プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“未知の馬”の取り扱いです。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
8月10日 中京7R CBC賞 芝1200m
CBC賞は中京芝1200mで施行。初角となる3コーナーまでは315mで、先行争いにおいてはやや内枠が有利でしょう。
登録19頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。先行馬占有率は高く、しっかり末脚をためられるタイプにアドバンテージがあるでしょう。タイムトライアルの様相を呈するため、内枠の軽斤量馬には注意を払いたいところです。
1番人気想定はジューンブレア。2走前に3勝クラスを逃げ切ると、続く函館スプリントSでもタイム差無しの2着と好走しています。先行して力を出し切っていると思いますが、力を付けていることも間違いありません。ただ、今回のメンバーを見渡すと、この馬に先着可能な馬も少なくない印象で、想定オッズ3.3倍は見合っていないように思えます。
2番人気想定のヤマニンアルリフラは3連勝で北九州記念を制覇。昨年末、2段階格上挑戦時に◎にして仕留めることができましたが、今思えば、その時の4番人気でさえ甘く思えるほどの力量馬でしたね。能力の高さは疑いようがありませんが、55キロ→57.5キロに斤量が増えますし、タイミングとしては後乗りになりそうでもあり、「今回が絶好の買い時!」というわけではなさそうです。
3番人気想定インビンシブルパパは、初芝の前走函館スプリントSで4着と健闘。芝に目処を立ました。そして今回は3番人気・10.9倍の想定オッズ。一言で言えば“妥当”で、特別に買い時というわけでもなければ消し時でもなく、内枠を引いたら無視はできないな、といった評価になります。
前走のヴィクトリアマイルが0.5秒差・11着だったワイドラトゥールはかなり期待値を積んでいそうな臨戦過程。2走前には中京のG3愛知杯を差し切っています。末脚確かで斤量も前走から0.5キロ軽くなる今回、9番人気・27.6倍なら期待値はあるでしょう。
“買い時”という点では前走の鞍馬Sで1番人気を裏切ったグランテストにも注目。こちらは前走から斤量2キロ減です。5番人気・13.7倍は美味しいのでは。
2走前の葵Sで波乱の立役者となったのがクラスペディア。前走の北九州記念17着大敗で、前走の6番人気から大きく人気を落としそうです。葵Sの時も前走16着からの巻き返しで、大敗は気にしなくていいでしょう。想定10番人気・29.5倍なら一考する価値はあります。
ドロップオブライトは北九州記念で0.4秒差・6着。4コーナー15番手からよく追い込みました。展開ひとつ、乗り方ひとつで埋められる差ですし、なんといっても昨年の勝ち馬。8番人気・27.3倍なら。
上位人気馬が抜けている印象はなく、逆転候補は多士済々。ただ、それがどの馬を見抜くのは骨が折れそうな一戦です。いずれにせよ先行馬なら内枠が条件になるでしょう。しっかり、枠順と並びを吟味して、真夏の桶狭間決戦を仕留めたいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言193
“未知の馬”の取り扱い
★ピックアップレース★
7月19日福島8R 3歳未勝利 芝2000m良
◎12オプレントジュエル
穴○1ピュルテ
穴▲14マイネルラファール
穴△8マイネルボス
☆13クラウンアールシー
注3クレプスクルム
注10エテルニータ
―今回のサンプルは7月19日福島8R。注→▲→◎の決着で3連複は62,930円という波乱となりました。
みねた)◎オプレントジュエルの戦歴はわかりやすかったですよね。新馬戦から3戦続けて芝1800mを使い2着、2着、3着。次戦はマイルを使われて8着でしたが、通過順位2→6→9からの8着という、明らかにマイルが忙し過ぎたというレースぶりでした。そして前走はダートでの大敗なので度外視可能です。
―確かに期待値を積んでいそうな臨戦過程ではありますが、どちらと言えば、穴で買いたいパターンだとも思うんです。
みねた)おそらく単勝オッズ3.2倍というのは、若干、甘くなっていると思いますよ。そして何より複勝2番人気の2.1倍は甘い。やはり人間心理として前走大敗馬は買いにくく、しっかりオッズに反映されていました。
―複勝2.1倍は美味しいですね。そして2着だった▲マイネルラファールも馬柱から買えそうなタイプだと思いました。休養前の未勝利戦では10-10-3-3と捲りを打って0.4秒差の7着。そして休養明けの前走も3-4-2-1と道中動く競馬で0.9秒差の9着。
みねた)先頭に立って息切れした内容からも2600m→2000mへの距離短縮はいいですよね。
―はい。ここまでは分かるのですが、初出走で14番人気(50.7倍)1着になったエテルニータによく印を回せましたね。
みねた)正直、別にもう1頭、期待値のありそうな穴馬がいたらそちらに印を回しているので、ラッキーではありました。ただ、ギリギリで引っ掛かったのには理由があって、それは“終盤の3歳未勝利戦”だったからです。
―3歳未勝利は9月15日までなので、残り2ヶ月ぐらい。あと2走できるかどうかといったタイミングですね。
みねた)言い方は悪いですが、ここまで勝てなかった馬たちの争いです。勝ち上がりに向けて詰めて使われている馬も多く、そこにフレッシュな初出走馬が出てきてポンと好走するというのは、割とよくある光景ですよ。未勝利の終盤戦では、未知の馬は押さえておいて損はありません。もちろん、人気薄であることが大前提ですが。
―未知の馬を狙うという話ですと、函館2歳Sについても伺いたいです。◎が北海道競馬所属のスペシャルチャンス、穴▲で北海道競馬から転入初戦のエイシンディードと高く評価して、結果はエイシンディードが単勝オッズ48.7倍の人気薄ながら逃げ切りました。
みねた)これも“時期”という要素が関わっています。2歳の早い時期の門別競馬はレベルが低くありませんから。4月からスタートして使われていく中で、ここの馬たちは自身の上限近いところまでレベルを上げてきています。1戦か2戦、教育競馬を施されている中央勢と比較して完成度が高く、構造的にこの時期の道営馬というのは期待値を取りやすいのです。
―ちなみに地方馬同士の比較のコツとかはあるのですか?
みねた)芝とダートの違いもありますし、時計とか着差を細かく考えるよりも、とにかく人気のない方を買うという意識でいいのではないでしょうか。
―初出走馬や未知の馬の取捨選択の“奥義”みたいなものについて聞きたかったのですが、そんなものはないと。
みねた)ないですね。ただ、初出走馬のような未知の要素が多い馬については、比較的AIが見抜きにくいというのはあるでしょう。また、情報のない未知の馬はとことん人気薄になることが多いので、そういう馬を見逃さずにしっかり押さえておくという意識づけは重要だと思います。