プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「コースによって重視するファクターの比重は変わる」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
4月9日阪神11R 桜花賞(芝1600m)
桜花賞は阪神芝1600m外回りで施行されます。初角となる3コーナーまでは400m以上あり、先行争いにおける内外の有利不利はほとんどありません。
26頭が登録していますが、リバーラは回避見込みで、現在、収得賞金1700万円のシンリョクカまでが出走可能です。出走予定の18頭のうち、前走の通過順位に3番手以内があるのは、トーセンローリエ、ドゥアイズ、ペリファーニア、モズメイメイの4頭。18頭中4頭であれば、ペースは落ち着き、前の組に有利に働きそう。
ドゥアイズは前走のクイーンCを3番手からタイム差なしの2着。コスモス賞、札幌2歳Sでは道中で捲る脚も見せており、展開的には向くでしょう。2走前の阪神JFでは12番手から3着に追い込む末脚もみせており、トータル能力の高い馬です。3着内を続けている馬は期待値を取りにくい傾向があるのですが、想定通りの単勝20倍前後なら妙味は十分です。
ペリファーニアも新馬戦、チューリップ賞と道中で動けており、この馬も展開面の恩恵を受けられそう。想定オッズ25倍前後なら、こちらも妙味大。
モズメイメイは、前哨戦のチューリップ賞を逃げ切り勝ち。最重要トライアルの勝ち馬でありながら、ここも人気薄になりそうです。2戦続けて逃げの手に出ており、戦法が定まっているのは強みでしょう。チューリップ賞の内容は特筆すべきものではないので、あとは力が足りるかどうか。
ラヴェルは、出遅れた阪神JFが道中17番手から、いわゆる「何もしていない」競馬。2走前には実際にリバティアイランドを降しており、これで人気急落なら面白い存在。
距離延長がプラスに出そうなメンバー構成なので、前走フィリーズレビュー勝ちのシングザットソングにも注目。ゲートに不安があるので、その点でも距離延長はプラスです。ゲートを五分に出られたら、追走が楽になる分、さらなる前進が見込めます。
圧倒的な1番人気が見込まれているのはリバティアイランド。能力的に1倍台にふさわしい馬であることは疑いようがありませんが、フルゲートG1のここで、競馬というギャンブルの視点で考えたら1倍台は売れ過ぎの印象もあります。もちろん、能力で圧倒する可能性も高いのですが、馬券的には穴馬を探してみたくなるところ。期待値のある穴馬が多そうなので、しっかり枠や並びも吟味して最終結論を導き出そうと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1ブトンドール
3リバティアイランド
4ドゥアイズ
9コナコースト
10エミュー
11シンリョクカ
18トーセンローリエ
週中の見解通り穴で狙うなら前に行ける馬から選びたい。リバティアイランドは能力が高く馬券の軸に置きやすいが、単複回収率の観点からは本命には置かず相手筆頭にした。
■みねたの金言74
『コースによって重視するファクターの比重は変わる』
★ピックアップレース★
3月25日阪神11R 毎日杯(芝1800m良)
◎8ノッキングポイント
○4オメガリッチマン
▲3シーズンリッチ
△1フェイト
☆9マイネルメモリー
注11フルメタルボディー
注13ドットクルー
[参考買い目]
単勝 8
ワイド 8-4.3.1
馬連 8-4.3.1.9.11.13
3連複 8-4.3.1-4.3.1.9.11.13
──3回にわたって昨年10月の的中例を取り上げましたが、ここで時計の針を戻します。3月25日は、東西の両重賞を◎タイトルホルダー、◎ノッキングポイントでW的中でした。日経賞が◎▲でワイド1420円、毎日杯は▲◎注で馬連3620円、ワイド1240円、3連複14,510円。
みねた: うまくいきましたね。日経賞でボッケリーニが拾えていれば、東西で万馬券だったので少し悔いが残りますが。
──日経賞が行われる中山芝2500mは初角まで200m弱と短く、毎日杯が行われる阪神芝1800mは初角まで600m以上あるコース。全く特徴の異なるコースでのW的中は、さすがの調整力です。
みねた: 日経賞は分かりやすかったですよね。有馬記念の枠順抽選会で各陣営がこぞって内枠を希望しているように、中山芝2500mは初角までの距離が短いので、先行争いにおいて極端に内が有利なコースです。その有利な内枠に、現役最強クラスのタイトルホルダーが入れば、迷うことなく◎です。
──凱旋門賞、有馬記念と2走連続大敗で、ファンの方にも少し迷いが生じた印象です。前走で、今回と同じ中山芝2500mで9着に敗れたのも、より不安を掻き立てました。
みねた: それが、いわゆる「期待値が取りやすい」パターンになりましたね。極悪馬場の凱旋門賞の大敗は、誰がどう見てもノーカウント可能でしょう。そこからの帰国緒戦で激戦の反動が出るのも全く不思議ではありません。
また、その有馬記念は16頭立ての13番枠、さらに遡れば、前年の有馬記念は16頭立ての16番枠と、ともに外枠でした。今、まさに「中山芝2500mは内枠有利」という話をしているわけで、中山芝2500mで崩れた2戦は不利な枠をひいてのものだったのです。
──明確な敗因があったわけですね。このレースの1番人気は、前年の菊花賞馬9アスクビクターモア。オッズ的には2強ムードでした。
みねた: 強い馬ではありますが、古馬相手に不利な枠。タイトルホルダーをさしおいての1番人気は、期待値を吸っている印象はありました。ゲートのタイミングが合わずに後方からの競馬で大敗しましたが、もしゲートを五分に出ていたとしても、枠順の差でタイトルホルダーが行き切っていると思うので、楽な競馬にはならなかったはずです。
──それぐらい、中山芝2500mは先行争いにおいて内が有利だと。
みねた: そういうことです。私は全レース予想しているので、あらゆるファクターを活用していますが、中山芝2500mのようなコースの特徴が色濃く出るコースであれば、当然、「枠順」というファクターの比重が高まります。もし、このレースで2タイトルホルダーと9アスクビクターモアの枠順が逆だったら、おそらく◎はアスクビクターモアだったはずです。
──みねたさんは、タイトルホルダーの能力を現役最強クラスと高く評価されていますが、それをも打ち消すぐらいに枠というファクターの影響が大きいわけですね。
みねた: これが毎日杯のような初角までに距離があるコースであれば、話は変わります。よっぽど芝の内側が荒れるなどの極端なトラックバイアスが出ていれば別ですが、基本的には「枠順」というファクターの重要度は薄れます。
極論すれば、枠順自体はどこでもよくて、それよりも「並び」が重要になってくるのです。スムーズに走れそうな並びを考えた上で、期待値の高いパターンを組み合わせて考えるわけです。その辺りについては、次回、毎日杯を例に説明しますね。
──最後に日経賞についてもう一言、7番人気3着だった▲5ディアスティマについても教えていただけますか?
みねた: この馬は前走のステイヤーズSで1番人気9着。ただ、着差は0.9秒しかありません。同じG2で1番人気から7番人気に急落というのは過小評価でしょう。2021年の天皇賞春も0.9秒差。着差のつきやすい長距離戦でも僅差に踏ん張っており、能力の高さを示していました。それに加えて5番枠。中山芝2500mという舞台を考えると、内目の枠をひいた先行馬というのも加点材料ですよね。