プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“期待値のある単勝が最も安定する”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
9月21日 中山11R オールカマー 芝2200m
オールカマーは中山芝2200mで施行。初角まで十分に距離があり、先行争いによる内外の有利不利はありません。
登録11頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。先行・差しイーブンと考えます。中山コースなので3コーナーから位置取りを上げていけるコーナー得意のタイプが良いでしょう。
道中で動ける＝通過順位を上げているという観点で登録馬をチェックしていくと、最初に目がいくのがドゥラドーレス。エプソムCは16-15-14、七夕賞は7-7-5-4からともに2着と機動力を発揮しています。ルメール騎手が手綱を取るのも心強いですね。
フェアエールングはクイーンSを5-5-4-2から3着。こちらも機動力を備えています。地味なプロフィールのせいかあまり人気になりにくいタイプで、ここも7番人気・18.3倍想定。これなら期待値はありそうです。
人気になりにくいタイプという意味ではホーエリートもそう。G2目黒記念2着以来の実戦で5番人気・8.4倍想定は甘く映ります。また仮にここで敗れても、一気に人気を落としそうな次走以降でも狙えます。連続大敗するまでは追いかけて損はないでしょう。
クロミナンスはG2で4走連続馬券になっているにもかかわらず想定6番人気(15.7倍)。単純に近走の成績、実績に比較して甘いオッズといえるでしょう。
ヨーホーレイクは戦績的に間隔を取った方がいいタイプ。京都記念の◎もその点を考慮してのものでした。休み明けのここは狙い目になりますが、想定3番人気というのをみると、それもバレてきてしまったのかもしれません。5番人気前後にとどまるようなら◎候補の一頭になってきます。
出馬表を上から順に眺めていった時、レガレイラのところで明らかに実績の抜けた馬が登場した感があります。前年のグランプリホースに、ここで無様な競馬はして欲しくありません。力を出せれば上位争いは必至で、想定3.2倍は実績に対してかなり甘いのでは。
ローズSのカムニャックは直前に除外馬も出た上での単勝オッズ2.9倍。明らかな実績上位馬に対して懐疑的に捉えるトレンドが生まれているように感じます。適性重視に振り過ぎた結果、本当なら穴候補だった馬が売れてしまっているのです。強い馬のオッズが甘い＝的中率を高めながら勝てるので、期待値党にとってはいいシーズンが到来しているのかもしれません。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言199
期待値のある単勝が最も安定する
★ピックアップレース★
9月7日 阪神11R セントウルS 芝1200m良
◎13カルチャーデイ
高○7カンチェンジュンガ
穴▲15モズメイメイ
高△3ママコチャ
☆14トウシンマカオ
注2テイエムスパーダ
注5ヨシノイースター
―9月1週の4重賞はもどかしい展開でした。土曜の札幌2歳Sは「高○」のジーネキングが単勝31.1倍の10番人気でクビ差の2着、京成杯AHは「穴△」と4番手に評価したホウオウラスカーズが単勝89.5倍(13番人気1着)。日曜の紫苑Sは「高▲」のケリフレッドアスクが単勝24.9倍で、セントウルSは「高○」のカンチェンジュンガが19.4倍で勝利。
みねた)軸選びをミスしてしまいましたね。◎の選択次第では4レース爆勝ちまでありました。ただ、推奨買い目で示している通り、「高」については単勝を推奨しているので、日曜日は24.9倍と19.4倍の単勝が的中しています。
―推奨買い目については以下の通り。
【単勝】◎高オッズ3倍以上
【ワイド】◎→流し(〇▲△穴)オッズ5倍以上
【馬連】◎流し(○▲△☆注穴) オッズ7倍以上
【馬単】◎頭固定流し(→○▲△☆注穴)オッズ13倍以上
【3連複】◎1頭軸ながし、オッズ15倍以上
【3連単】◎頭1頭軸ながし、オッズ30倍以上
【3連単】〇▲△穴→◎→印、オッズ40倍以上
※指定のオッズ以下の場合はオッズ切りを推奨
3倍以上つく場合は◎と「高」の単勝推奨、ということですね。では、予想印につく「高」と「穴」の意味合いについて改めて説明していただけますか？
みねた)「高」は的中率も見込める期待値の高い馬、「穴」は的中率こそ低いけれど期待値の高い馬、というイメージです。期待値があるという点では共通しているので、「高」「穴」がついていたら全て単勝を押さえておくという手もあります。ただ、的中率との兼ね合いを考慮して、「高」は単勝を押さえ、「穴」についてはワイドを押さえるように推奨しています。
―セントウルSであれば、◎であるカルチャーデイと「高」のカンチェンジュンガ、ママコチャの単勝を押さえましょう、ということですね。ママコチャは3.2倍なのでオッズ切りギリギリのラインでしたが。
みねた)それでも3.2倍なら期待値はあったと思いますよ。「高」については、◎と迷った軸候補と考えてもらうと伝わりやすいかもしれません。このレースの◎候補はカルチャーデイ、カンチェンジュンガ、ママコチャの3頭で、結果的には唯一のハズレをひいてしまった格好です。
―◎を打つか迷うぐらいということですから、期待値があることは間違いないですね。「高」の馬を買える理由を考えることで、馬券力のトレーニングにもなりそうです。
みねた)極論を言えば、私が他の馬に◎を打っていたとしても、「高」の方を優先して軸にしていただいても構いません。ただ、それには条件があって「ギャンブルの特性を知っている人に限る」です。◎よりも「高」の方が人気薄のケースが多いので、確実に的中率は下がります。「的中率を下げて期待値を追う」ことを理解した上で、「高」を上位に取るのは問題ありません。もちろん私自身、提供する予想において常に最適解を出せるように今後も精進していきます。
―「高」をみれば◎決定までのみねたさんの葛藤を窺い知ることができるわけですね。ちょっとセントウルSにおける脳内を言語化していただけませんか？
みねた)カルチャーデイについては週中展望で「想定15倍もらえるなら、内枠であれば本命候補」と書きました。最終オッズは6番人気16.1倍でしたが予想段階では9番人気(オッズ20倍以上)だったので、外枠の分を割り引いても期待値があると判断しました。結果的には外枠の分、ペースが上がってしまいましたね。
カンチェンジュンガは週中展望で「基本的に人気になりにくいタイプ。今回の想定5番人気では食指はあまり動きません」と記しました。確定オッズは8番人気19.4倍。嫌う理由がオッズだったので、人気になっていないなら◎候補になります。
ママコチャの週中展望は「脚質的に今回は(トウシンマカオよりも)こちらに分がありそう。逆転の期待をかけても良いでしょう。そのためには内枠が欲しいところ」。開幕週＋コースパターンAという条件で、期待値のある馬の中でも最も内枠をひいたのがこの馬でした。
―「高」=軸候補で悩んだ馬というのがよく伝わってきます。これだけギャンブルを極めたみねたさんが悩んだ末に結論を出したのに、「開幕週の内枠」という真理に屈するというのが競馬の面白さですね。最後に買い目の組み方について1つ教えてください。例えば1レースの予算が1万円だとして、「高」がいる場合は◎からの馬券1万円分＋単勝とした方がいいのか、それとも◎からの予算を削って「高」の単勝に回す方がいいのでしょうか？
みねた)期待値があるならば、的中率の高い単勝は資金を回転させる上で有効。ですから、◎からの馬券の予算を減らして「高」の単勝を押さえるのが良いと思います。1万円に収めるために「高」の単勝には目を瞑って◎からの馬券だけを買うというのが最も悪手ですね。
