プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“週中で「これしかみえない」という状態になるのは危険”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月22日 阪神11R阪神大賞典 芝3000m
阪神大賞典は阪神芝3000mでの施行。初角となる3コーナーまで300m以上の距離があるため、先行争いにおいて、内外の有利不利はありません。
登録11頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。展開面は逃げ差しイーブンで、実力通りの結果になりそうな雰囲気です。
1番人気想定はアドマイヤテラ。天皇賞(春)を目指す一流馬がこぞって始動戦に選んでいた頃と比較すると、この馬が1番人気想定というのは、小粒感がありますね。とはいえ、一昨年の菊花賞3着馬で昨年はG2の目黒記念を制しており、このメンバーでは能力上位でしょう。前走の有馬記念は0.9秒差の11着。これで人気薄であれば狙いたいなるところですが、想定2.3倍の1番人気というのは被り過ぎにも映ります。
2番人気想定はダノンシーマ。3連勝でリステッド勝ちと、素質馬が本格化した感があります。連勝馬で見逃されようがないので期待値が積まれていることはありませんが、もちろん弱い馬ではありません。積極的に消す材料はありませんし、アドマイヤテラが想定以上に売れてオッズが貰えるようなら◎に推すこともあるかもしれません。
3番人気想定はレッドバンデ。年明けの重賞で活躍が目立つ明け4歳世代で、昨秋はセントライト記念3着、菊花賞5着と健闘していました。2勝クラス勝ちからの格上挑戦となりますが、能力はヒケを取らないとみます。欲を言えば前走でも取りこぼして盲点になるのが理想でしたが、それでも想定6.6倍なら悪くないのでは。
アクアヴァーナルは前走で3000mの万葉S勝ち。特殊な条件だけに、距離実績があるのはプラスでしょう。長距離適性だけで狙ってみる手もありますが、あとは想定9.0倍をどう捉えるか。
実績面とオッズのバランスではファミリータイムが面白そう。中日新聞杯1番人気から11番人気まで急落した前走の日経新春杯が狙い時だったのは確かですが、そこでの2着好走を経た今回も想定5番人気・10.9倍なら人気が上がりきっていません。
シュヴァリエローズは有馬記念で0.9秒差の10着。数字上はアドマイヤテラと変わりません。ステイヤーズS勝ちがあるように長距離を得意としており、距離不足であったり海外遠征であったりした近走は度外視可能でしょう。12-11-11-12から10着と諦めずに走っていた有馬記念の内容から大きな衰えは感じられないので、想定9番人気・54.8倍なら期待値はあるでしょう。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言224
週中で「これしかみえない」という状態になるのは危険
★ピックアップレース★
3月1日 中山11R 中山記念 芝1800m良
◎10エコロヴァルツ
○6チェルヴィニア
▲5レーベンスティール
△9カラマティアノス
☆1セイウンハーデス
注3マジックサンズ

―今回は少し趣向を変えて、週中展望から実際の予想印を打つまでの変遷についてお聞きしたいと思います。サンプルは3月1日の中山記念。▲→△→◎の上位人気決着なので、予想自体は特筆するほどではないと思いますが、「週中展望からの変遷」という意味で面白そうかなと。
みねた)週中展望の段階ではセイウンハーデスを評価していましたからね。
―当時のコメントを再録します。
セイウンハーデスはG1帰りという臨戦。天皇賞(秋)は9-12-11から0.4秒差の7着、ジャパンカップでは果敢な逃げと、ともに濃い内容でした。3走前のエプソムCは優秀な内容ですし、5番人気・7.3倍なら悪くないのでは。
締めの部分でも「上位人気勢に「ここが狙い目!」という馬が少ない一方で、その下の人気帯に面白そうな馬が揃っている印象」となっており、セイウンハーデスへの色気が感じ取れます。
みねた)蓋を開けてみたら、想定オッズと実際のオッズがかなり違いました。5番人気想定だったセイウンハーデスが1番人気の3.4倍。1番人気想定だったレーベンスティールが3番人気で4.2倍。こうなるとセイウンハーデスは買えませんよね。7倍=7回に1回は勝つと思いますが、3.4倍はその半分以下ですから。
―なぜ、これほどまで売れたのでしょうか。
みねた)それはわからないです。もちろん金言218で話したように、「人気馬で勝負するための理由として、枠順を拠り所にする人が多い」というのはあったでしょう。開幕週の1番枠ですから。あと、週中の段階でもセイウンハーデスを高く評価する投稿や言説をたくさん見かけた気はしますね。
―それはなんとなくわかります。
みねた)前走がジャパンCとか、G1で逃げた後だとか、1800m重賞でレコード勝ちとか、わかりやすい買い材料が多かったですよね。週中段階で買えそう過ぎると、実際には買えなくなるという現象はあるかもしれない。
―買えそう過ぎる。バッテリィズのネタで出てくる「細そう過ぎる」みたいですね(笑)。
みねた)オッズと好走率の関係を考えるとわかりやすいかもしれません。例えば単勝1倍台前半の馬の複勝率は90%というデータがあったとするじゃないですか。もし、3倍の馬を自分で1億円突っ込んで1.1倍にしたら90%できますか?という話です。
―オッズで走るわけではないですよね。
みねた)ですよね。だから1億円入れて1.1倍にしても好走率は90%にはならない。7倍だろうと3.4倍だろうと、セイウンハーデスの好走率は変わらない。
―5回に1回勝つなら7倍は買えるし、3.4倍では買えない、ということですよね。
みねた)そうです。スロットで生きてきた身としては、非常に思い入れのある馬名ではあるのですが(笑)、3.4倍といわれたら評価を下げざるを得ません。
―週中では1番人気想定だったレーベンスティールが3番人気で1着。
みねた)3番人気の4.2倍なら、この馬を◎にするのもアリですね。5番人気の毎日王冠と3番人気のここで◎にできた人は上手いと思います。ほぼ想定オッズ通りだったマジックサンズやシャンパンカラーを狙うのも悪くありませんが、セイウンハーデスが背中を押された(=過剰に買われた)恩恵を一番受けたのはレーベンスティール、チェルヴィニアですよね。
―結局、期待値を追う以上、オッズが全てという結論に行き着きますね。
みねた)だから、週中で「これしかみえない」という状態になるのは危険ですよね。週中展望は上位人気馬中心に、実績とオッズが見合っているかを確認する作業なので、好走率は高いのですが、実際には「ここまで甘いのか」ということがあるから話が変わります。例えばレーベンスティールが1番人気想定ならオススメできないけど、10倍つくならこれ一択じゃないですか。
―それにしても、セイウンハーデスが12着大敗というのは意外ではありました。
みねた)出たなりでいけばいいのに、逃げてハイペースを演出するというのは想定外でした。こういう想定外のリスクも考えると、やはり人気馬で期待値を取るのは簡単ではないことがわかりますよね。12着馬を捕まえに行く競馬で2着とクビ差だったエコロヴァルツは、力を示してくれたと思います。
