プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“◎至上主義だからこそ競馬は勝てる”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
9月28日 中山11R スプリンターズS 芝1200m
スプリンターズSは中山芝1200mで施行。初角となる3コーナーまで300m以下という「コースパターンA」で、先行争いにおいては内枠が有利です。おむすび型の形状で、外枠の馬は距離ロスが大きくなる点からも内枠がベターでしょう。
前走の通過順位に3番手以内があるのは登録17頭中5頭。短距離チャンピオン決定戦にしては、先行馬の占有率は高くありません。先行馬が多ければ、タイムトライアルになるので、前出のコース形態もあいまって絶対的に内枠有利と言い切れるのですが、先行馬が揃っていない＝道中でバラけないため、外をスムーズに走る形にもアドバンテージが出てきます。特に先行馬は、どの枠に入るか以上に、どのような並びで入るか鍵を握りそうです。
先行馬が揃わなかったことでアドバンテージを得るのはナムラクレアでしょうか。自力で動けるタイプゆえに前哨戦を快勝→本番惜敗のパターンを繰り返してきましたが、ルメール騎手に乗り替わって以降、前哨戦から脚をためる競馬を徹底しています。前走の函館SSは差し損ねましたが、その分、疲労も少ないはず。本質的には道中で動いていける機動力が武器なので、それが生かされるチャンスが来た感があります。2番人気・7.2倍なら。
1番人気想定はサトノレーヴ。今年の高松宮記念の覇者でモレイラ騎手騎乗ですから、人気になるのも当然です。ただ、6歳秋のシーズン、海外遠征中心のローテーションで、大きな上積みを見込めるかは微妙。1番人気・2.1倍という想定オッズは相対的に辛く映ります。
ママコチャはセントウルSでも評価しましたが、華麗なプロフィールに反して人気になりにくいタイプ。ブチコの子でも白毛でなければこうなってしまうのでしょうか(笑)。もちろん馬券を買う側にとっては歓迎です。しっかり能力を出し切る優等生タイプなので、ここでも大崩れは考えにくく、上位評価することになりそうです。
トウシンマカオは前走のセントウルSで3着と1番人気を裏切る形となりました。とはいえ、8-9と脚をためての0.1秒差は悲観するものではなく、G1でしっかりパフォーマンスを上げてくるはず。3番人気・7.9倍なら悪くありません。
昨年のスプリンターズSを9番人気で制したのがルガル。今年の想定オッズは5番人気の11.7倍で、前年覇者にしては甘い印象です。高松宮記念とは求められる適性が異なるレースなので、そこでの敗戦も気になりません。どれだけ自身の能力を出し切れるかだけでしょう。
期待値的な観点ならセントウルS勝ち馬ながら10番人気・25.1倍想定のカンチェンジュンガは引き続き狙えますし、枠順次第ではウインカーネリアン、ペアポルックスといった人気薄の先行馬を狙う手も。
コース形態に特徴があるコースなので、とにかく枠と並びが重要。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言200
◎至上主義だからこそ競馬は勝てる
★ピックアップレース★
9月7日 中山11R 紫苑S 芝2000m良
◎1リンクスティップ
高○10マイスターヴェルク
高▲7ケリフレッドアスク
△4エストゥペンダ
☆9ダノンフェアレディ
注5ジョスラン
注13テリオスララ
―「高」の評価をした馬が勝ち切ったレースについて、前回はセントウルSを取り上げたので、今回は日曜の紫苑Sについて伺います。「高▲」のケリフレッドアスクが7番人気で逃げ切り、単勝2490円でした。
みねた)セントウルSは枠よりも期待値を重視したカルチャーデイを選択し失敗、こちらは、素直に開幕週で内枠に入った強い馬から組み合わせで期待値を取ろうとリンクスティップを◎にして裏目。とにかくこの週は◎の選択が噛み合いませんでした。
―それでも19.4倍の単勝と24.9倍の単勝が当たっているので、まさに買い目の勝利ともいえますね。念のため、改めて推奨買い目を紹介しておきます。
【単勝】◎高オッズ3倍以上
【ワイド】◎→流し(〇▲△穴)オッズ5倍以上
【馬連】◎流し(○▲△☆注穴) オッズ7倍以上
【馬単】◎頭固定流し(→○▲△☆注穴)オッズ13倍以上
【3連複】◎1頭軸ながし、オッズ15倍以上
【3連単】◎頭1頭軸ながし、オッズ30倍以上
【3連単】〇▲△穴→◎→印、オッズ40倍以上
※指定のオッズ以下の場合はオッズ切りを推奨
このレースの場合、リンクスティップの単勝オッズが2.4倍なのでオッズ切り、つまり買わないということですね。前回のお話にならうと、資金が1万円であれば、「高」のついているマイスターヴェルクとケリフレッドアスクの単勝を2000円ずつ押さえて、残りの6000円分を◎リンクスティップから馬連などの組み合わせ馬券を買うということか。ただ、それだと◎以外の馬券の比率が高過ぎませんか？
みねた)いや、それで問題ないと思います。同じように期待値があるのであれば、的中率が高い方がいい。前回でもお伝えしましたが、的中率が高ければ資金を回転させられるので、複利で増やすことができますからね。システムで高期待値と判定された馬の中から私がチェックして単勝期待値があると判断した馬に「高」をつけているので、精度は高いと自負しています。
―その買い方だと1万円→4万9800円だからレース回収率は500％弱。
みねた)それぐらい、期待値のある単勝というのは強力ですよ。実際に、私が以前に某予想サイトで予想を出していた時も、複数頭数の単勝買いを取り入れていましたから。今回は単勝だけでしたが、もちろん2着、3着にリンクスティップがきていたら、さらに払い戻しは上積みできます。
―連勝馬券の軸と単勝の期待値は別で考えるということですね。
みねた)今のトレンドだと穴穴の馬券で期待値が出るレースは限定的で、信頼できる軸→穴が今は回収率が出やすい。推奨買い目にも「オッズ3倍以上の◎と高」と記しているのですが、セントウルSにしても紫苑Sにしても的中報告がほとんど届きませんでした。
―的中報告の有無が気になるんですね(笑)。
みねた)いや、そういうわけではなくて(笑)、このことからもやっぱりファンの間では◎が馬券に絡むことが重要で、◎は沈んだけれど別の馬の単勝が的中というのは受け入れられにくいのだと再確認しました。「◎至上主義」とでも言いますか。
―それはありますね。先週今週とセントウルSや紫苑Sを取り上げていいのかという葛藤はありましたから。
みねた)ただ、◎至上主義がはびこっているからこそオッズが歪んで期待値が取りやすいというのも確かで、だからこそケリフレッドアスクの単勝が24.9倍で買えたのでしょう。
―それもなんとなくわかります。昔の競馬新聞とかは◎からの回収率で成績を出していましたしね。どうしても人気馬に置きにいく形が多いのかなと。
みねた)予想を当てたいなら1番人気に◎を打っていれば良いですから。大事なことは「期待値のある馬券を当てる」です。期待値の観点から馬券で勝ちたいのであれば、これを肝に銘じておいて欲しいですね。
―最後にケリフレッドアスクで評価した理由についても一言お願いします。
みねた)オークス8着馬ですから弱くないですよね。いかに、前走がオッズを作るかがよくわかる例だと思います。
―その前走は1勝クラスで4着。
みねた)前走欄を隠して、オークス8着以来の実戦だったら上位人気に支持されていたのでは？ 前走は2400mから1600mへの大幅短縮。1600mで勝っているとはいえ、オークスで2番手から8着に粘るような馬ですから中距離の方がベターでしょう。2000mで人気落ち、絶好の狙い目でした。
―さきほど「今のトレンド」という話が出ましたが、このテーマについては次回、ローズSをサンプルに伺いたいと思います。
