★今週の重賞ピックアップ★
11月13日阪神11R エリザベス女王杯(芝2200m)
エリザベス女王杯は阪神芝2200mでの施行。初角となる1コーナーまで500m以上あるので、先行争いにおける内外の有利不利はほとんどありません。
今年の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭。登録23頭中5頭は少なく、その内の一頭シャムロックヒルは除外対象です。先行有利とみるのが自然で、道中、4~5番手あたりを追走できる馬が恵まれるでしょう。
想定通りの5番人気前後なら、かなり美味しい存在に思えるのがウインマリリンです。前走はパンサラッサ、ジャックドールという現役トップクラスの逃げ馬と先行争いを演じての3着と、非常に濃い内容でした。今回は展開面の恩恵もありそうです。
ウインキートスは前走のオールカマーで◎にして、7番人気3着と期待に応えてくれました。当時も、前走の目黒記念で3着していながら7番人気。今回もオールカマー3着からの臨戦ですが、再び手頃な人気に落ち着きそう。人気になりにくいタイプですが、先行力の裏付けもあり、馬券妙味は十分。
秋華賞馬スタニングローズは当然有力。先行して道中しっかり脚をためる競馬ができるので大崩れは考えられません。ただ、古馬相手に人気が見合うかは微妙なところ。
同じ3歳馬のナミュールは、潜在能力ならスタニングローズを凌ぐ存在。ただ、差し脚質なので、今回の展開想定で軸にはしにくいのも事実です。
ピンハイも3歳馬で、オークスでは◎にした馬です。3勝クラスをしっかり勝ち上がって、GIに挑んできました。能力は高く、個人的な思い入れもあるのですが、桜花賞とオークスが13番人気で、今回は4番人気前後の想定。条件戦→GIというステップで、このオッズが見合うかどうかの判断になります。
1番人気はデアリングタクトでしょうか。その実績は言うに及ばず。宝塚記念でも3着と能力に翳りはみえません。ただ、その宝塚記念は逃げ馬が揃って展開が向いた面もあるので、今回は先行有利濃厚の展開面が課題となるでしょう。
今年は愛オークス馬マジカルラグーンが参戦。実績には敬意を表しますが、基本的に外国馬は過剰人気になりやすい傾向があります。この馬個体の評価は、血統や海外競馬の評論家の方にお任せしたいと思います(笑)。
【枠順確定後注目馬】
2ローザノワール
3ピンハイ
7イズジョーノキセキ
9ウインキートス
12ルビーカサブランカ
13ウインマリリン
16テルツェット
初角までの距離が500m以上有り枠順による内外の有利不利は少ない。
メンバー構成的にも先行出来る馬有利になりそうなメンバー構成で先行馬を中心に馬券は考える。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
★みねたの金言54★
パリミュチュエル方式を馬券にどう生かすか
──先週は「パリミュチュエル方式とは」について語っていただきました。今回はさらに一歩押し進めて、「では、パリミュチュエル方式をどう馬券に生かすか?」について伺いたいと思います。
みねた: これはもう、「しっかりオッズと照らし合わせましょう」に尽きると思いますよ。「確率は動かせないけれど、買うオッズは選べる」というのは、日常生活の買い物において、同じ製品を買うにあたって「Aというお店は500円、Bというお店は100円だから、安い方のB店で買おう」と考えるようなものですから。
──ここでいう「商品の値段」が「オッズ」ということですね。
みねた: そうです。「この商品がこの値段で買えるの!?」と同じで、競馬は「この馬がこのオッズで買えるの!?」というのを探さなければいけません。
──ただ、オッズは常に変動しているのが難しいですよね。前日と直前でオッズが全然違ったりするので。
みねた: 究極的には、「出走全馬の推定勝率に基づいた予想オッズを出して、直前オッズでそれよりも20%以上ついている馬を買う」というのがパリミュチュエル方式における最善手です。逆に言えば、直前オッズが予想オッズと比較して見合っていないと思うなら、狙っていた馬でも買うべきではありません。
──例えば、「この馬は危険な人気馬だ」と思っていたら、15倍ついていたりすることがあるじゃないですか。予想としては要らないと思っているけれど、想定よりもオッズがついている時、どうしていいか分からなくなるんです。
みねた: それはGO! ですよ。「あぁ、みんなこの馬を買いたくないんだ」「やっぱり危ないよね」みたいな心理が働いて、多くのファンが敬遠した結果、5倍と想定していた馬が15倍ついているなら、それは喜んで買いましょう。
──一旦、予想で「消し!」と結論づけた馬を買うのは、心理的な抵抗がありまして…。
みねた: 自分で見積もった想定オッズが5倍なんですよね。この馬の勝率が20%あるなら期待値は100%なので、「危険な人気馬」だと思うということは、勝率が20%を大きく下回っていると考えているわけです。
例えば、その馬の期待値が50%ぐらいだと見積もっているのであれば、想定勝率は10%ですよね。では、この馬の直前オッズが15倍だった場合、期待値はどうなりますか?
──10回に1回勝って15倍だから…期待値は150%ですね。
みねた: そうです。「10回に1回勝つ」という確率は動かないので、オッズが15倍になれば、「危険」どころかむしろ「美味しい馬」に変わるんです。
逆に、想定オッズ10倍で150%ぐらいの回収率が取れると見込んでいた馬の直前オッズが5倍だったら、その馬の期待値は75%しかないので、最初の予想に固執して買い続けたら確実にマイナスになります。
──例えば、週中展望は大手競馬サイトの予想オッズをもとに話していますが、実際のオッズとは異なりますよね。みやこSのハギノアレグリアスは6番人気前後なら妙味がある、とのことでしたが、実際にはハギノアレグリアスは僅差とはいえ4.5倍の2番人気でした。
みねた: みやこSは、オメガパフュームの3.2倍が最も期待値が取れましたね。単勝1倍台想定で、2.5倍あれば期待値が取れるだろうと考えていました。ただ、このレースは、オメガパフュームが「並んだ逃げ馬の内」という最悪の枠に入ってしまったので、自身の予想理論の整合性を取るために、◎にはできませんでした。
一方、ハギノアレグリアスはすぐ内のアメリカンフェイスのスタートが遅く、さらにその内2頭は先行馬で、すっと内に潜り込める絶好の並び。その点を加味すれば、想定よりも下がっているとはいえ、5倍あれば回収率は取れるだろうと考えました。4.5倍だと単体での期待値は100を僅かに切っていたかもしれませんが、組み合わせの馬券なら期待値は取れていたはずです。
──ちなみにオメガパフュームは斤量の59キロが嫌われたのでしょうか? それとも追い込み一辺倒の脚質か…。
みねた: というよりも、ハギノアレグリアスを評価した人が多過ぎたのではないでしょうか。オメガパフュームに何かマイナス材料がなくても、他の馬が売れればオッズが上がっていく。まさに前回お話しした「パリミュチュエル方式の本質」ですよね。
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。