★今週の重賞ピックアップ★
5月29日東京11R 日本ダービー(芝2400m)
日本ダービーは東京芝2400mで施行。先週のコラムでもお伝えした通り、頂上決戦となるここは、基本的には内をロスなく立ち回れる馬が有利です。また、直線の長いコースに替わるので、差し馬の台頭が目立ちます。基本的には「内の差せる馬」が良いでしょう。
日本ダービーといえば、実力馬が結果を残す堅いレースという印象もありますが、直近4年は、18年コズミックフォース(16番人気3着)、19年ロジャーバローズ(12番人気1着)、20年ヴェルトライゼンデ(10番人気3着)、21年ステラヴェローチェ(9番人気3着)と人気薄が馬券圏内に届いています。
今年は、東スポ杯以来の皐月賞で2着したイクイノックス、その皐月賞で、初の中山、かつ荒れた内を通りながら4着だったダノンベルーガの2頭が人気を分け合う形でしょうか。この2頭、もちろん能力の高さは疑いようがありませんが、キャリアが浅く、未知の魅力が人気を引き上げている部分もあり、過剰人気の感は拭えません。
展開面から、皐月賞で最も強い内容だったのは、3角16番手から3着に押し上げたドウデュースでしょう。このコラムでも書いている通り、中山コースは、4コーナー入り口までに勢いをつけて回ってくるのが好走パターンです。皐月賞は1、2、4着馬がいずれも4角3番手で、5着のアスクビクターモアが4角1番手でした。掲示板5頭のなかで、ドウデュースだけが、異質の競馬をしていたのです。
差し有利とみるなら、皐月賞で後方から追い上げた組に注目。なかでも人気妙味を考えると、現時点で抽選対象ですが、4角16番手から0.6秒差の7着まで押し上げたジャスティンロックは面白い存在です。NHKマイルCで4角16番手から2着に追い込んだマテンロウオリオンの末脚も侮れません。
ロジャーバローズのような「ナメられての前残り」を狙うならロードレゼルでしょうか。私は血統を考慮しませんが、ダービーはディープインパクト産駒の活躍が目立つレースですよね。週中の想定通りの人気薄なら、一考の余地があるでしょう。
ついに迎えた競馬の祭典。競馬ファンとして、熱いレースを期待して発走の時を待ちたいと思います。そして戦いを見届けた後は…12Rに行われるハンデ重賞=目黒記念も楽しみですね(笑)。
【当日注目馬】
1アスクワイルドモア
3アスクビクターモア
6プラダリア
7オニャンコポン
10マテンロウオリオン
13ドウデュース
17ロードレゼル
3歳頂上決戦に相応しくフルゲートでの競馬。全馬チャンスが有りそうなメンバー構成。皐月賞上位組も強く消せる程では無いが配当妙味があるのは僅差で負けた馬か別路線から。ここ穴決着を狙う。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言30
『プロの視点が組み合わさると回収率が上がる』
★ピックアップレース★
5月22日東京10R フリーウェイS(芝1400m良)
注目馬:11テンハッピーローズ、14ルーカス
─先週は『亀谷競馬サロン』のリアルサロンイベントにリモートで出演されたんですよね。開始早々に、勝負レースの東京9Rが的中して大いに盛り上がったとか。
みねた) 4アールバロンですね。この馬が逃げる想定ではなかったのですが、5番人気9.1倍の単勝を仕留められてよかったです。
─金言8『逃げた時点で展開に恵まれている』というやつですね。
みねた) アールバロンは逃げ挟みの形で、強い先行馬3カランドゥーラを目標に進めて差す形をイメージしていましたが、1400mからの距離延長ということでハナまで行けてしまいましたね。こうなると想定と異なる隊列なので連勝系の馬券は厳しくなりますが、その分、単勝の期待値は上がります。勝負レースは、「単勝で期待値が取れるか?」を重視していて、実際に単勝への資金配分を大きくしているので、これはこれで悪くない結果だったと思います。
─想定通りにカランドゥーラが前に行く形なら、内に潜り込んでロスなく進めるし、行き来ってしまえば単勝の期待値が上がる。どちらの展開でも、しっかり回収できる買い目だったんですね。そして続く東京10RのフリーウェイSは、亀谷さんが見事に的中されたわけですが、みねたさんからも「11テンハッピーローズと14ルーカスの一点でいいのでは?」というアドバイスがあったと聞きました。
みねた) これは、◎ルーカスの亀谷さんがお見事です。私自身は、このレースは「人気のテンハッピーローズに逆らえないな」と感じていたので、勝負レース候補からは早々に外していました。
─2走前には1番人気ながら軽視して成功した11テンハッピーローズを、今回は、「切れない人気馬」と判断したんですね。
みねた) 2走前のトリトンS時は、同クラスを2番人気7着からの臨戦でしたからね。今回は、同じ東京芝1400mを7番手から上がり最速での2着からと、そもそもの臨戦過程からしてまるで違います。そして、今回は、逃げ先行馬の数と構成からも、テンハッピーローズが恵まれるだろうと想定されました。
─逃げ先行馬の数と構成、ですか。
みねた) 今回、前走3番手以内の通過順位を持っているのは、4イルクオーレ、8タイニーロマンス、10オシリスブレイン、17ブルースピリットの4頭。17頭中4頭と割合的に多くない上に、4イルクオーレと8タイニーロマンスは昇級緒戦です。以前にもお話ししたことがありますが、前に行って勝ち上がってきた馬ほど昇級緒戦では期待値が下がるので、先行想定の4頭で期待値が取れそうなのは、17ブルースピリットぐらいしかいませんでした。
─みねたさんは、常々、基本的に先行馬こそ、的中率と回収率のバランスがよく、期待値が取りやすいとおっしゃっていますもんね。
みねた) 前走7番手の11テンハッピーローズも、先行馬が少なく、そのうち2頭が昇級馬という構成なら、さらに位置が取れ、4コーナーで前を射程圏に入れて回ってくる可能性が高いと判断しました。
─14ルーカスについてはいかがですか?
みねた) こちらは前走の通過順位が5番手で、それまでも1600mで先行してきた馬でした。今回、距離短縮ですが、位置取り的にはちょうど先行想定の4頭の直後ぐらいにつけられそうですよね。そして4イルクオーレと8タイニーロマンスが早めに苦しくなる展開を想定すると、4コーナーを3~4番手ぐらいという、最も期待値の取れる位置で回ってくることになります。
─先行馬が少なく、そのうち2頭が昇級馬だったということが、11テンハッピーローズにとっても14ルーカスにとっても追い風だったんですね。
みねた) 最初に勝負レースの候補から除外したとお話しした通り、これはサロンイベントに出演して、亀谷さんが14ルーカスを推奨されたからこそ気付けた部分が大きいです。血統のプロである亀谷さんが14ルーカスを推していて、「では自分の得意分野である展開面から14ルーカスはどうなのか?」と考えたからこそ辿り着いたのが「11テンハッピーローズと14ルーカスの一点でいいのでは?」という結論でした。また、14ルーカスがここまでの人気薄(9番人気・22.8倍)とは考えていなかったので、その点でもリアルタイムイベントだからこそのメリットが生きました。
─みねたさんが精査を重ねた上で出される勝負レースについて伺うのも刺激的ですが、そうではないレースの思考が聞けて面白かったです。
みねた) イベントに出演させていただいて、各分野を極められている人の意見を採り入れると、回収率は上がるんだなと実感できました。お客様の生の反応も感じることができて、楽しかったですね。この東京10Rのように、勝負レースの基準から外れて見逃していた狙い目をみつけて、しっかり推せたのは気持ちよかった(笑)。また機会があれば、ぜひ、呼んでいただきたいです。
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。