プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「対抗以下を意識して◎を選択する」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
3月12日中京11R 金鯱賞(芝2000m)
金鯱賞は中京芝2000mで施行。初角となる1コーナーまでは300m強で、開幕週であることも加味するとやや内枠有利と考えてよいでしょう。
今回の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは、バイオスパーク、フェーングロッテン、マリアエレーナ、ヤマニンサルバムの4頭。占有率30%なので、ペースは緩くなる可能性が高いでしょう。
上記4頭の中ではマリアエレーナ。2走前の天皇賞(秋)ではイクイノックスと0.7秒差で、このメンバーなら能力的にも近況の充実度も上位です。以前は少し道中で置かれる面もありましたが、小倉記念では道中動いて0.8秒差の圧勝。前走も3番手追走と道中での反応が良化しており成長も感じます。想定通り、2番人気で買えるなら期待値は取れる存在でしょう。
想定1番人気はプログノーシス。高い潜在能力を感じさせる馬ですが、G3敗退からG2で斤量増となるここは、さすがに売れ過ぎの印象。2勝クラス、3勝クラスでも道中は最後方または後方2番手を追走しており、前走も17番手の競馬と、行き脚がつきにくいタイプなのでしょう。ここは展開に恵まれる可能性も低そうです。今年の回収率が100%を超えている川田騎手への乗り替わりは強力な追い風ですが、馬券的にはそろそろ川田騎手狙いが後追いになりそうな印象もあります。
2022年は7戦全てG1、G2と王道路線を歩んだポタジェ。天皇賞(秋)では0.9秒差に健闘しています。展開的に恵まれるかは微妙ですが、2桁着順続きで、期待値は取れそうです。
スローでの捲りに張るならルビーカサブランカ。直近4走とも道中で動けており、強い前進気勢を感じます。人気急落のここが狙い時かもしれません。
単純に期待値だけならハヤヤッコにも注目。前走はG2日経新春杯を0.5秒差の6着で、今回、斤量は1.5キロ軽くなります。2走前の中日新聞杯ではプログノーシスとタイム差なしでした。
展開面よりも単体の期待値的に面白い馬が多そうな印象。あとは、枠順と並びで結論を導き出したいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1アラタ
2マリアエレーナ
3ハヤヤッコ
4ディープモンスター
10フェーングロッテン
12プログノーシス
やや先行有利なメンバー構成で内枠引けた2マリアエレーナは並びも良い。12プログノーシスも並び的には悪くなく馬券は難しい印象。穴で狙うなら内枠の馬で馬券は工夫したい。
■みねたの金言70
『対抗以下を意識して◎を選択する』
★ピックアップレース★
2月19日東京11R フェブラリーS (ダート1600m良)
◎15レッドルゼル
○6メイショウハリオ
▲16ケイアイターコイズ
△5オーヴェルニュ
☆4ドライスタウト
注3ケンシンコウ
注7レモンポップ
[参考買い目]
単勝 15
ワイド 15-6.16.5
馬連 15-6.16.5.4.3.7
3連複 15-6.16.5-6.16.5.4.3.7
──今回取り上げるのは、2023年最初のG1レースとなったフェブラリーS。◎15レッドルゼルが2着、○6メイショウハリオが3着で、ワイド、馬連、3連複的中となりました。この日は、亀谷競馬サロンのゲスト出演日でしたね。
みねた: ゲストの日はいい馬券が当たるんですよ。亀谷競馬サロンは私にとってパワースポットかもしれません(笑)。
──フェブラリーSは当コラムで週中展望も行っているので、そこからの変遷を追ってみたいと思います。このレース、週中展望の段階では、10テイエムサウスダン、11ソリストサンダー、9ショウナンナデシコ、5オーヴェルニュあたりを穴で注目しており、人気どころでは6メイショウハリオを非常に高く評価されていました。しかし蓋を開けてみたら、◎は15レッドルゼル。
みねた: これはもう、並びに尽きます。15レッドルゼルは外枠の「逃げ挟み」だったので。
──伝家の宝刀・逃げ挟みですね。
みねた: 芝スタートで外枠有利の東京ダート1600mで、先行馬が外に偏った中での「逃げ挟みの差し馬」とあらば、「買うしかない」レベルで有利です。
──15レッドルゼルは、昨年のフェブラリーSの前にハッキリと川田騎手が『1600mは長い』と語っていたのを覚えていて、つい軽視してしまいました。
みねた: 馬個体の適性として、乗った者の感覚としてはそうなのでしょう。ただ、2走前は大井1200mで8頭立ての7番手、前走も盛岡1200mで初角は14頭立ての14番手と行き脚が悪過ぎます。いくら短距離に適性があったとしても、1200mでほぼ最後方からレースをするのと、1600mで中団ぐらいにつけられるのであれば、後者のほうが好走確率は高いと考えました。
──「この馬の適性は1200mだ!」と凝り固まっていると買えないわけですね。それよりも、「ポジション的にどっちがチャンスが大きい?」という視点が大事という。
みねた: 15レッドルゼルは「距離延長」「逃げ挟み」「外枠」と行き脚が良くなる要素が3つ重なっていました。これが仮に対抗評価だった6メイショウハリオと枠順が逆だったら、要素は「距離延長」だけになります。その場合、6メイショウハリオが◎で、15レッドルゼルは無印になっていたでしょうね。
──本命から無印。展開や並びでここまで差が生じるのが、みねたさんの凄いところなんですよね。
みねた: このレース、単体での期待値は6メイショウハリオの単勝10.7倍が抜けていたと思います。週中展望の時に、掲載はされていませんが『ギルデッドミラーが出ていたら、メイショウハリオのオッズが10倍ぐらいになって絶好の狙い目になりそう』と話していましたよね。それが、ギルデッドミラー不在でも10倍超。ですから、この馬とレッドルゼルで◎はかなり迷いました。
──そこはやはり枠の差ですか。
みねた: そうですね。6メイショウハリオはゲート直後に躓く不利があって後方からのレースになりましたが、芝スタートの内枠となった今回は、仮に躓く不利がなくても同じような競馬になった可能性が高いと思います。あと、15レッドルゼルを◎にしたのは、馬券の組み立てやすさも考慮しましたね。
──詳しく教えてください。
みねた: このレースでは、有利な大外枠をひいた16ケイアイターコイズの単勝182倍も、かなり妙味があると考えていました。15レッドルゼルが馬券に絡む場合、その両脇はスムーズに先行している可能性が高いので、相手に取りやすくなります。本命は逃げ挟みの15レッドルゼル、単体での期待値が高過ぎる6メイショウハリオが対抗、そして単穴にはスムーズに先行できそうな穴馬16ケイアイターコイズと、すんなりと印が決まりました。
──6メイショウハリオが◎だと…?
みねた: 自身のすぐ内の5オーヴェルニュは評価するでしょうね。あとは、強い先行馬の7レモンポップになるのでしょうが、そうするとヒモに4ドライスタウトを入れると、人気2頭が両立する馬券を買うことになります。
一方、15レッドルゼルを◎にすれば、自動的に◎○▲が決まります。さらに△5オーヴェルニュとして上位4頭が期待値のある人気薄になれば、あとはヒモ(3連複の3列目相当)に1番人気、2番人気馬を加えることで、馬券内に1、2番人気が最大1頭しか入らない買い目を組むことができます。
──週中時点で評価の高かった11ソリストサンダー、10テイエムサウスダンあたりは買い目からも漏れてしまいましたね。
みねた: 印は7~8頭にとどめたいと思っているので、席が空いていなかったということです。何度もお伝えしていますが、穴馬だけの買い目は期待値が低いので、上位4頭が人気薄ならば、1、2番人気のどちらかは来る馬券を組むのがベター。期待値が高い同士の馬は、それほど回収率が出ないんですよね。これらの考えが反映するよう、買い目(印)に馬を当てはめていった感じですね。