★有馬記念回顧★
現段階では金杯の登録馬も出ていませんので、今回は特別に有馬記念の回顧をお届けします。
私は◎10ジャスティンパレス、○16ディープボンドという予想で不的中でした。道中、ジャスティンパレスが4番手のインという絶好のポジションを確保した時は貰ったかと思いましたが、直線では伸び切れず。タイトルホルダーが思いのほか、はやく脚を無くしてしまったため、道中イン→直線外の形が取れなかったのは誤算でしたね。
タイトルホルダーは、このメンバー構成なら、溜め逃げの形になるのはある程度、想定通り。13番と外目の枠を引いたのも、その外に先行馬が連なる並びも厳しかったのは確かですが、それにしても案外の内容でした。
ディープボンドは週中展望で高く評価していましたが、まさかの大外枠。ただ、それにより、単勝8番人気・37.3倍と想定よりも大きく人気を下げました。中山芝2500mは、内枠のほうが好走しやすいのは間違いありませんが、このオッズならリスクに見合うと判断して対抗評価に。結果的に、スローペースで道中外を回る最悪の形になり、脚を無くしてしまいましたが、これは数ある展開パターンの中で、最も悪い形をひいたに過ぎません。今回は「やっぱり内」という結果になりましたが、思考停止で内だけを狙うのではなく、オッズと照らし合わせて、外で期待値が取れるパターンは逃さず狙っていきたいものです。
週中展望で「タイトルホルダーが本調子になく、バテてしまうケースでは捲りを打てるタイプが浮上。その筆頭候補として、ボルドグフーシュを挙げておきます」と書きましたが、まさにその通りの結果となりました。私は、▲タイトルホルダーと両立するタイプの穴馬を上位に取りましたが、タイトルホルダー危しという見立ての方なら、十分にボルドグフーシュは狙えたのではないでしょうか。それにしても、息の長い末脚で、来年が楽しみな一頭です。
☆2イズジョーノキセキは大健闘の4着。中山芝2500mは特殊なコースで、格下でも枠に恵まれれば戦えるコースです。今年は、全体的にそれがオッズに反映され過ぎていた感がありましたが、その中で、甘いオッズのままだったのがこの馬。スロー想定の一戦で、1800m重賞を勝っている実績を考えると、内で脚を溜めての一発は想定できました。ここまで人気薄になったのは、金言60「オッズが甘くなりやすい二桁着順」が原因で、わかっていても買いにくいゾーンだったということでしょう。
それにしても勝ったイクイノックスの末脚はお見事でした。抜け出してからも伸び続けており、まだ余力を残している印象。キタサンブラックといえば、先行してバテない競走馬でしたが、この馬は切れ味も兼備しています。斤量増、成長力の問題はありますが、2023年の競走生活が非常に楽しみですね。
■みねたの金言61
馬券師みねたの矜持
★ピックアップレース★
12月24日 阪神7R 3歳以上1勝クラス(ダート1800m稍重)
◎9ラッキーモー
○8テーオーサンドニ
▲10ブラジリアンソング
△7テイエムシニスター
☆5ロードマゼラン
注2レッドデクスター
【参考買い目】
単勝 9 2000円
ワイド 9-8.10.7 各1000円
馬連 9-8.10.7.5.2 各500円
3連複 9-8.10.7-8.10.7.5.2 各300円
──2022年の当コラムは今回でラスト。そこで少し趣向を変えて、今年一年を振り返りたいと思います。昨秋からのコラム開始だったので、一年を完走して迎える最初の年の瀬ですが、率直な感想はいかがですか?
みねた: 上手くなっている、レベルアップしている手応えはあります。前回のコラムで触れた、最終的にオッズが下落しないような馬を選べているのもその一つですよね。
──まだ進化途上なんですね。
みねた: 2月ぐらいから一念発起して、地方競馬も全レース配信しようと取り組み始めました。午前9時にはスタンバイして、21時頃まで競馬漬け。1日も休むことなくレース画面に張り付き、出馬表とオッズを見比べて期待値を追いつづけたことで、予想の精度が上がってきた気がします。それだけ続けると、出馬表をみた段階で「こういうパターンで決まりやすいよね」みたいな組み合わせの予測の精度が増しました。
──それは説得力がありますね。さて、そんなみねたさんですが、今年の会心のレースを問われたら、どのレースを挙げられますか?
みねた: 会心のレースですか。それなら12月24日の阪神7Rですね。
──12月24日の阪神7R…って、先週の話じゃないですか!(笑)
みねた: ははは。先週の段階で、コラムのお題として「会心のレース」が挙がっていたので色々と考えていたのですが、何せ、12月24日の阪神7Rは、今年一年の集大成ともいえる的中でしたので。
──確かに◎→○→▲で3連単17万8610円、参考買い目の払い戻しも23万を超えるクリティカルヒットですね。ちなみに、このレースが当たる前は、どのレースを挙げる予定だったのですか?
みねた: 京都記念のアフリカンゴールド(51.5倍)、阪神牝馬Sのメイショウミモザ(68.7倍)あたりは「会心」ですし、◎セリフォスのマイルCSは我ながら上手く予想できたと自負していますが、印象に残っているのは神戸新聞杯デーですね。
──神戸新聞杯、オールカマーと波乱の東西重賞を仕留めた日ですね。
みねた: この日は、亀谷競馬サロンにゲストとして呼んでいただいて、サロンメンバーの皆さんと喜びを共有できたのが何より嬉しかったです。一旦、離れていた予想家の世界に戻ってきたのは、「正しく分析して、しっかり期待値を追って勝つ」という姿をお見せしたいという思いからだったので、それが結実した一日でした。
──とても盛り上がったと聞いていますよ。そして12月24日の阪神7Rですが、「集大成」と感じる理由を教えていただけますか?
みねた: ◎9ラッキーモーは、最終オッズでも人気薄のまま、むしろオッズは購入時より上がっていました。狙った馬のオッズ下落の問題は、自分も何回か体験しましたが、それを愚痴っていても仕方なくて、しっかり対応していくことが重要。配信して予想に乗ってもらった上で、オッズも保たれる馬を選べたという点で、個人的には満足感があります。
そして、何といっても「逃げ挟み」です。第1回のコラムで紹介した、みねた理論の大原則通りの決着でした。先行馬の揃ったレースでの「逃げ挟みの差し馬」狙い。そして、「逃げ挟み馬が来るのは両脇の先行馬がきっちり前に行けた時」というのも、これまた原則通りです。
──そして、◎9ラッキーモーは金言27「位置取りを下げながら巻き返した馬」にも該当していました。とはいえ、前走2.5秒負けというのは、さすがに狙いづらいような。
みねた: 確かに、単体で考えると2.5秒差で8着敗退というのは、期待値は取りにくそうではありますよね。ただ、このレースの場合は、「すぐ内のテーオーサンドニが強い」「すぐ外で大外枠のブラジリアンソングも先行確率が極めて高い」という2つのプラス要素がありました。ゲートを出て、内にも外にも馬のいないノンストレスの隊列になる可能性が高かったのです。それだけ恵まれた展開で、34回に1回勝てるかどうかのギャンブルならば、十分に勝算があるだろうと考えました。
──見事な考察でした。みねたさんは、このコラムで「逃げ挟み」という奥義を公開してくださいましたが、こういうきめ細かい部分での上げ下げを見せられると、まだまだみねたさんの域には誰も追いつけないような気がします。さて最後に、2023年の抱負でコラムを締めていただきましょう。
みねた: 変わらず競馬に取り組むだけです。これまでもギャンブルに勝つことだけを追い求めてきたので、それは2023年も変わりません。ただ愚直に期待値を追って、自分を過信することなく、周りに流されることなく冷静に。自信を失くすと周りに流されてしまうので、そうならないための努力を積み重ねていきたいと思っています。
※次回の更新は1/11(水)を予定しています。お楽しみに!
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。