★今週の重賞ピックアップ★
11月27日東京11R ジャパンカップ(芝2400m)
ジャパンカップは東京芝2400mでの施行。初角となる1コーナーまでは350mで、先行争いにおける内外の有利不利はほとんどありません。とはいえ、トップレベルが集まる極限の戦いなので、内がベターであるとはいえるでしょう。
今年の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは外国馬も含めて6頭。これだけでも先行馬は多くありませんが、その上、ウインマイティー、ウインマリリンは回避予定。かなり先行有利な一戦になりそうです。
基本的に、海外の馬は日本の馬場が合わないことが多く、実績に引っ張られる形で過剰人気になりやすい傾向があります。まずは日本馬を中心にチェックしていきましょう。
前有利となると、注目せざるを得ないのがユニコーンライオン。前走の福島記念は人気薄での逃げ切りでしたが、昨年の宝塚記念を2着しているように、今年のメンバー構成では格負けもありません。
スタートダッシュよく前に行ける馬が少ないメンバーなので、安定して先行できているボッケリーニにも注目。3~4角で置かれがちになるのはあまり好ましくありませんが、その前段階でのポジションの有利さ、ヴェラアズールとのオッズ差を考慮すると期待値が取れるかもしれません。
距離延長で前走よりも前に行ける可能性があるのはカラテ。前走は3角で置かれてスムーズさを欠く不利がありながら、よく差を詰めています。
テーオーロイヤルは前走が0.2秒差の6着と期待値の取りやすい負け方。先行力も確かです。G2掲示板外からジャパンカップという臨戦過程は買いにくいのですが、今年の相手なら目を瞑って狙う手も。
シャフリヤールは、前走の天皇賞・秋は5着止まりでしたが今回は展開的に向きそう。ボーナスもかかったここは本気度も高いはず。ただし、馬券的な妙味はなさそうです。
同様に、ダノンベルーガも今回はかなりの上位人気になるでしょうから、能力の高さは百も承知ですが、過剰人気感は否めません。
上がり馬ヴェラアズールも、さらなる格上がり戦で、単体でみたら期待値はあまり高くなさそう。ただ、例年よりも手薄なこの相手なら、馬券には加えざるを得ないでしょう。
前哨戦敗退馬が多く、中心になるヒーロー不在の一戦。ジャパンカップにはトップホースが集結して欲しいという気持ちがあるので、少し残念ではあります。ただ、それゆえに馬券的に難しく、美味しい馬券、美味しいオッズが潜んでいそうなレース。このメンバーなら、場合によっては外国馬を狙うという選択肢もあるかもしれません。
【枠順確定後注目馬】
3ヴェルトライゼンデ
5グランドグローリー
9ユニコーンライオン
11カラテ
12シャドウディーヴァ
13テーオーロイヤル
14ダノンベルーガ
15シャフリヤール
狙っていた馬たちが軒並み外の方に入り並び的にかなり難しく難易度は増した。回収率と的中率のバランスの良い馬はおらず、回収率ベースで大穴から攻める。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言56
『馬券を買う人のすべきことは「買うか買わないかの判断」である』
★ピックアップレース★
11月20日阪神11R マイルCS(芝1600m)
◎10セリフォス
○8ロータスランド
▲2ウインカーネリアン
△12ホウオウアマゾン
☆3ダノンザキッド
注5サリオス
注6ソダシ
【参考買い目】
単勝 10.8
ワイド 10―8.2.12.3
馬連 10―8.2.12.3.5.6
3連複 10―8.2.12―8.2.12.3.5.6
──先週のマイルCSは、最近ずっとお話しを伺ってきたパリミュチュエル方式の考え方にのっとって、「自分の想定オッズよりもついている馬を狙う」という作戦を取ったところ、馬連11,870円を当てることができました。みねたさんが口を酸っぱくしておっしゃっていた「予想方法は問わないから、オッズが見合っているかを考えろ」を実践できた気がして嬉しかったです。
みねた: おめでとうございます。それは、馬券を買う上で、確実に一つ上のステージに到達したと思いますよ(笑)。
──ありがとうございます。みねたさんは『競馬放送局』にて、◎10セリフォス、☆3ダノンザキッドで見事に単勝、ワイド、馬連を的中されました。このコラムの週中展望からの思考の推移、そして買い目の組み方などについて、詳しく教えていただけますか?
みねた: 週中展望の段階で、「シュネルマイスターやセリフォスは過剰人気気味も大舞台に強い外国人騎手で切るまでにはいかない」と触れていた通り、この2頭は「馬券に絡んでくる可能性は高いけど、オッズが見合わない可能性が高いよね」という位置付けでした。
実際は、シュネルマイスターが単勝3.6倍の1番人気、セリフォスは9.2倍の6番人気。セリフォスは前哨戦の勝ち馬で、3歳春に安田記念で0.1秒差4着の実績があり、今回はD.レーン騎手への乗り替わり。5倍前後を想定していたので、その馬が9.2倍なら迷わずゴーサインです。
──富士Sの勝ち馬が6番人気で、むしろ安田記念・13着、富士S・2着だったソウルラッシュの方が人気になったのは、ちょっと不思議でした。
みねた: 競馬新聞の印が薄かったのかもしれません。GIは普段買わない人が買う分、メディアの評価が人気に与える影響が大きいということですね。
──確かに、穴想定でソウルラッシュを高く評価している記者さんはチラホラみかけました。安田記念はドン詰まりでしたし、前走も脚をためて伸びるいい内容。狙いたくなる気持ちはよくわかりますが。
みねた: 結局、オッズの話に帰結しますよね。そういった不利情報を活用するのは間違いではありませんが、それがオッズに織り込まれてしまっては意味がありません。競馬新聞の記者の方は、オッズや他の人の評価がわからない段階で印を打ち、それが人気を形成し、1番人気馬が勝率30%と最も勝つわけですから、凄い仕事をされていると思います。
ただ、馬券を買う人間がすべきことは、勝ち馬を予想することではなく、オッズを見比べて、買うか買わないかを判断することなんですよね。
──馬券を買う人のすべきことは買うか買わないかの判断。金言ですね。
みねた: このレースも、勝ち馬予想という意味では、シュネルマイスターが一番勝つ可能性が高かったと思います。前走9着と大敗しているのに、今回、距離延長で1番人気ならオッズが見合わないと判断しただけで、もし前走大敗が嫌われて9.2倍の6番人気だったら、この馬を◎にしていたかもしれません。
──週中展望では「期待値を取れそうな馬が多い」と話されていました。
みねた: ○~☆の4頭はどれも期待値が取れていたと思います。ただ、それぞれのオッズが108.0倍、26.0倍、84.1倍、26.0倍といずれも大穴でした。これまで話してきた通り、そもそも穴と穴の組み合わせは期待値が取りにくい傾向があります。また、展開を味方につけて突っ込んでくる穴馬は1頭で、2頭以上馬券に絡む確率は高くありません。それらを考慮して、どう馬券を組むのが効率的かを考えました。
──穴馬を軸にするなら、○~☆の4頭からの選択になりますね。
みねた: そうですね。今回ならば、人気薄の先行馬を軸にするので、そこから力のある差し馬へ流す形になります。シュネルマイスター、サリオス、セリフォス、ソウルラッシュあたりでしょうか。そうすると、軸選びの段階で、穴馬同士の序列をつけなければいけない上に、2列目に、期待値的にはそれほど見合っていない人気馬を置く必要も出てきます。
それよりも、力のある差し馬から一頭選んで、穴馬全てに流す形の方が馬券を組みやすいですよね。今回は、力のある差し馬の中に、明らかに期待値が取れそうなセリフォスがいたので、全く迷うことはありませんでした。
──馬券の組み方でお聞きしたかったのが、ロータスランドの単勝を付け加えた点、そして、ワイドの相手がいつもの3通りではなく4通りだった点です。
みねた: 単勝2頭買いは、今春の阪神牝馬Sのメイショウミモザ以来になりますかね。ロータスランドは安田記念で0.4秒差、前走も0.3秒差6着。前有利の展開にも恵まれそうだったので、予想を出した段階で73倍なら期待値が取れると判断しました。
──この場合に気になるのが、ロータスランドが2、3着でセリフォスが圏外というパターンで何も当たらないケースが怖くないのかな、と。
みねた: それを気にし出したらキリがないです(笑)。ただ、このレースに関しては、シュネルマイスター、ダノンスコーピオン、ソウルラッシュと上位人気に期待値が取りにくい馬が揃っていたので、1列目にロータスランドとセリフォス、2列目に◎~☆までを置いた23点買いでも期待値は取れたでしょう。あるいは、ホウオウアマゾンとか、ダノンザキッドあたりまで単勝を買ったとしても期待値は取れていたと思います。
──上位人気馬の信頼度によっても、馬券の組み方が変わるわけですね。
みねた: ワイドを4通りにしたのも同じ理由ですね。過剰人気馬が多い、相手にした4頭は期待値が高い、という2つの条件から、4頭に流しても期待値が取れると判断しました。もちろん上位人気が怪しいと思っているので、複勝にするという選択もアリです。
──ワイドが4点だったのは、「人気馬が期待値を持っていないぞ」「荒れそうだぞ」というみねたさんのメッセージだったんですね。
【第56回】ジャパンC展望&馬券を買う人のすべきことは「買うか買わないかの判断」である/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。