プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は競馬は「変わり身のある馬をみつけるゲーム」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
7月17日 札幌11R 札幌記念 芝2000m
札幌記念は札幌芝2000mで施行。初角となる1コーナーまでは400m弱と札幌競馬場にしては距離があり、先行争いにおいて内外の有利不利は少ないコースです。今年はAコース最終週の開催でもあり、外枠が不利になることはないでしょう。
登録18頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。先行馬は揃っており、タイムトライアルになる可能性はありそう。道中は内、直線は外というのが理想でしょうか。
1番人気想定はホウオウビスケッツ。昨年の天皇賞(秋)で3着に好走。天皇賞(秋)と札幌記念はリンクしやすい一戦で、ここへの適性は高いでしょう。速い流れを前で粘る競馬が得意で、先行馬が揃っていることもマイナスにはなりません。1番人気とはいえ、想定4倍なら妥当と考えます。
2番人気想定のステレンボッシュは昨年の桜花賞馬。ただ、今年の2戦は13着、8着で、古馬相手の牡馬混合戦に確たる実績がありません。ホウオウビスケッツと比較した際に、想定5.3倍はやや過剰人気に映ります。
3番人気想定のヴェローチェエラは函館記念を圧巻の捲りで勝利。10番人気と一気に評価を落とした前走が買い時だったという感は否めません。捲って勝ち切った後だけに消耗度もやや心配。少なくとも「今回が絶好の買い時」ではないでしょう。
コスモキュランダは大阪杯8着からの臨戦。前走G1敗退というのは期待値を取りやすいパターンです。豪快に捲って、結果的に他馬にアドバンテージを与えてしまうところはありますが、能力は確か。4番人気・7.2倍は妥当という印象で、あとは並び次第。
ハヤテノフクノスケは前走の函館記念を4-4-4-5から2着。将来を見据えた脚をためる競馬で結果を出しました。捲ったヴェローチェエラより消耗度は少なく、5番人気・8.2倍は悪くありません。
ココナッツブラウンの前走、クイーンSは勝ちに等しい内容。大手サイトで騎手未定になっている点は気になりますが、12-12-13-11から2着という通過順位から、クラスが上がるほど良いタイプに見受けられます。
シュヴァリエローズは直近2走がG1で大敗。7歳馬だけに衰えたという可能性もありますが、昨秋にはG2で連勝しており、馬柱的にはここでの巻き返しが期待できます。
同じくG1帰りになるのがリビアングラス。宝塚記念7着の内容も悪くなく、2走前、3走前とG2で僅差と結果も残しています。7番人気・19倍は甘いのでは。
混戦ムードで馬場状態も微妙。それだけに騎手の腕も問われる一戦になりそう。土曜の競馬で乗れている騎手の騎乗馬を評価するというのも一考です。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言194
競馬は「変わり身のある馬をみつけるゲーム」
★ピックアップレース★
7月27日 新潟11R 3歳未勝利 芝1000m良
◎10ベルリネッタ
高○14スウェルティア
穴▲3イスラコラソン
穴△7ニシノカクテル
☆16チュッチュポッポ
注4ハクサンハナビ
注11ロジステート
―暑熱対策での中休み(気温の高い時間帯の中京・新潟を休止する)が始まりました。騎手の方はこの時間帯に仮眠を取ったり、札幌競馬を観たりして過ごしていたようですが、みねたさんはいかがでしたか?
みねた)もちろん札幌競馬を観て過ごしましたが、時間に余裕ができる分、地方競馬もやり始めて、もう一台モニターが欲しいなと思いました(笑)。
―ちなみに、暑熱対策のスケジュールについては、どう感じられました?
みねた)正直に言うと、あまり好きではないですね。やはりいつものルーティンが崩れてしまうので。馬券的なアプローチは今のところ、何か変えるというのはありません。通常のスケジュールだとメインレースの後は最終レースだけが残っていて大きな売上になりますが、今は3場のメインが終わっても11レースも残っています。ライトユーザーがどういう投票行動を取るのか、といった点は、売上をチェックしてみようと思っています。
―確かに、「もう、最終しかねぇ」と思ってブチ込んでいた人たちが「あれ、あと11レースもある」となった時にどうするかは興味がありますね。
みねた)金言15「オッズは心理戦である」でも触れていますが、パリミュチュエル方式で行われている以上、予想の上手い下手よりも人間心理を読むことが大事なんです。売上から人間心理が読めるのであれば、それを馬券に生かしたいですよね。
―さて、今回取り上げるのは7月27日の新潟11Rです。11Rなのに3歳未勝利戦というのが、まさに暑熱対策のスケジュールという感じで違和感がありますね。このレースは▲→☆→◎の決着で3連複は5,670円。千直の一戦を、10番人気の▲3イスラコラソンが内ラチ沿いを走る奇襲で見事に制しました。
みねた)千直といえば外枠有利で間違いありませんが、開幕週はこのパターンが通用するかも、という感じですよね。ただ、それがハマるかどうかは予測不可能な部分ではあります。それよりも大事なのは、内枠は不当にオッズが低くなりやすいという点。
―手元の競馬新聞をみたら割とイスラコラソンには割と印が付いているのに、10番人気という低評価でした。ただ、デビューから7着→13着→12着→18着と戦歴的には見どころのない馬で狙いにくいのも頷けます。この馬を▲に評価した理由を教えていただけますか?
みねた)芝1600mからの距離短縮ですね。芝のマイルを使うというのは、陣営がそれなりに素質を感じているということ。例えば、いくら1000mに適性があると思っても、1000mばかり走らせて、1000mしか走れないない馬になったら、そんなに稼げませんよね。1600mをこなせれば、上級条件のレースも多いし可能性が広がります。
―これもまた、一種の“人間心理”ですね。陣営の意図を読むという。
みねた)そうなると必然的に芝1600mの方がメンバーレベルは高くなります。しかも距離が長くなればなるほど、バテてから走る距離が長くなるので大敗しやすくなり、人気を下げる要因になります。イスラコラソンも2.2秒差の18着という数字のインパクトが、10番人気にとどまった大きな要因だと思います。
―前走で芝のマイルを使っていたのは3イスラコラソン、11ロジステート、14スウェルティアの3頭でした。
みねた)11ロジステートは3番人気に推されていたので、人気妙味で3イスラコラソンと14スウェルティアを上位に取りました。これも何度もお伝えしていますが、競馬は「その馬が勝つか勝たないか」ではなく、「(その馬の)勝つ確率に対してオッズが何倍か」という視点が重要です。そして、勝つ確率に対して甘いオッズになりやすいのが前走大敗馬。そういう意味では、競馬というギャンブルは「変わり身のある馬をみつけるゲーム」という言い方もできるかもしれませんね。