かったですが、前走同様に好位に構えるシゲルピンクルビーには差されるだろうと想定できました。1番人気の16ダディーズビビッドに間を割られてしまったのは残念でしたが(アスタールビーは3着)。
─5月7日中京10Rは、先行有利想定としながらも、敢えて好位差し想定の7リトルクレバーを◎。
みねた) これは人気によるところが大きいです。逃げ先行想定の4リュクスポケットと6スズカトップバゴがともに人気馬なので、この馬たちから買っていたら期待値は取れません。
─まさに、前回お話しいただいた「ナメられ逃げ」に通じますね。
みねた) これまで人気薄だったリュクスポケットが2番人気を背負い逃げ、1番人気の6スズカトップバゴが番手という展開なら、スズカトップバゴがリュクスポケットを捕まえにいくので「ナメられ逃げ」にはなりません。そして、スズカトップバゴが切り拓いた道を隣のリトルクレバーがなぞって差し切る形を想定しました。
─8頭立てのレースですが、そこまでストーリーを考えられていたんですね。
みねた) このレースなら、人気薄で期待値の取れそうな逃げ馬がいれば、その馬を狙ったと思います。
逃げ馬の取捨のコツとして、基本的に「クラスが上がるほど、差し馬が差しやすい」は頭に入れておいた方が良いでしょう。鞍馬Sが、オープンのレースと格が高かったことも、差し重視とした一つの要因でした。言い換えれば、下級条件ほど、後ろから差し馬が差せずに位置取り通りの決着になりやすいので、逃げ馬をそのまま狙うケースが多くなるのです。
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。