★今週の重賞ピックアップ★
7月10日福島11R 七夕賞(芝2000m)
七夕賞は福島芝2000mで施行。4コーナー脇のポケットからスタートし、初角となる1コーナーまでは500mほどあります。初角まで距離があるので、先行争いにおける内外の有利はそれほどありません。内でごちゃつくリスクが少ない分、力がある馬なら外枠の方がベターでしょう。
前走の通過順位に3番手以内があるのは6頭とそれほど多くないので、基本的には前が有利になりそう。前に行った馬を好位の4~5番手ぐらいから差せる馬が狙いやすいのですが、出走馬を見渡してみると…そのポジションを取れそうな馬がいません(笑)。
先行勢で面白そうなのはショウナンバルディ。2走前にGI大阪杯で0.9秒差があるように力は確かで、ここは3番手ぐらいのポジションになりそう。逃げ馬を目標にしてゴール前で差す競馬が想像できます。なお、逃げ馬の印象が強い同馬ですが、昨年の七夕賞では差して3着しています。
「ナメられ逃げ」の可能性を秘めるのはロザムールとトーラスジェミニです。昨年の七夕賞はロザムールが逃げて2着、2番手のトーラスジェミニが1着でしたが、ともに近走は不振。どちらがハナを切るかはわかりませんが、今年のメンバー構成なら楽逃げが叶う可能性もありそうです。
人気どころでは、一枚上の相手と戦ってきたヒートオンビート。前走の天皇賞(春)にしても、タイトルホルダーが強過ぎただけで、この馬も十分に強い内容です。それでいて、ハンデも57キロ止まりで、トップハンデではありません。1番人気濃厚ですが、外せない存在でしょう。
前走が鮮やかだったアンティシペイトも引き続き有力です。その前走がそうだったように、道中で捲り上がっていく脚があり、ロングスパートがきくタイプ。先行争いが落ち着きそうな今回、この機動力は大きな武器になるでしょう。
アンティシペイトが捲る展開になれば、その後ろで脚をためるタイプにもチャンスが出てきます。その筆頭候補はヴァンケドミンゴで、アンティシペイトを軸にするなら、しっかり相手に押さえておくべき馬です。
馬券妙味を考えると、昨年の1~3着馬が面白そう。馬券的に狙えそうな馬が少なく、一見すると混戦のハンデ重賞ですが、少点数で仕留められるかもしれません。
【枠順確定後注目馬】
2ロザムール
4エヴァーガーデン
6ヒートオンビート
9ショウナンバルディ
10ヤマニンデンファレ
12モズナガレボシ
16エヒト
ヒートオンビートが週中で考えていたよりも配当が付いていて買える人気馬になった。展開的には昨年の1.2.3着が出走してくるので似たようなペースになりそうでリピートを狙う手もある。難解なハンデ戦で高配当が狙えそうだ。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言36
『回収率を追うなら、特殊条件こそ勝負せよ』
★ピックアップレース★
7月2日 函館8R 3歳以上1勝クラス(ダ2400m重)
◎6イーサンバーニング
○4ディサイド
▲5ヤマノマタカ
△7オブジェダート
☆3ルージュジャドール
注9タマモモンレーブ
買い目
単勝 6 2000円
複勝 6 3000円
馬連 6―3・4・5・7・9 各500円
3連複 6―4・5・17―3・4・5・7・9 各300円
─先週土曜の函館8Rは▲→○→◎という本線決着で三連複8300円を見事に的中されました。
みねた) 4ディサイドも◎候補だったので、その馬に間を割られて複勝と三連複のみになってしまったのは複雑でした(笑)。
─とはいえ、1勝クラスのダート2400mで、前走掲示板内の馬は2頭だけ。こんな混戦レースをズバッと本線で仕留めるのはさすがです。
みねた) ありがとうございます。でも、いつも通り変わらず予想しただけなんですけどね。このレースの◎6イーサンバーニングは金言1で紹介した「逃げ挟みの追い込み馬」です。
─「逃げ挟みの追い込み馬」というのは、前走の通過順に3番手以内がある馬に挟まれた馬のことですね。両脇が先行するため、ここに配置された馬は不利なくレースの流れにのりやすいという。
みねた) はい。そして○4ディサイドもまた、「逃げ挟みの追い込み馬」に該当していました。このレースで前走の通過順に3番手以内があったのは、2番、3番、5番、7番の4頭です。
─6イーサンバーニングが4番人気3着、4ディサイドが9番人気2着ですからお見事です。あまりにも鮮やかだったので、今回の「ローカルのダート長距離」のような特殊条件ならではの攻略法があるのかと思ってしまいました。
みねた) 確かに、施行数の少ない特殊条件を勝負レースに選ぶことは多いですね。でもそれは、特別な必勝法があるからではなくて、単純に荒れるので回収率が出やすいから。そして、荒れる理由は、多くの競馬ファンの予想がブレるからです。
─競馬ファンの予想がブレる、とはどういうことでしょうか。
みねた) 過去の距離実績など、予想の手がかりが少ないので、新聞の印通りに買ってしまう人が多いのだと思います。出走馬同士の横の比較もしづらいので、確たる裏付けなく、想像で人気馬を祭り上げてしまうとでもいいましょうか。
─このレースの1番人気は△7オブジェダートでした。
みねた) 先週の週中展望でも触れましたが、逃げ先行で勝ってきた昇級馬というのは、前走で能力を出し切っている可能性が高いので、昇級戦では壁にぶつかりやすい傾向があります。私の考え方では、あまり評価できない戦歴でした。
─低レベルで適性もよくわからないとなると、関西圏で勝ってきたこの馬に、「もう一丁」の期待をかけたファンが多かったのでしょうね。ちなみに私は初ブリンカーの8エヴィダンシアを狙ってしまいました。
みねた) 初ブリンカー自体は注目すべき要素ではありますが、あくまで先行馬の数や枠の並びにおける有利不利よりは優先度の低い項目で、私の予想理論からは6イーサンバーニングや4ディサイドの方が上位評価になりますね。
─本当に、条件が特殊だからといって、特別なことは一切していないんですね。
みねた) 予想理論が確立していない人ほど、条件が特殊になると、予想が大雑把になってしまうのでしょう。
─かつてダイヤモンドSの週中展望の時、3400mという条件が特殊だから、ファンの意識が大雑把になると話されていたのを思い出しました。
みねた) まさにそれです。「2400mで勝っているから距離はこなせる」みたいな言説を目にすることが多いのですが、よく考えると1000mも違うんですよね。1200mから1600mへの距離延長ついては精査するのに、2400mから3400mへの距離延長に関しては深く考えない。よくわからないから、都合のよい想像をしてしまうのでしょう。
─函館8Rに話を戻して、6イーサンバーニングと4ディサイドの二択から、6イーサンバーニングを上位にとった理由を教えてください。
みねた) 斤量の4キロ減が大きいですね。斤量はスタートダッシュに影響するので、今回は位置が取れる可能性があると考えました。もっとも、4ディサイドも前走が金言9「前走僅差の6着以下」や、金言27「位置取りを下げながら巻き返した馬」に当てはまっている期待値の取れる馬だったので、的中率より回収率を重視するなら、こちらを◎にする手もありました。
─ハズレのない贅沢な二択ですね。
みねた) それでも、逃げ挟みを狙う場合、隣にいる逃げ馬がすんなり先行できている前提なので、4ディサイドにとっても、6イーサンバーニングにとっても、隣になる5ヤマノマタカを軸にして、4と6それぞれに流すという手もありました。そうすれば、もっと回収率を出せた可能性もあったわけで…まだまだ競馬は研究すべき課題がたくさんあります。日々、勉強ですね。
【第36回】七夕賞展望&回収率を追うなら、特殊条件こそ勝負せよ/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。