プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“「安心して買われる1着」と「疑われる1着」”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月15日 中京11R 金鯱賞 芝2000m
金鯱賞は中京芝2000mでの施行。初角となる1コーナーまでは300m強で、内外の有利はあまり気にしなくていいでしょう。
登録14頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは3頭。先行馬占有率は高くなく、メンバー構成からは展開有利な先行馬か、外からスムーズに追い上げられる馬に向きそう。ただ、馬場的には開幕週で内枠有利なので、評価の匙加減が難しいところです。
1番人気想定はクイーンズウォーク。昨年の勝ち馬です。前走9番人気9着からの1番人気は、少し人気が上がり過ぎという印象ですが、実績的に好走確率は高そう。消しようがないけれど、このオッズで◎にするほど期待値はなさそう、という印象です。
2番人気想定はドゥラドーレス。4戦連続で重賞2着ですね。1つ勝てば一気に本格化しそうな雰囲気があります。この戦績では盲点になりようがなく、G2で2番人気は至極妥当。例えば4着→4着みたいな臨戦になって、オッズチャージされたタイミングで狙いたい馬ではあります。
3番人気想定はジョバンニ。活躍の目立つ明け4歳勢でトップグループを形成する1頭です。ただ、ここのところ反応の悪さが目立ち、道中で位置を下げる競馬が続いており、脚質的には有利とはいえません。想定8.1倍自体は悪くありませんが、特に買い材料があるわけでもない、といった印象です。
アーバンシックは香港ヴァーズ10着からの臨戦。海外での大敗は度外視できますし、2走前の天皇賞(秋)は0.2秒差の5着と健闘しています。天皇賞(秋)の結果を考えると、クイーンズウォークとの比較でこちらの方が期待値はありそう。捲る脚があるのも向くでしょう。重賞での勝負弱さが目立つ三浦騎手騎乗というのは少し気になります。
ジューンテイクは前走の京都記念でエリキングを降して勝利。2走前は捲り、前走は先行で好走しており、今回求められる脚質にマッチしています。G2勝ちの直後でも想定5番人気・10.1倍にとどまっているのは甘いと考えてよいでしょう。
ホウオウビスケッツは昨年のこのレースで1番人気2着。今回は13着→16着という、オッズチャージが期待できる臨戦です。3走前の毎日王冠では0.1秒差の2着と能力の翳りは見られません。過去に何度も勝たせてもらっているように、人気を落としたところでこそ狙いたいタイプ。今回は絶好のタイミングに映ります。
期待値だけならシェイクユアハートも面白そう。G3勝ちに続いて前走の京都記念でも0.4秒差の4着と健闘しました。再度のG2戦で9番人気・16.9倍なら。
4番人気以下に期待値のありそうな馬がチラホラ。想定オッズとは異なるオッズになりそうな雰囲気もあるので、しっかりオッズを見極めて、最適解を導き出したいですね。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言223
「安心して買われる1着」と「疑われる1着」
★ピックアップレース★
2月21日 阪神11R 阪急杯 芝1400m良
◎1ソンシ
穴○6ララマセラシオン
穴▲7アサカラキング
穴△14マサノカナリア
穴☆17メイショウソラフネ
注5ドロップオブライト
注10グレイイングリーン

―今回は2月21日の阪急杯について伺います。◎→○→注の決着で馬連110.9倍、馬単156.0倍、3連複257.6倍、3連単1074.2倍という高配当になりました。人気が割れた中で、4.2倍の1番人気ソンシに◎を打てたこと、そして14番人気のララマセラシオンを対抗評価できたのは会心だったのではないでしょうか。
みねた)気持ちいい的中でしたね。まずは◎のソンシの理由ですが、1つには開幕週ですよね。内枠が狙い目になるパターンとして、「初角までの距離が短い」「先行馬が揃っている」については何度も解説していますが、大前提として「開幕週の芝」が内枠有利に働くのは言うまでもありません。ただ、それは目立つので、あとはオッズが見合うかどうかですね。
―4.2倍なら見合うという判断?
みねた)まず馬柱の話をすると、競走除外→長期休養というのがいいですね。期待値を取りやすいパターンです。金言221「前走中止を見逃すな」に通じるのですが、競走除外も前走欄に色が付かず地味になるので人気を押し下げます。そして休養となるとそこも色が付きません。5-2-1-1という過剰人気になりやすい綺麗な戦績ですが、直近が除外→休養になることでだいぶ薄れています。そしてあとは相手関係ですね。
―メンバーが弱かったということですか? 確かに、ソンシ自身は重賞勝ちがなくて前走でリステッドを勝っただけ。長期休養明けのG3で1番人気というのは、一見、過剰人気にも映ります。
みねた)そこが「競馬が相対的である」ことの面白さですよ。このレースの出走馬の前走を見てみると、8頭が前走二桁着順です。前走で重賞の掲示板に載っているのは5ドロップオブライト(ターコイズS・1着)と10グレイイングリーン(阪神C・4着)の2頭だけ。ドロップオブライトは勝っているとはいえ牝馬限定戦ですし、グレイイングリーンも4着止まりで、G3と言えど、それほどメンバーが揃っていないというのがわかります。実際に私が活用しているAIの能力評価でもソンシだけがただ1頭、S評価になっていました。戦績だけだと少し不安になりますが、AIでもソンシの能力が抜けていると判断しており、それに加えて絶好の1番枠。迷いなく◎を打てました。
―そして○ララマセラシオン。14番人気のこの馬を、よく2番手に評価できましたね。
みねた)このレースで3番人気に支持されていた8ディアナザールを「危険な人気馬」だと判定していたのですが、この馬はいわゆる「先行昇級」でした。
―前走3番手以内を取っての先行策で勝利して昇級してきた馬のことですね。
みねた)改めて説明すると、競馬は先行の方が有利で、しっかり能力を出し切れます。したがって、先行策で勝つということは、能力を出し切っていることが多く、能力の余白があまりないことが多い。クラスが上がってメンバーレベルが上がると通用しないケースも少なくありません。その点、ララマセラシオンは同じ昇級でも差し切り勝ちからの昇級でした。
―ディアナザールもララマセラシオンもともに、連勝して重賞挑戦ということで、臨戦過程は似ていたんですよね。
みねた)それでいてオッズは6.8倍と53.1倍です。人気に差がついた理由は、ディアナザールは4-1-0-0と馬柱が汚れておらず、一方のラマセラシオンは3走前に2勝クラスで12着の大敗を喫していたからでしょう。どうしても「3走前に2勝クラスで大敗していた馬がG3でやれるかな」と想像してしまいますからね。
―結果はララマセラシオンが2着、ディアナザールが4着で、望外の高配当を手にすることができました。
みねた)レース映像をご覧になっていただければわかると思いますが、この2頭の着差はわずか0.1秒ですし、2頭の好走確率はほとんど変わらなかったと思います。同じ確率であれば、来た時に6.8倍しかもらえない馬よりも53.1倍もらえる馬を選んだ方がいいですよね。これが期待値の考え方です。
―馬柱上は、どちらも同じぐらいの実績なのに、オッズに大きな差がついているということですね。
みねた)そういうことです。素直にみれば同じ戦績なのに、ここまでオッズ差が出るのは、新聞の印とか周りの評価に流されてしまっているのでしょう。人の評価でも、当たり前にやっている良さは見落とされがちですよね。例えば、普段から真面目に頑張っている人は「当たり前」と思われてしまうのに、普段あまり頑張らない人が一度結果を出すとすごく褒められたりします。
同じ前走1着でも、「安心して買われる1着」と「疑われる1着」があります。能力差というより、その“印象の差”がオッズになって表れていたんでしょうね。だからこそ、目立っていない長所を見つけてあげることが、期待値馬券では大事なんだと思います。
